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#03

 キャラクタークリエイトを終えた凜はゲームの世界 ヴァルゲアのサド・アイランドに降り立った。そして、目の前には、広大なファンタジーの世界が広がっていた。と思いたかったが、そこにはどこか見覚えのある佐渡島の景色が広がっていた。

 眼下には北沢浮遊選鉱場が広がっており、遠くには大間港と日本海が見える。その一方で相川診療所のあるはずの場所に中世ヨーロッパ風のお城がそびえ立っており、まさにファンタジーの世界だ。


 スピーカーから壮大な音楽が流れはじめ「地球とどこか似た形をしている異世界ヴァルゲアでは遥か昔、光輝神(こうきしん)……」とナレーションが聞こえ出してきた。

「えーと、スキップスキップ。オープニングはログインする前に見たっちゃ」と言いながら、リンゴはスキップした。

「それにしてもよくできてるなぁ。ゲームは相川から始まるのかぁ」リンゴは目をまん丸にしながら目の前にひろがる景色を見渡した。

「このエリアはアイ・カワです。目の前に見える城はこの地区を統治しているアイ・カワ公爵の居城です。そして後ろ側にあるのはキョウ・マチ・ストリートです。キョウ・マチ・ストリートで冒険者ギルドを探してから冒険に出ると良いでしょう」

「まずは冒険者ギルドに行った方がいいのか。なるほど。あれ……?」リンゴは周りをキョロキョロと見回した。

「他のみんながいねっちゃ」

 リンゴはそう言いながらキョウ・マチ・ストリートへ足早に向かった。

「みんなじっくりキャラクター作ってるんだろうなぁ。あたしはひと足先に街の中を探索しちゃおっ♪」


 キョウ・マチストリートは冒険者で溢れていた。

「ひゃー、京町通りが冒険者で溢れてるぅ。さすが大人気のゲームだっちゃ」

「さぁさぁ、そこのお姉さん、初めて冒険にでるんだったら早いうちからしっかりした装備を持っていた方が良いよ!うちの武器は高品質なのにお値打ち価格だからな!!」

 威勢の良い呼び込みがあちらこちらから聞こえてくる。

「キョウ・マチ・ストリート名物、ゴールド・マイン・ソルベはいかがですかぁー?」とリンゴの好奇心を刺激する声が聞こえて来た。

「うわぁー、ゴールド・マイン・ソルベって!!みんなが来る前にちょっと食べちゃおうかなぁ」とお店に向かおうとした瞬間。


「こらこら、凜さん。あ、じゃなくてリンゴさん!!」と金髪のエルフに襟首を捕まれた。

「うぅ。その襟首のつかみ方は……」リンゴは振り返りながら

「千絵ちゃんですね……」

「それはリアルの名前ですわ。ガシマセンキのなかではレクチエと呼んで下さいね」

「へー。カワイイ名前付けたね。レクチエちゃん」

「そんな風に言われるとなんだか照れますわ」

と金髪で色白のエルフが顔を少し赤らめた。

「ねえねえ。他のみんなは?」

「まだキャラクターを作り終えていないんでしょうね。このようなゲームを初めてプレイする子もいらっしゃいますから。リンゴさんは結構オンラインゲームで遊んでいらっしゃいますものね」

「へへへ。アニキがゲーム好きだからね」

 リンゴはレクチエの手を引きながら

「ねぇ、レクチエ。ちょっと坂の上まで行ってみようよ。みんなまだキャラ作り終わっていないみたいだしさ」と言って小走りし始めた。

「ちょっ、リンゴさん……」

 リンゴは坂の上を目指し始めた。

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