表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/14

苦悩

  列席者の御名を拝し、梢洪邑(しょうこうゆう)は鬱々とした気分でいた。龍王陛下を始めとして、皇太子殿下、世孫殿下、錚々(そうそう)たる面々が連なる。御前試合に平民を出場させるなど、前代未聞のことであり、然も自分の師団から出るなど到底受け入れらるものではなかった。他団からの嘲笑が聞こえるようであった。でき得るなら将軍様に直訴したいほどである。しかし校尉の身分でそれも叶わなかった。せめてと思い、上将にだけは訴えたが、将軍閣下と副官双方の意向では如何(いかん)ともし難いとの仰せであった。かくなる上は、王石(おうせき)には是が非でも勝ってもらわねばならなかった。平民を出した上に負けたでは一軍そのものの面目が立たない。そう思い、王石の対戦相手の名前を見た時、洪邑は眩暈を覚えた。関熙雷(かんきらい)。一軍副官、関赤雲(かんせきうん)の息子の名であった。王石の勝敗に関わらず、洪邑の未来は暗澹としていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ