表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢中の館  作者: 秋絽
9/19

9:探検家の日記 (2)

8月12日


 目が覚めると・・・テントじゃない、知らない場所で目覚めていた。

 テントで野宿していたはずが建物の中にいた。なんでこの建物の中にいるか考えてみたが全然わからなかった。

 荷物を確認したが、胸ポケットに入れていた羽根と、枕がわりにしていたレムの本しか持っていなかった。カバンを枕がわりにすればよかった…。今更だがカバンじゃなくてリュックじゃないか?あのカバン。


 考えていた中で誘拐されたと考えついたから部屋をでて誘拐犯か人がいないか探した。探してみたが本当に人が住んでいるのか疑問に持つほど生活感がなかった。だけど、人の代わりに深緑の化け物がいた。マジ怖かったがなんとか逃げることが出来た。


 これから化け物といちいち書くのは面倒なためグールと書くことにする。愛称グルちゃん。レムの本でもこんな名前のやつがいた気がする。


 逃げ切ることができたし、出るために玄関らしき扉を開こうとしたがびくともしない。

 館みたいな建物を隠れながらコソコソしているといい感じに隠れられそうな倉庫を見つけた。一階右奥の通路にある部屋、物が大量にあるし隠れられそうだ。食料もある。ここを拠点とする。

 突然の出来事の連続で疲れたからここで寝ることにしよう。


多分8月13日


 昨日コソコソしてわかったことがある。誘拐じゃないことに。もしかしたらグルちゃんが誘拐したかもしれないがそんな知性を感じられないほど突然襲ってきたし違うだろう。じゃあなんで誘拐でもないのにここで目覚めたんだろ?

 取り敢えず深く考えずにこの倉庫の段ボール箱を調べてみた。服、食器、食料、飲み物、道具と色々あった。中には何かの資料があって夢に関する内容だった。

 突然ここに目覚めたんだし夢じゃないか?でも妙にリアルに感じるから違うかな。

 そう言えば書いてて気づいた事がある。レムの本でこんな話があった気がする。でも逃げるのに夢中でどっかなくしちゃったんだよな・・・無能すぎるぞ昨日の僕。


多分8月14日


 昨日レムの本がここを出る鍵になるかもしれないと思ったから探しに行こう。グルちゃんに見つからないように。

 本を探していたら少女と出会った。本を探していたら泣き声が聞こえてきて泣き声がする部屋に入って出会った。という感じだ。

 名前を聞いてみると少女の名前は冬樹明里ふゆき あかりと言う名前らしい。一生懸命話しかけると泣き止んでくれたが、どこか悲しそうな顔をしていたので、持っていた羽根を手渡した。喜んでくれたようで安心できた。

 そんなこんなで、おんぶをして話しながら本を探していたらレムの冒険譚・下を見つけることができた。下巻しか見つかっていないが上巻もすぐ見つかるだろう。

 早速レムの冒険譚・下を読んだ。子供用の本でもあるし、明里ちゃんに読み聞かせながら読んだ。下巻ということもあり途中から物語が始まるためあまり楽しめないかもしれないが、上巻の内容をうろ覚えだが話してから読み聞かせた。

 下巻を読んでいると、不気味な場所から魔法を使って脱出する場面があった。脱出に使った魔法は『アウェイク』というものだ。しかし、この魔法を使うには獏の素材が必要らしい。

 それに魔法を使うには詠唱をする必要があるらしいのだが、本編では省略されており下巻を読み漁ったがどこにも詠唱が書いていなかった。下巻には物語で登場した化け物の紹介しかなく、魔法は上巻に書いてある構成だったな確かに。

 何とも不親切なんだ。今困っている人がここにいるのに。

 でも考えてみれば魔法なんて使えるわけない、ファンタジーじゃないんだから。だけどそう考えるとグルちゃんがノイズすぎる。人みたいに二足歩行をする動物は聞いたことないしグルちゃんは本当におとぎ話で出てくる化け物かもしれない。ならワンチャン魔法が使えるかもしれない。

 選択肢は多い方が良いだろう。やっぱり上巻を探すことにしよう。


8月15日


 今日はレムの冒険譚・上を探してみようと思う。しらみつぶしに自分が覚えている道をたどって探してみよう。

 正直グルちゃんから逃げるのに必死だったから場所をあまり覚えていないが、自分が起きた部屋に行ってみよう。何か思い出せるかもしれない。確か中央の階段を上がって、、左の通路にある部屋だった、気がする。

 明里ちゃんを一人にするのは流石に心配だし一緒に行くことにしよう。

 うろ覚えながら行ってみたら寝室っぽい所についた。自分が起きた場所ではないがまだ来たことない部屋だったから協力して探索した。

 探索しているとこの建物の間取り図と何かの皮を発見した。資料で出てきたバクの皮かな。バクの皮なら魔法で使う素材が手に入って脱出に近づいた気がする。間取り図を見てみるとこの建物でかいなと思った。

 間取り図を見るからに館みたいにでかいので館と呼ぶことにしよう。


8月16日


 今更だが明里ちゃんはこの館にいついたのか気になったから昨日寝る前に聞いてみた。

 すると、目が覚めたらここにいたのと答えてくれた。僕がここにいた状況と全く同じだった。

 間取り図を手に入れたことによってある程度自分がグルちゃんからどの経路で逃げたかを確認できる。長い通路を逃げていった気がするし図からそれっぽい場所を探すと、長いと感じれるほどの通路は僕たちが通っている通路くらいしかなかった。

 間取り図によればエントランスホールにある通路は館の後ろ側を通る感じで繋がっているらしい。

 今日はそこを通ってみよう。本があるに違いない。無かったら別の場所をしらみ潰しに探していくしかない。

 やばいやばい、通路を通っていたら図にない扉を見つけて開いてみたんだけど地下に続く階段があった。館の地下なんて絶対何かがある。ゲームや映画とかでは核心に迫る場所だ。行ったほうが良いだろう。


8月17日


 地下に行くことについて明里ちゃんを連れて行こうかと思ったが嫌な予感がする。館の地下って不気味な場所かもしれないし、お留守番させたほうがあの子のためだろう。怖い思いはなるべくさせたくないしな。


 ーーー〜〜ー〜ーーーした、、、いが、、、、、


8月18日


 一晩寝て回復した。昨日は地下に行ったあと体調が悪すぎて取り敢えずメモったらしい。

 起きたら明里ちゃんが心配そうに声をかけてきてくれた。どうやら昨日はやばかったらしい。

 何があったか書きたいが、、、思い出せない。今日は取り敢えず安静にしておこう。


8月19日


 一日安静にしていたがまだ体調がすぐれない。だけど動けないって程じゃない。早く出るために上巻を探そう。探している途中で玄関の扉の鍵とかハンマーとか見つからないだろうか。正直辛くて四の五の言ってられない。窓とか何かを壊して出ることもいとわない。てか最初からそうすればよかった。

 最近一階の中央階段を上がった先にある大きな両扉を通ると頭痛がする。今日はマジでやばかった。頭が割れるんじゃないかってくらいに頭痛がひどかった。

 明里ちゃんも頭痛があるかもしれないので聞いてみたら頭痛はないらしい。おじさん大丈夫?と心配されてしまった。いかんいかんこんな小さい子に心配されちゃ。

 明里ちゃんと話していて気づいたことがある。渡した羽根がほんのり光っていた。そういえば絵画の羽根は白じゃなくて薄い黄色で書かれていた。守ってくれてるってことかな。ナイス羽根。

 その後なんか本当に歩けなくなりそうなほど体調が悪くなってきたので粘って探索をしていたが倉庫に戻ることにした。結局工具的なものは見つからず、レムの本も見つからなかった。


8月20日


 寝て目が覚めたのだが、起き上がれない。力を入れようとしても力が入らないし、頭がボーっとする。かろうじて目はぼやけているがまだ見えるし、手は少し動かすだけならまだ大丈夫だ。

 明里ちゃんらしき子が近くに来て話しかけてくれたがなんて言っているのか聞き取れなかった。

 何とかこの手帳に書くことでコミュニケーションを取ることは出来た。

 自分が動けないと知ると否やどこか悲しそうな顔をして「任せて!」と書いて一人でどこか行ってしまった。

 大丈夫だろうか。最近グルちゃんに会ってはいないけどあの子一人で逃げ切れるだろうか。それにこの館は暗いし怖くないだろうか。


8月21日


 あの子が


        もどって

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ