どうもどうも四男です。
「でさーまじでありえないわけー。 しつこいって言ってもどうするのかこうするのか説教じみたことを言ってくるしで、ウザイの」
赤に近い黒色の尾を揺らしながら、少女は大之助に愚痴をこぼした。
大之助はというとそうなんだぁとなかば興味がなさそうにうなずいたり、相づちを打ったり。
時折、少女をちらりとだけみてすぐに手元にあるお菓子を作り上げていく。
「こんにちは」
台所でそんなやりとりをしていた二匹の妖怪に由希は声をかけた。 初めてみる化け猫の少女に由希は誰だろうかと首をかしげる。 それは少女も同じだったようで。
金に近い茶色の髪を肩まで伸ばした少女は由希の周りをくるくると周り、うんとあごに手をあてる。
セーラ服を身にまとった少女は一度、大之助をみてもう一度由希に視線を戻した。
「えー人じゃん! 大之助おじちゃんのところに人がいるって本当のことだったんだ! やばー初めて見た! 」
人である由希に興味津々といった少女は目を輝かせながら、由希を覗き見て手に触れる。
どうしたものかと考える由希をよそに少女は面白いものを見つけたとばかりに由希の頬に触れ、手のひらをなでて、由希の腹をなでた。
「うわーまじでつるつるじゃん! 人ってこんなに肌がすべすべなんだー…… うらやま! 」
なすがままにされる由希の姿をちらりと見つめた大之助だったが、すぐに視線をお菓子に戻してしまう。
「えっと…… どちら様ですか? 」
「あ、そういえば名乗ってなかった! 私は七海! 大之助おじちゃんの姪なんだ! 」
「僕は由希といいます」
「俺の四男坊の一人娘。 久々に遊びにきてたんだ」
大之助の言葉になるほど、と由希は手を打つ。
七海は大之助の作るお菓子をつまみ食いして、にんまりと笑みを浮かべる。 七海の行動に大之助は口をへの字に曲げて七海にデコピン一つ。
「いたーい。 少しくらいいいじゃん! 」
「お金を払うならいくらでもいいよ」
けち、と大之助に舌をだした七海は由希のほうへ向き直りねえと同意を求めた。 同意を求められてもと思う由希をそばに呼び寄せた大之助は由希を腕の中に収めるとお菓子作りを続行する。
「あー由希を独占するのずるくない! 私も由希を抱きしめてみたい」
「却下、お断り、早く帰って。 うるさいあいつが来るじゃんか」
えーと不満の声をもらす七海を無視した大之助は由希を腕に収めたまま店にお菓子をだしにいく。 歩きにくいと不満をもらす由希の頭を撫でて。




