金儲けその2 ネットアイドル育成
サブタイトルを見て、
「そんなこと出来るわけない!」
と思った人もいるかもしれない。
僕も、大成功を収めたわけではないのだが、それでも『○十万円』の利益を出したことは事実である。
まあ、ネットアイドルと言っても『自称』レベルだ。
貴方がそこそこスタイルの良い女性であれば、コスプレして自撮りしてネットに上げ、ネットアイドルを名乗ればそれで自称ネットアイドルの誕生だ。
残念ながら僕は男なので、そうはできなかった。
かといって、そんな怪しげな商売に参加してくれる知り合いの女の子もいなかった。
しかし、である。
捜してみると、意外とそういうのに興味を示す人は多い。
僕の場合、知り合いに声をかけてみると、その知り合いの知り合い(女性)が、本当にレベルの高いモデルを連れてきた。
18歳の女の子(高校生ではない)で、もちろん、ヤバイものにするわけはなく、健全な制服姿と、水着姿程度の写真だ。
際どいコスプレなんかは一切なかった。
これをCDに収めた写真集みたいな感じにして、ネットで売り出したのだが、かわいいのに、あんまり売れなかった。
すると、売り上げは折半するような方式をとっていたため、売れなかった原因について、『撮り方や売り方が悪い』『そもそもモデルが大胆になりきれていない』というような責任の押し付け合いになって、かなり揉めてしまった。
次に、噂を聞きつけた、別ルートの知り合いが、これまた可愛い女の子(20歳)を連れてきた。
この時は前回の反省を活かし、『撮影料』として先払いすることにした。
女の子からすれば
「もし大ヒットしても追加でお金が入ってこない」
と不満を漏らしていたが、
「そうなったら、第二弾、第三弾と仕事が続くから、そのたびにお金が入るし、基本料もアップするよ」
と説き伏せて納得してもらった。
さらに、これも前回の反省を活かし、露出はかなり高めにした。
その代わり、顔は鼻から下しか見せない。
それでも十分(むしろ、その方が)可愛かった。
ホームページでの紹介文なんかは、作家としての腕の見せ所。
如何に可愛らしい女の子が、勇気を出して大胆なコスプレに挑戦したか、みたいな文章を必死に考えた。
シナリオを作って、デート風の演出を記述したこともあった。
これは売れた。
固定ファンがついて、写真集CDはもちろん、サインの入った生写真なんかにも注文が入った。
ちなみにその生写真、本人のキスマーク入りで、プレミア価格で売れた。
ファンレターまで届いて、モデルの女の子も上機嫌だった。
第二弾の撮影も実施された。
この撮影が、前の女の子もそうだったが、ものすごく楽しい。
二人っきりで一室で、何百枚も撮影するのだ。
トークも弾み、まるでデート気分。
休憩時にジュースやお菓子を飲んだり、食べたり。
露出度の高い衣装で、際どい格好をするので、ちょっと見えてしまいそうになるのだが、
「少しぐらいなら平気」
と、その娘は割り切っていた。
「楽で、収入も多く、楽しい」
と、その女の子から話を聞いた別の子が、
「私もやってみようかな……」
と興味を示したこともあり、まさに芋づる式のパラダイス状態になる……かに思われた。
しかし、そのモデルの子に、三度目の撮影に際し、前払いでお金を渡したのがまずかった。
そのまま音信不通になり、それっきりとなってしまった。
合計四人の撮影・販売を行ったが、皆、最後は連絡が取れなく(取らなく)なって消滅した。
ネットアイドルを育てる事に関しては、トラブル必死と考えておいた方がいいだろう。
少なくとも、以下の点は絶対に守らなければならない。
1.きちんとした身元確認 (モデルは絶対に18歳以上であること。高校生不可。20歳以上であることが望ましい。)
2.きちんと報酬の金額の入った契約書を用意し、判を押してもらう。
なお、当然のことながら、モデルに手を出すのは厳禁である。
危険度 :★★★★★
儲け度 :★★★
手間 :★★★ (ただし、撮影はすごく楽しい)
難易度 :★★★★ (モデルを捜すのが第一関門)
初期投資:★★★ (モデル代や衣装代など)