表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人の夜明け  作者: 小夜
4/17

思い出の場所へ*

ひとしきり泣いた私は、彼との思い出の場所に行くことにした。

鉄塔のある公園だ。

ここからはかなり遠いが、もうすることもない。


私と彼が結ばれたあの場所へ....。


会えないのであれば、せめて、あなたとのを思い出に包まれて消えよう。


私は重たい腰を上げてとぼとぼと歩き出した。


そういえば、明日は私が生まれた日だ。

そして私たちが結ばれた日でもある。

「そんな日に消えるのか.....なんだか皮肉なものね.......」


今は思い出したくなくても、色んなことを勝手に思い出してしまう。



出会った日、恋に落ちた日、二人が結ばれた日、そして私が死んだ日。


思い返すたびに、止まったばかりの涙が出てきた。

涙をぬぐう気力さえ、私には残っていなかった。


楽しかったあの頃にはもう戻れない。

手のぬくもりを感じることも、もうない。 

すべては過ぎ去ってしまった。


私は空を見上げた。


星が綺麗だった。

まるで、誰かに気づいてもうための瞬いているようだ。


二人で星を見に行くんだって言って鉄塔に登った日も、

今日みたいに綺麗だったな。


過去のことが鮮明によみがえる。


「また、ここで夜明けを迎えよう......か」


あの日の約束は、永遠に果たされることはない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ