表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
God's Locus  作者: フリート
2/19

第一話 動き出す歯車

修正箇所は、敬称の「さん」をつけただけです。

 ふと、意識が戻る。

 反射的に瞼を開くと日の光が差し込み、朝であると認識させられた。

 だがまだ眠い。もう一度瞼を閉じた。すると突然、何か柔らかいものが顔面に押し付けられた。

『なぜこんなとこで寝ているのですか。いや、そんなことより早く起きなさい。二度寝をする時間はあなたにはないはずです。』

 静かで冷たい声が頭に響くと同時に、顔の上の何かの感覚が消えた。

 目を開くと、強い光に照らされた大きな影が目の前にあった。

『早く支度なさい。今日は都市へ行く日でしょう?』

 思考が巡り、言葉の意味を理解する。

 今日は森で採った薬草や果物を町に売りに行く日だ。

「あぁ、そうだな。起きなきゃな。」

 立ち上がり、全身を伸ばしながら空気を取り込む。

 どうやら、俺は草の上で寝ていたらしい。そういえば、昨日は星が綺麗で、寝転がりながら見てたんだ。そんでそのまま寝落ちした、というとこだろう。

 体から草特有の青臭さが漂っている。

 何となく振り返るとそこには、自分の二倍程の高さはあると思われる巨大な狼が、陽の光に銀の毛を輝かせながらこちらを見下ろしていた。狼の名はウェオルナ、俺の育ての親である。

「おはよう、母さん。」

『おはよう、ラキエル。』

 頭に直接声が響く。念話というもので、頭の中に自分以外の思考が巡る感覚は、なんというか、とても不思議なものだ。

 近くを流れる川で顔を洗い、少し離れた小屋で服を着替える。

 古屋を出ると母さんが、採取物を入れた籠を一つ用意していた。

『教えたことを活かせば、このくらいは売ることができるでしょう。』

「まぁ、ほどよく頑張るよ。」

『えぇ、そうしなさい。あと、アレを持って行った方がいいわ。』

「え、なんで?」

『何があるかわからないでしょう? 念のためよ。』

「おう、わかった。」

 俺は小屋から、ある棒を持ち出してきた。それは真っ黒な円柱の形をしていて、剣ほどの長さがある細い棒だ。母さんが森で赤ん坊の俺を見つけた時、一緒に落ちてたそうだ。

「よし、準備完了!」

『気をつけて行ってらっしゃい。』

「あぁ、行ってくる!」

 挨拶を交わした後少し歩くと、馬車が二台横に並べる程の幅がある街道に出た。ちょうどそこに一台の馬車が通りかかった。聞けば目的地が同じだと言うもんだから乗せてもらえないか尋ねてみた。

「俺はラキエルと言います。都市まで乗せてもらえないでしょうか。対価...になるかはわかりませんがこの薬草を差し上げます。」

 背負っている籠から薬草を一握り取り出す。

「これはこれは丁寧に。私は商人をやっております、フォッテです。」

 フォッテさんは俺の手にある薬草を見て

「では、その手にある分の薬草を対価として受け取りましょう。どうぞ、お乗りください。」

「これだけで良いのですか?」

さすがに少ないだろうと、思わず口に出してしまった。

「えぇ、神々に誓って、嘘はつきませんぞ。」

「……よろしくお願いします。」

 温和な雰囲気の小太りのおっちゃん、というのが第一印象だったが、少しの疑念を覚えた。しかし、気にしても今は無駄なので気持ちを切り替えて幌の中に座る。

 都市外だというのに護衛がいないので気になって聞いてみたら、馬車に認識阻害の加護がかかっているのでよっぽどのことがない限り襲われないそうだ。

 ついでなので色々聞いてみた。曰く、向かっている都市は公爵領カルバニエ。割と大きめの都市で、人口は1万人近い。というのも、俺が今出てきた、精霊の森に隣接しているため森林資源や食糧が豊富だからだ。

 うん、母さんから教えてもらった通りだ。

 会話をしているうちに、都市の外壁の前までやってきた。

 門の前には検問待ちの人が長めの列を作っていた。長くなりそうだと思ったら、フォッテさんが列の横を馬車をで通り出した。どういうことか考えている間に門の前に着き、門兵に向かって懐で何かを見せる。

 それを見た門兵の表情に驚きと焦りが浮かんだと思ったら、荷物検査もせずにあっさり通れてしまった。門兵よ、仕事しろ。

 あまりに気になりすぎたので聞いてみることにした。

「今のなんですか?」

「まぁ、いわゆる顔パスというやつですよ。フォッフォッ」

 はぐらかされた。あまり詮索はしない方が良さそうだ。

 門から大通りをしばらく進み、少し離れたところの脇に馬車を止めてもらい、降りることにした。

「乗せていただいてありがとうございました。」

「いえいえ、こちらこそ。貴重な薬草をありがとうございます。思わぬ収穫を得られて幸運でしたぞ。これも何かの縁でしょう。これを差し上げます。」

 そう言ってフォッテさんは立派な懐中時計を俺にくれた。

「これは、いいんですか?なんだか高そうですけど・・・・・・」

「気にしないでください。私の勘があなたとの縁を切ってはいけないと告げているのです。私にご用の際は、エルバ商会を尋ねてください。受付にそれを見せていただければ大丈夫ですので。ではまた会いましょう。フォッフォッ。」

 行ってしまった。そして思わぬ縁を得てしまった。帰ったら母さんに自慢しよう。

 さて、それじゃあ薬草を売りに行きますか。しかしこの薬草、フォッテさんみたいな凄そうな人が貴重っていうくらいだから、きっと俺が思ってる以上に高い。一気に売ると面倒なことになりそうだ。

 薬草が売れそうなのは、素材買取屋、薬屋、ギルドが主なところだろう。

「場所は、ええと……」

 母さんにもらった地図を開く。

 ドオオッン!

 突然轟音が響き、一瞬の静寂の後、なんだなんだと辺りが騒めく。

 何故かは知らないが、音の聞こえた方向に何か感じる。向こうに何かある。そう思うと、自然と体が動いていた。

 脇道を進み、住宅街と思われる場所に着くと

「ヴオオオオオッ‼︎‼︎‼︎」

 大きな咆哮が聞こえてきた。急いで通りを右に曲がり、しばらく進むと、立派な屋敷の前についた。

 門が開かれ、傍で門番が血を流している。息はしているようだ。原因はおそらく、屋敷の2階、その左端に開いた大きな穴に立つ、大男……らしきものだ。

 突然、そいつが右手を振り上げた。反射ですぐに前傾姿勢になり、左足を引いた。そして体に流れるマナと呼ばれるエネルギーに意識を向ける。

「モード スピード」

 その言葉と共に体がほんのり光った。大男が腕を振り下ろすと同時に地面を思いっきり蹴った。

 瞬間的に屋敷の大穴から部屋に入り、壁に足をつけてすぐに大男の目の前にいる女性に向けて飛び出す。大男の腕もかなりの速さだ。

 間に……っ


ど、どうも皆さんこんにちは。これをみる人が果たしてどれだけいるのだろうか。

ふと、自分の物語を形にしたいと思って書いてみました。読んでくれた方はぜひ、コメントをください。素人なので、厳しい意見でもなんでもドンと来い!と言う感じで、学べるものは可能な限り学び取りたいと考えています。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ