現代日本人は『一億総塩抜きの刑』か!? 塩と味の素について
筆者:
本日はご覧いただきありがとうございます。
子供の時、砂糖と塩の見分けがつかなくて思いっきりクッキーに振りかけたら塩辛くなりました。
柔らかいせんべいだと思って食べました(笑)。
質問者:
(マジでそう言う人いるのかよ……)
今回は「塩抜きの刑」という表題がありますが、一体どういうことなのでしょうか?
筆者:
江戸時代や旧ソ連の処罰では「塩抜きの刑」というのがあったらしいんです。
質問者:
はぁ。しかし、塩を抜かれたぐらいで別にどうと言うことは無いですよね?
筆者:
しかしよく考えてみて欲しいんですが、人間から出る汗は塩辛いですよね?
0.9%は塩分が人体に含まれているとされています。
ですから、塩を抜かれると体調に悪影響が出てしまうのです。
実際に「塩抜きの刑」を執行された方たちは皆無気力になり、中には刑期中に自殺してしまった方もいるようです。
質問者:
思ったよりも深刻な刑罰なんですね……。
しかし、国は塩分接種を控えるように言っていますよね?
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。
また、日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨していますよ。
※ただし、「高血圧」の定義は1987年は180/100mmHgが高血圧の基準だったのですが、
現在では140/90mmHg以上。
更に“血圧を下げるべき“という降圧目標が追加され収縮期血圧(上の血圧)130mmHg未満、かつ、拡張期血圧(下の血圧)80未満となっています。
こんなにも下げられたのは”利権”の可能性があると筆者は考えています。
筆者:
なんと味噌汁1杯で6グラムになるようなのでそれ以外の塩を取れなくなります。
質問者:
え……それじゃぁ大変じゃないですか。
筆者:
ただ、この「塩が体に悪い」というのは市場に出回っているほとんど割合を占めている
「精製塩」のことなのです。
精製塩には「塩化ナトリウム」という塩の主成分(しょっぱさの成分)が99%以上の塩のことを指し、他のミネラル成分がほとんど含まれていません。
ですから本来の岩塩や海塩とは全く性質の異なるものです。
天然由来の岩塩と海塩にはミネラルが多く含まれており流石に食べ過ぎは危険ですが、一般的に使う量程度であれば全く問題はありません。
正直なところ最近は日本人に元気が無いのでもしかすると塩不足やナトリウム不足である可能性があると僕としては思っています。
つまり、6グラムに制限されていることは極端に言えば「1億総塩抜きの刑」状態とも言えるのです。
質問者:
へぇ……そうだったんですか……。
「塩が体に悪い」というのは半分噓であり半分本当と言う感じなんですね。
筆者:
そうなります。
ボストン大学医学部のリン・ムーア准教授は、2017年4月22~26日にシカゴで開催された米国実験生物学連合学会で、2632人の男女(30~64歳)の食生活を16年間追跡「低ナトリウム食は血圧を下げない」と題した研究結果を発表しています。
ナトリウムは人体の必須要素でもありますからむしろ、自然から取っている岩塩や海塩は摂取したほうが良いのです。
質問者:
具体的にどういう方がナトリウム不足なんですか?
筆者:
甘いものが無性に好きな人は足りていない可能性があります。
だるさや食欲不振、熱中症に頻繁になってしまう方はかなりナトリウムが不足していると思われます。
質問者:
なるほど、そういった方は岩塩か海塩を取ったほうが良いんですね……。
筆者:
また、ナトリウム以外のミネラルであるマグネシウム、カルシウム、カリウムも岩塩や海塩には含まれています。
このことからも、単に安さでは精製塩に軍配が上がりますが、健康面を評価するのであれば自然塩の2つが圧倒的に良いのです。
質問者:
そう言えば以前筆者さんは唯一お金をかけるとする健康食は塩などの調味料だとおっしゃっていましたね……。
筆者:
健康に良いと言われている食材も“詐欺“みたいにして価格だけ高いということがあり得ますからね。
例えば健康に良いと言われているグラスフェッド(牧草の身を食べた)の牛肉や平飼い鳥肉は見た目でホンモノを判断するのは相当難しいです。
そうなると、明らかに味で分かる自然塩のコスパが良いと思うんですよね。
使おうと思えば塩は毎日でも使いますし、賞味期限なども無いようですから飽きたらしばらく食べないことも可能です。
質問者:
なるほど、食べて違いが分かるならとりあえず買ってみて確かめてみるのもいいかもしれませんね。
筆者:
そこらへんは総合的に判断してもらえればと思いますけどね。
色々と種類もあるのでお好きなものをチョイスしていただければと思います。
また、塩に近いものとして「Aの素」などに含まれているグルタミン酸ナトリウム(以下MSG)についても言及しておきます。
芸能人や料理研究家で“激押し”の方たちがいるのがちょっと気になりますので。
質問者:
それって健康に有害が無いから長年認められているのではないのですか?
筆者:
一般的にはそういう見解ですが、諸手を挙げて大丈夫とは言えないみたいなんです。
1968年にアメリカでは「中華料理症候群」という、うま味調味料を摂取して体調不良を起こした事件が起きています。
これをきっかけにベビーフードへのMSGの使用を制限する旨の勧告がでたり(禁止になっているという話はデマの様です)、
アメリカの飲食店やスーパーでは、MSGが入っていないものですという「NO MSG」の記載がないと売上が伸びないと言った現象も起きているようです。
欧州の一部でもMSGが健康に与える影響について度々議論がされているようで、
今後の動向次第では制限がかかる可能性もあります。
※1993年と2000年に掲載された科学論文で、二重盲検法によるプラセボを対照としたグルタミン酸ナトリウムの大量摂取試験では、中華料理店症候群は発生しなかったことにによって否定されています。
※一方で2002年には弘前大学医学部の研究グループが「高濃度のグルタミン酸ナトリウムが緑内障の原因になる可能性がある」と発表しています。
質問者:
へぇ意外です。そんなにも健康が不安視されているのですか……。
筆者:
MSGに含まれているアクリロニトリルについては発がん性を有する可能性を示唆するデータとそれを否定するデータの両方があり、
現状ではヒトの発がん性を示す疫学的証拠は得られていないと判断されています。
つまり、今のところはOKだけど、
「微妙なライン」
と言うことを示しているのだと思います。
ボーダーラインなので“忖度”している可能性も否定できません(笑)。
質問者:
食品会社としては美味しくなるから発癌性を認めたくはないですよね……。
筆者:
また発癌性以外にもグルタミン酸ナトリウムは亜鉛の吸収を阻害します。
そして、亜鉛が欠乏すると味覚障害が引き起こされることから、
「味が感じづらい」と感じる方はもしかするとAの素(MSG)の取り過ぎの可能性がありますね。
質問者:
美味しくなるからと言ってMSGを使いまくってはいけないんですね……。
筆者:
僕はAの素などのMSG入りよりも岩塩や海塩を入れたほうが有用に思えますね。
精製塩を減らすことは良いと思うのですが、ミネラル不足になることもあり得るので注意したいですね。
質問者:
あの……伏字でずっと語られてますけど。タイトルに思いっきり書かれていますよ?
筆者:
あ……まぁ、タイトルの会社とは似て非なるものだと思ってください(笑)。
ただ、このMSGについても全く使うなと言いたいのではありません。
僕も味噌汁のだしを作っている暇が無くて、味噌汁が飲みたいときはMSG入りのを使いますしね。
ただ、あまりにもMSG入り食品を食べ過ぎると味覚に影響が出る可能性があるのは確かです。
こういったことを留意して日々の食生活を楽しんでいただければと思いますね。
質問者:
気が付かないうちに入っているかもしれませんし全く除くことはできませんよね。
筆者:
そういうことです。全体のバランスを見ていくことが何事も大事だと思います。
ということでここまでご覧いただきありがとうございました。
普段は政治・経済についてエッセイを書いていますが、こうした健康についての発信もしていきますのでこれからもよろしくお願いします。