三人の誓
同じ阿呆なら踊らにゃそんそん
「駄目だ!」
その声が響いた部屋には三人の男がいた。
一人は小太りの男。仮にデブと呼ぼう。
もう一人はガリガリで眼鏡をかけている。ガリ眼鏡と呼ぼう。
最後の一人は特徴にないすぐに忘れられそうな顔だ。モブと呼ぼう。
モブが部屋の真ん中に置いてある機能性デスクチェアーに座って、ヘッドマウントディスプレイを外しているところだった。その手には、肘まである分厚いグローブの様なものを付けている。
「困難じゃ駄目だ! これじゃただの柔らかめのゴムボールじゃないか!」
デブとガリ眼鏡はパラメータのチェックをしていた画面から目を離し、モブに話しかける。
「これ以上パラメーターを複雑化したら、画像は兎も角、感触の再現が間に合わないでござるよ。」
ゴザル語を話しているのはガリ眼鏡の方だ。
「パラメーターを単純化して表現に使う数値を減らさなきゃイケナイでござる。」
デブもゴザル語を使用しているようだ。見た目は正反対な二人だが、見分けが付き難くて困る。
「仕方ない。一から考え直しかぁ。」
「大変な作業になると思うでござるが、三人で力を合わせて頑張るでござるよ。」
「もちろんでござる。全力で取り組むでござる。すべては……」
「「「完璧なおっぱいの再現のため!!!」」」
とりあえず、そんな話。
三人の明日はどっちだ!