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ムキムキメイドにおまかせ!

「へい、らっしゃーせ! オススメはこのチョコレートの…… てなんだ由希だったのか」

そんな声が耳に入り、由希は思わず体を震わせた。

学校終わりにアルバイトにやってきた由希がみたのは、なぜか動く度にひらひらと揺れるメイド服を着た甚一郎の姿だった。

もちろん、スカート仕様でスカートに刺繍が施されている。 おそらく、女性が着ればかわいいと思えるのかもしれないが体格のいい甚一郎が着ていたらもはや事故でしかない。

「なにをしているんですか、甚一郎さん。 しかも掛け声が…… 」

「あぁ、これだろ? 実は大之助が作っていたケーキを壊してしまって怒られてな…… 罰として今日一日はこれを着ていろって言われて…… 」

スカートをつかんでスースーすると上下に動かすとちらりと見えた甚一郎の生足とうっすら見えた局部に由希が悲鳴をあげた。

「甚一郎さん、下着は!? 」

「あぁ! あれは布面積が少なすぎてやめた! あんな小さいのに俺の物が入るわけないだろ」

腰に手を当てて、ふんと鼻息をもらす甚一郎に由希がうへぇと思うのと大之助の蹴りが甚一郎に直撃するのは同時だった。

激しい音をたてて倒れた甚一郎のスカートがめくれて尻が見えており、その姿に大之助がため息をこぼす。

「パンツをつけろと言っただろ」

「いらねぇって」

「こ、こんにちは」

呆れたようにこぼした大之助は店に来ていた由希にやあと手をあげる。 ただ声はいつものようだったが、眉間にシワがよっており、明らかに怒っているのが見てとれた。

ぶつけた箇所を撫でる甚一郎にパンツを投げつけた大之助はのっそりと体を引きずりながら台所へと戻っていく。

「大之助さん、だいぶ怒ってますね」

「あれでもマシになったほうだぞ。 さっきまでは口も聞かなくて話かければ拳か蹴りが飛んできてた」

やれやれとこぼした甚一郎を横目に見つつ、由希はそばで転がった物たちを元に戻していく。

何個かダメになったお菓子にもったいないとため息をこぼすとそれを察した甚一郎が悪いと由希の頭を撫でた。

「よくそんなサイズありましたね…… 」

なかば呆れたように問う由希の言葉に甚一郎はあぁと手を叩く。

「アイツにとって嫌なことをしたやつ用にサイズの服が作られてるのさ。 前回は巫女服のやつ着たなぁ…… その前はなんかよくわからない無駄にセクシーなやつ」

由希の顔が呆れたと語っていると甚一郎はにんまりと笑みを浮かべて安心しろと由希の肩に手を置いた。

「お前の分もあるからな! 」

甚一郎の言葉と共に差し出されるは甚一郎の着ているメイド服とは少し形状の違ったもの。 色も黒ではなく、淡い桃色だった。

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