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プルルルル。

そんな話をしていると家の中に電話の音が響いた。

「百目鬼かな」

独り言をつぶやきながら電話の対応に向かう。 もし百目鬼からなら今日はここにお泊まりかなと由希は思った。

あの妖怪たちは仲がいいのか悪いのか。 そのうち一緒に暮らしはじめるかな。

「なんか寂しいなぁ」

「僕の父親なのに…… 」

口をへの字に曲げた由希は電話のあるほうへ行ってしまった大之助の背中がいつ戻ってくるのだろうかと頬杖をついた。

遠くで大之助の話し声がする。

ため息ひとつ。 お腹のそこから吐き出したそれはすぐに消えてなくなり、由希は自分の頬をなでた。

「やっぱり。 今日はお泊まり決定だね」

やっぱり。

帰ってきた大之助の言葉につられるように由希は答えた。 百目鬼と仲直りしたのだろう。

「寂しい…… 」

「俺と一緒にお風呂入る? 」

そういうことじゃない。

由希の考えていることがわかるのか残念、とぼやいて大之助は飲み終えた湯のみ二つを台所に持っていった。

「百目鬼さんも好きだよ。 でも墨を独占されているようで、なんか寂しく感じるんです」

由希のため息が聞こえた大之助はふうん、とわかっているようないないようなどこか他人事のように答えると由希のところに戻ってくる。

「墨にとっては由希が一番でしょ、それじゃだめ? 」

墨の一番。

いつも墨は言っている、由希が大切だと。

見知らぬ他人だった由希を拾って育ててくれた墨だ。

「そうなんですよね、うん、墨ってすごくかっこいい」

納得した由希を見つめる大之助。 自分はどうだろうかと瞳で語る大之助に目を合わせてはいけない。

ちらりとそらすも大之助はもう一度、由希の視界に入ってくる。

「なんですか、もう」

「俺は? 」

期待の眼差しを向けてくる大之助に由希は顔をしかめつつも。

「かっこいいですよ、大之助さん」

なかば呆れたように答えた由希に大之助は笑った。

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