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【日記】2025/06/12(木) 散文:政治関連:備蓄米・古古古米の情報の訂正・修正・更新。(約3080字)

 

 

 ※作品の文体とは一部異なります。

 『』内は主に検索ワードとして使えます。

 

 

 【目次】

 ❶まず

 ❷本題

 ❸纏め

 ❹私見

 

 

 ──まず──

 先日の日記、

[【日記】2025/06/10(火)散文:腐敗を看過しないための緊張感。(約3230字)]

 で、取り上げた内容の修正・更新を行う。

 立憲民主党員であり、ゆうこく連合政治協会代表の原口一博氏の政府備蓄米に関する発言に関して、情報更新(『X』での2025/06/11 06:24配信)があったため記してゆく。

 それに当たり、小泉農林水産大臣の行った備蓄米(古古古米)放出に対する原口氏の発言・発信を二つ振り返る。

 ※発言は切取り。

「古古古米はニワトリさんが一番食べている(後略)」

「(前略)カビなどによる食中毒のリスク(後略)」

 これら原口氏の指摘は、新聞各社が報じていない部分について、また、小泉氏が掘り下げていなかった情報があったために発せられたものだった。

 原口氏の発言を取り上げた記者の質問に対する小泉氏の回答は「発言は非常に残念」。※小泉氏の回答は省略文・全文を【本題】中盤に掲載する。

 

 

 ──本題──

 原口氏の指摘は、

「2021年産備蓄米(古古古米)が飼料米として30%流通していた」

 と、いうもの。私が検索を掛けたところ30%の根拠(同年産の備蓄米の飼料用への流通量のデータ)が見つけられなかった……が、古古古米となった備蓄米が人間の食用に適うか疑わしい情報が農林水産省のデータ『食味等分析試験及び販売実証の結果概要』にあることが同氏配信の動画内で紹介されている。

 そのデータでは、備蓄期間18箇月までの食味データが開示されている。18箇月のあいだ2箇月ごとに行われた「食味評価:主観による絶対評価」の値は、備蓄開始後2箇月経過時点の「3.5」が18箇月経過時点で「1.8」まで減少している。

 ↪︎絶対評価の数字の意味(同データ内文面引用)

〔「5.非常においしく食べられる」

「4.おいしく食べられる」

「3.普通に食べられる」

「2.少し劣るが食べられる」

「1.受け入れられない」 〕

 この評価から判るのは、備蓄米は備蓄期間18箇月(古古米)の時点で品質が劣化していること。経年劣化の数値は多少上下するようだが、お米が生鮮食品と称せられることの証左ともいえる。

 注目なのは、同データには備蓄期間19箇月以降の食味評価が掲載されていないこと。つまるところ、「備蓄期間19箇月〜36箇月もしくはそれ以上(古古米から古古古米、もしくはそれ以上)のお米は食味評価を行う必要がない」、すなわち、「人間の食用にすることを想定していない」と、農林水産省が捉えている可能性を指摘できる。そこで、飼料用米として供給されている事実を重ねると、原口氏の意見が正当であることも窺える。

 

 すると、原口氏の発言を取り上げた記者の質問に対する小泉氏の回答に違和感を覚える。


 ※省略文を二つ。

①『備蓄米は有事の際の主食用で供給できるように品質維持され、海外への食料援助にも供されている。指摘は実態と異なっていて大変遺憾。衛生管理された備蓄米が国民に提供できているのに対して、発言は非常に残念』(毎日新聞)

②『備蓄米は有事の際の主食用で供給できるように品質維持され、海外への食料援助にも供されている。指摘は実態と異なっていて大変遺憾。衛生管理された備蓄米が国民に提供できているのに対して、発言は非常に残念』(Yahoo!ニュース)

 

 断っておきたいのは、いずれも完全なるコピペであること。文面が二社で一致を見せているが、今回は突っ込まずに進む。

 

 ※回答全文。『小泉農林水産大臣記者会見概要』令和7年6月10日(火曜日)8時54分~9時23分於: 本省会見室。

『政府備蓄米は、有事の際には主食用として供給できるように、保管倉庫内の温度を15度以下、湿度を60%から65%に保つなど、主食用としての品質の維持を図っています。また備蓄米は飼料用だけではなくて、海外への食糧援助用にも供されていると承知をしています。ですので、これはそもそも人が食べているものではないというご指摘は、備蓄米制度の運用の趣旨や実態とは異なるものでありますので、大変遺憾だと考えています。そして、私は備蓄米の倉庫にも視察にも行かせていただきましたが、おそらく皆さんも、記者の皆さんの中でも現場に行った方は、あれだけ綺麗な倉庫で、衛生管理も行き届いていて、ああいったご努力のたまもので、今こうやって備蓄米を国民の皆様にも提供できている。そういったことに対して私は感謝の思いがいっぱいですので、こういった発言は非常に残念だというふうに捉えております。』

 

 ──纏め──

 駆足となったが、ひとまず纏める。

 2021年産備蓄米(古古古米)のうち30%が飼料用米という原口氏の指摘が、仮に数字的に間違いだったとしても、保管期間19箇月間以上の備蓄米が食味評価における「2.少し劣るが食べられる」を下回っていることは農林水産省の出しているデータでも確実であることは劣化速度から明白である。保管期間が3年以上に当たる古古古米が「食用に適している」とはとても考えられない。

 小泉氏は食味評価のデータに言及しておらず、しかし海外への()()()()を挙げていることから、原口氏の意見を合理的に否定できていない上、放出した備蓄米(2021年産の古古古米)に関して「食用に適している」という印象操作を行なっていることも明白である。

 要するに小泉氏は実態と相反した意見をした上で説明不足の状態にあるのだが、各紙はこれについて切り込んでいない。気づいていないのか、取り上げようとしていないのか──。

 結論として、「古古古米=飼料米」が間違いとは言いきれないデータが出てきている状況である。巷に出回った備蓄米が5kg83円の飼料用米ならば、2000円前後で販売されたのが適切だったのか、疑問視せざるを得ない。

 なお、備蓄米は購入後の保管期間が5年となっている。保管期間が5年に達すると、通常なら飼料用や工業用として流通、そのほか、一部は学校給食・フードバンクへ無償提供されるとの情報がある。

 ↪︎OMOTENASHI JADANESE GIFT STOREの2025/04/13記事『お米と日本の歴史には深い関係がある?米騒動や備蓄米の背景も紹介』

 ただし、保管期間(3〜5年)が近づいた備蓄米について、廃棄を避け、資源として最大限に活用するため、1年ごと20tずつ入れ替えられ古いものから定期的に流通していることも間違いではない。提供は無償・有償どちらもあり、提供先については公的に示されている。

 ↪︎農林水産省『政府備蓄米の交付について』

 その点においては、「小泉氏が噓を言っている」とまでは言えない。

 とは言え、一部情報をあえて伏せて伝えているのだとすれば印象操作といわれても反論できないのも確かである。

 

 

 ──私見──

 ここまで数日に亘っていろいろと調べてきたが、日本の主食・お米、また資源に関する取扱いとその制度の複雑さは一朝一夕では憶えきれそうもない。農家や行政や関連問題を取り上げる議員やその関係者でもなければ、掘り下げるのを諦めるようなものではないだろうか。そういった複雑さを介した政治家同士の鍔迫り合いがしばらく続くことになるのだろうか──。

 いずれにせよ、国民の台所事情は火の車である。お米の供給・価格の安定と、安心・安全を国民が求めていることを忘れず、心ある姿勢で対応していただきたく思う。

 

 

 

──2025/06/12 03:10〜19:20執筆

  2025/06/12掲載──

 

 

 

──────────

──当頁書き収め──

──────────

 

 

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