表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代の怪談―The Contemporary Kaidan―  作者: 坂本小見山
08.''The End of Kaidan, Part I'' 「最終決戦 前編」
24/42

解説 〔第八回〕

メイキング オブ 「現代の怪談」〔8〕

~戦いの日の始まり~



 「現代の怪談」は二部構成である。

そしてこの前・後編が、第一部の最終章なのだ。


 この最終回は、丸一日に収まるように作られている。

つまりは「戦いの日」である。

そしてこの前編は、日の出から日没までの半日間を描いている。



☆暗黒旋士☆

 坂口の陰謀によって、悪のペンスピナー「暗黒旋士」が復活した。

これは、正義のペンスピナー・麻咲イチロウのアンティテーゼである。

だが、実はこの登場人物は、私だけのアイデアではないのだ。


 第一話の緒言にもあるように、「現代の怪談」の随所に、今は亡き少女漫画の大御所中の大御所・和田慎二先生へのリスペクト(敬意による模倣)が散りばめられている。

「暗黒旋士」もその一つで、モチーフとしたのは、先生の「スケバン刑事(でか)」という作品に登場する「学生刑事No.1」という人物である。


 とは言え、私の小説は二次創作ではない。

単なるリスペクトであり、世界は繋がっていない。

ついでながら、「学生刑事機構」「中央連合」といった組織名もリスペクトであり、「スケバン刑事」に登場する同名の組織とは、全くもって無関係である。


 ところで、「スケバン刑事」と聞くと、テレビ・ドラマしか思い浮かばない方もおられるだろうが、あちらは原作を大幅に改編したものであるので、異なる作品と見做すのが妥当だろう。

私が敬意を表しているのは、あくまで「和田慎二先生の少女漫画作品・スケバン刑事」であり、テレビではない。


 私は予てより故・和田先生を尊敬・・・いや、崇拝してきた。

長編から短編に至るまで、そのほぼ全ての作品を拝読している。

壮大なスケールの世界観、繊細なドラマと派手なアクションの調和、読者を引き込む演出の妙・・・

語り出すときりがない。

葦編三絶の聖典として崇めるその作品を、シェアード・ワールドにしてしまうことなどは、掛けまくもおこがましいことである。

だが、せめて先生の作品を模倣したモチーフを自作に盛り込みたかったのだ。

「暗黒旋士」には、そんな思いがこめられている。



☆竹中邦子の正体☆

 さて、遂に竹中が正体を現した。

(私の文章は話題がガラガラ変わるので注意されたい)


 読者よ、私はあなたの度肝を抜くことに成功しただろうか?

何度か述べたが、私はこのシリーズの構想に一年を費やした。

その中でも、この伏線はかなり早い時期に思いついていたと記憶している。

つまり私は、一年半がかりで、あなたのための落とし穴を掘っていたのだ。

その落とし穴にあなたが落ちてくれたなら、これほど嬉しいことはない!


 ヒントはいくつかあった。

竹中と「奴」が、同時に現れることはなかったこと。

第三話で、竹中が巴里高校に着いた直後に、そこにその正体が出現したこと。

現代人が自然への畏怖を失っていることに度々苦言を呈していたこと。

思えば、赤井が竹中と論争した直後、「グロテスク」に襲われたのも、リベラルな思想の持ち主であったがゆえに、竹中がそう仕向けたのかもしれない。


 それにつけても、竹中の偽装には念が入っていた。

何せ、敵の懐に入り込んで信頼させたのみならず、閨川に恋愛感情があるように見せたりしたのだから。

恋愛に関して不器用な閨川が、竹中をラーメン屋に誘ったことも、竹中は陰で嘲笑っていたのだろう。


 裏切りに傷付いた閨川が、今後どう戦うのか、後編を楽しみにしてほしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ