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【悲報】人気ゲーム配信者、身に覚えのない大炎上で引退。~新たに探索者となり、ダンジョン配信して最速で成り上がります~  作者: 椿紅颯
第二章

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第5話『ポキっと折れた剣の返却』

「本日はどのようなご用件で?」

「あ、なのですね……」


 夕方、和昌(かずあき)は狩りの解散後に1人で探索者連盟支部へ足を運んでいた。


「大変言い難いのですが……」

「どうせ言うのなら、早めにお伝えしてもらえた方がいいと思いますが」

「で、ですよねぇ。えっとですね、これなんですけど」


 ソッと、折れた剣が納刀されている鞘をテーブルの上に置く。


「連盟が提供した剣がどうかなさいましたか? 刃こぼれなどでしたら、その剣を使用している限りは無料で研磨などできますよ」


 受付嬢はその剣に目線を落し、いつもの態度で淡々と話を進める。


 対する和昌は、その初めて耳にしたありがたい情報を聴けば聴くほど心にグサグサと刺さり、勝手にダメージを負ってしまう。


「実は、こんな感じになってしまいまして……」


 和昌はゆっくりと剣を鞘から引き抜く。と。


「あぁ、これは綺麗に折れちゃってますね」

「そうなんです。綺麗にポキっと」

「かなり芸術点が高い折れ方をしているようですが、これはどのようにして?」

「えっとですね。結論から言ってしまうと、盾の性能を試していたんですけど、その時に盾から剣先を出して戻そうとしたらこんな事になってしまいました」

「ほほう。それは興味深い実験をしていたのですね。言ってくだされば、こちらから実験用に剣を提供できたのですけど」

「でも、あんまりここへ来てほしくなさそうだったので、相談するのもあれかなって思っちゃって」

「あー、それはありますよ。当然」

「ですよねー」

「ですが葭谷(よしたに)様はもう、そんな簡単な事情で来てほしくない存在ではなくなっておりますので。こちら側としては全面的に協力する姿勢になっております」

「そ、そうなんですか」


 和昌は、受付嬢の言っている事を鵜呑みにする事はできなかった。


「では、あの目線ってどんな理由があったりするんですか?」


 受付嬢より後ろの方。和昌と受付嬢が会話をしている、ロビーの一角にあるソファーへ注がれている他の受付嬢へ目線を向ける。と、物凄く身に覚えがあり、もはや慣れてきてすらいる感覚を質問した。


「ああ、あれですか。前にも言いましたが、リストについて情報を知っている人間はそう多くありません。ですので、あっちに居る人達は以前と変わらない。という感じです」

「えぇ……」

「つまり、私が居の受付嬢に話しかけたらドン引きされながら話をする事になるというわけです」

「俺は疫病神扱いってわけですか」

「そうなります」

「うぐっ、もう少し包んでもらえないですか」

「そうですか? どちらにしても意味は一緒だと思いますが」

「それはそうですけれども」


 和昌は、この辛辣な言葉を浴びせられる感じも、既に慣れ始めていた。そして、そんな自分にも呆れてしまっている。


「気になっているところは、これを弁償する必要があるのか。また新しく配布してもらえるのか。という感じですか」

「はい」

「1つ目としては、弁償をする必要はありません。2つ目に関しましては、残念ながら例外なく1人に1本というのは変わりありません」

「なるほど、わかりました」

「ですが、一応は救済処置のようなものもあります」

「お」

「事例としてはかなり少ないですが、まだこちらが初心者と認識している人に対しては新品の武器を購入する際に半額で済む、というものがあります」

「おぉ」

「一応、どんな武器でも。という内容になっていますが――そもそもの話、配布される武器が3万円程度でして、交換を考えるタイミングにはそれぐらいの金額が溜まっている計算になっています」

「は、はい」

「それができなかったのなら、そもそもがお金を所持していないから半額するって事です。ですが、葭谷(よしたに)様は残念ながらそれらに該当いたしません」

「……」


 話の流れから察するものはあった。

 だが、そこまでストレートにものを言われてしまうと、少しだけで来ていた覚悟は一気に崩れ去ってしまう。


「レア装備を手に入れただけでしたら、まだ可能性はあったのですがね」

「で、ですよね」

「はい。強力な装備を2つも所持しているだけではなく、大小はあっても既に任務を達成しています。それは既に初心者という枠組みから外れている、というのはおわかりいただけますよね」

「はい、本当にその通りだと思います」

「報酬金もありますし、必要のない買い物をしなければ問題はないと思います」

「いろいろと踏ん切りがつきました。じゃあ、オススメの武器店とかってありますか? 値段だけで調べると、あんまり実用性のなさそうなものしか探せなくて」

「そうですね……あまり、連盟としては斡旋(あっせん)するような事はしたくないのですが」

「なるほど。では自分で――」


 和昌は諦めようと思ったが。


彩華(さいか)紅務(こうむ)店という、場所は上級探索者が利用しているという情報はあります」

「さいかの?」

「ああ、こうやって書きます」


 受付嬢は、胸ポケットからメモ用紙を取り出してペンで記入を始める。


「ほほお。これで彩華(さいか)、工務店を魂紅透石(ソールスフィア)の加工装備からか紅務(こうむ)って当てているんですね」

「そこまで詳しい事はわかりませんが、そういう事なんだと思います」

「私は、あくまでも『情報がある』としか言っておりませんので、行くも行かないも葭谷(よしたに)様の判断でお願いします」

「ははぁ、なるほど。そうですよね。貴重な情報をありがとうございました」

(さすが受付嬢。問題回避能力が凄いなぁ。上手い)


 和昌は、素直に感心する。


「それでは、この剣はこちらで回収いたしますので」

「いろいろとありがとうございます」

「いえ、それが私達の仕事ですから」


 会話はここで終わり、和昌は痛々しい目線を背に探索者連盟支部を後にした。

ここまで読み進めていただき、本当にありがとうございます!


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