デートに参りましょう
「ねーゆっきー、学校終わったらパフェ食べに行かない!? 安くで食べられるチケットもらってさぁ! やっばいぐらい美味しそうなんだー ! 大之助おじちゃんも行ってきていいよーって言ってたからいこ! 」
学校のチャイムが鳴り響く。
一日の最後の授業を終わらせる鐘が鳴り響くと同時に教室の扉が開かれ、そこには化け猫の少女が立っていた。
「校門で待ってるからー! 」
嵐のように登場して去っていく。
由希が返答するよりも先に去っていった七海の姿にどうしたものかと思っていると額に衝撃を受けて、目を細めた。
飛んできたチョークと担任の誰だあいつは? という
瞳に由希は苦笑いをこぼす。
「アルバイト先の店長の姪っ子さんで…… 」
「今度はちゃんと学校が終わってから来いと伝えておけ」
担任の言葉にはい、と答えると担任は教室から出ていった。
なんで僕が怒られなきゃいけないのか…… 理不尽だと思いため息をこぼした由希の元へ辰美がやってくる。
「いまのって大之助さんの姪っ子さんってこと? 」
「うん、四男さんの娘さんって言ってた。 一回しか会ったことなかったんだけど」
ふうんとどこか興味がなさそうな、けど由希とどんな関係なのか気になる辰美に腕を引かれた。
「恋人…… とかじゃないんだよね? 」
「まさか! 紅葉さんに怒られちゃうよ」
由希の答えにまたふうんと答えた辰美は由希の頭をなで、体を擦り寄せて去っていった。
「なんだったんだ、あいつ」
辰美の行動に首をかしげた由希だったが七海を待たせてはいけないと急いで校門まで走った。
校門の前はなぜだか人だかりができている。 その中心にいるのは由希を待っているはずの七海。 楽しそうに会話する姿を遠くから眺めていると由希を見つけた七海が手を振ってくる。
そして一瞬にして集まる人だかりの視線に由希は思わず体を震わせた。
「遅かったじゃんか、ゆっきー! あんまり遅いと置いていくところだったよ」
手を引いていく七海と引かれていく由希の姿を見ていく妖怪たち。 思わず視線をそらした由希は引きずられるままに七海についていく。
「すごい囲まれていたね」
「んーあれ? たまに囲まれるんだよね! かわいいって言われるけど、よくわかんないしー。 誰かと話すのは好きだからよくああやって囲まれるってわけ」
なるほど、無意識の人たらしではなく妖怪たらしということか。
由希が心の中で納得しているとあっという声と共に声をかけられた。




