第7話
翌日、朝日とともに目を覚ました俺は、集合場所の馬車乗り場に行く前に食堂で朝食を取ることにした。
朝食中,ヴィクターは姿を現すことはなかった。店主のアリソンによれば、ヴィクターは既に朝食を済ませ、外で剣の素振りをしているとのことだった。それを聞いた俺は、何も考えず、のんびりと朝食を取ってる自分自身が少し恥ずかしくなった。
朝食を終えると急いで馬車乗り場に向かい、そこでヴィクターに出会った。ヴィクターは俺に気づくと笑顔で「おはよう」と挨拶した。俺も同じように返事をして、俺達はすぐに馬車に乗り込んだ。
「ここからメーテナまではおおよそ半日くらいかかるかな。」
馬車が走り出して間もなくヴィクターは言った。俺は馬車が予想以上に揺れたため、その言葉を聞いてげんなりしてしまった。
しかしこの旅は俺にとって意外と悪いものではなかった。窓を開ければ心地の良い風が通り抜けるため、馬車酔いをすることもなく、さらにヴィクターの話がとても面白かったので、気がつけばあっという間に半日が過ぎてしまった。
特にヴィクターの話の中で興味をひかれたものは、モンスターの話であった。
俺はまだホーンラビットというウサギのようなモンスターに遭遇しただけだが、この世界には大きな蛇のモンスターや、体が熊で顔が鳥のようなモンスターがいるとのことで、それを何度かヴィクターは倒したことがあるというのだから、俺のような中学生男子にはかなり魅力的な話だった。
他にもヴィクターの話によれば、この世界には魔法が存在するとのことであり、俺もせっかくなら魔法の一つや二つ覚えてから元の世界に帰りたいなどとぼんやり考えていた。
「そうだね、他に話していないモンスターと言えば・・・」
「お客さん、そろそろお城が見えてきたよ。」
ヴィクターが新しいモンスターの話を始めようとしていた時、御者が俺たちに話しかけてきた。
それを聞いた俺は窓から身を乗り出し外を見ると、確かに大きな城のようなものが見えてきていた。城の周りには様々な建物が数えられないほど並んでいた。そしてその城と街を囲むように巨大な城壁が西から東に延びていた。
間違いなく、メーテナは国の王都と呼ばれるにふさわしい大都市だった。
「うわあ、すごい!」
徐々に近づいてくほど、城壁の大きさを俺は実感することができた。最初に訪れた街がそこまで大きくなかったため、その巨大さは俺にとって予想外なものであった。
「うん、そうだろう!あれが我が国の王都メーテナだ!」
俺の驚いている表情を見たヴィクターは誇らしげに言った。




