表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

力ケノレ

作者: わかば

1

カケル




名前はカケル。

漢字のちからとカタカナのケとノとレでカケルだ。

由来は面白いからと愉快な両親によって決められた。

ちなみに母はゆいゆい、父はひょいざぶろーと言う

由来はやはり面白いから。



今日は学校が休みだ。

なぜなら学校にも休みを与えないとだから。

常に人を中に入れて支えっぱなしでは校舎も疲れるだろう。

とカケルが自宅にて。


外に出てみるとそこには庭がある。

庭には3羽ニワトリがいるという、常人にはにわかには信じられないテリトリーが広がっていた。

その内一羽をつまみ上げるとカケルは庭を再度見て満足気に目をつぶり、それを元に戻す。

カケルはどちらかと言うと完璧な状態を目に焼き付けておきたいタイプなのである。


気づくと手には羽が付いていた。

痛いのは嫌なので血は使わず代わりにケチャップで赤く染めた。

それを見るとさらに満足げに目を瞑る。

ちなみに手にはケチャップがへばりついている。

コーラでその手を洗い、カケルはさらに目を瞑る。


ここからは夢の話、

あ、あい


目を開けると既に日を跨いでおり、太陽は手に届かないくらいの場所まで上がっていた。

足元に何か違和感を感じ下を見ると庭の草に火がついている。

目線を上げると我が家まで燃えているではないか、庭には1羽も鶏がいなかった。

幸い他の家に燃え広がることは無かったが、消防員によって火は消され中から両親らしき死体が出てきた。

既に燃え尽きたそれは、それが両親であるという確信を持てないほどだった。


突っ立っていると顔見知りの隣人から声がかかる。

「かけるくん大丈夫?」

僕はカケルだと言いそびれたがどうでも良いことに気づいた。

「大丈夫です」

火事を前に大丈夫とは何か?と言いそびれたがどうでもいいや。

「ただお金がないです、全て燃えましたので。」

「そうよね、新しいご両親が見つかるまでに無くなっちゃうかもしれないけど一応これを」

隣人は焦るように財布に手をやるとお金をカケルに渡した。

沢山の小銭を。

(これが炎上商法かぁ)と、ぼんやり考え、今日の成果をカケルは古ぼけたメモに綴る。

そこで、カケルは目を覚ます。

足元に違和感を感じつつも白紙のメモを開く。

さて、どうするか

みなさんは、子供の名前に力ケノレとつけないで下さいね

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ