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#01

「うわー。めっちゃ楽しっちゃぁ」

 リンゴは前を行く2人を追いかけながら呟いた。

 すれ違う人々は種族も服装もバラバラで、普段京町通りを歩いているときには全く見かけることがない景色だからだ。

 景色は徐々に街の雰囲気から森の中へと移っていく。森の中にも家々が建ち並び、リアルの世界とは違った景色にリンゴは驚きつつも楽しんでいていた。

「この辺は昔もこんな感じで家が建ってたんだろうなぁ」とゲームと記憶にあるリアルの景色を比べながら走っていた。


 森を抜けて再び道遊の割戸が視界に入ってきた瞬間。「キャッハー」と下品な叫び声を上げながらモンスターが行く手を塞いだ。


「えーっと。どれどれ。目の前にいるのは……」とリンゴは不慣れな手つきで目の前に現れた敵のステータスを確認すると、情報が表示され、ナビの声も聞こえてきた。

「岩石ゴブリン。堅い岩を防具代わりに使用しているので防御力は高いが、HPはかなり低い。ダメージが通らなくても地道に攻撃していれば低レベル冒険者でも倒すことが可能」

 聞き終わるか終わらないかのうちに、岩石ゴブリンが石斧を振りかぶって襲いかかってきた。

 リンゴはとっさに石斧の攻撃をかわして剣を振りかぶり一撃を加えた。カッキーン、と手応えを感じられない音が響き渡った。


「きーっ。なんだっちゃ、この堅い敵。頭にきた!!」

 リンゴは敵の攻撃をヒラリ、ヒラリとかわしながら剣で何度も切りつけた。そしてようやく手応えを感じた。そしてエフェクトと共に目の前の敵が消えると、軽快な音楽とともに「おめでとうございます。レベルが上がりました」とナビゲーションの声が聞こえてきた。

「風の一閃(いっせん)を習得しました」と新しいスキルを獲得したことも知らせてくれた。

「へー。風の一閃かぁ。名前がかっこいいっちゃ。どんな技なの?」

 とリンゴが質問した。

「風の一閃は剣を振り抜き、周囲の敵にダメージを与えつつ、一定時間敵の攻撃を避けやすくする攻撃です」という返事がナビゲーションから返ってきた。

「おー。序盤なのになんか良さげなスキルっちゃ」


 岩石ゴブリンと戦闘していたため、前を走っていた2人の姿は見えなくなっていた。リンゴは元来た道を引き返そうと考えたが、好奇心には勝てずそのまま金山に向かうことにした。

 その後、金山までは敵と遭遇することはなく、無事に金山の入り口までたどり着いた。


「どっちに行ったかや。うーん」

 リンゴは鉱山の入り口で悩んだ。坑道は二手に分かれていた。ソーダ・ユー・シャフトとドー・ユー・シャフトだ。

「まぁとりあえずソーダ・ユー・シャフトにいってみよ」

 と言いながらリンゴは地下に延びていく階段を下り始めた。

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