国技、決定。
今回のリトルマン症候群の一件は、ブドウ軍科学者残党によるものだと結論付けられた。
王宮からの紙が広場掲示板に貼られる。
「青バラには活力を吸い取る効果があるんです…!それを利用して子供達の活力を吸っていました…!力を集める研究に興味があったんですっっっ!」
ロイシンに脅された科学者は泣きながらそう答える。
詳しい手順はわからないが、バラを媒介して力を集めることができるらしい。
「成長の止まった子供達の支援を考えなくてはいけないな。」
スキンヘッドのS.Tはそう悩む。
そして一つの結論に辿り着いた。
【開発庁からの広告】
「この国に国技を設ける。
強化指定選手には今回の件で成長の止まった子供達を指定する。以下が、国技となった競技。
ボクシング、ハンマー投げ、重量挙げ。」
市民は困惑している。
「重量挙げはなんとなくわからがよ…」
「ぼくしん、ぐ?」
「それにハンマーを投げちゃうのか?」
総勢約50名の子供達は中庭に集められ、S.Tの指導のもとそれら競技に勤しむことになる。
ビッグスライムをサンドバッグ代わりに
「ワン、ツー!」
固定された液体が拳の形にめり込む。
そしてビッグスライムは元の形に戻る。
その一方で、ロイシンは科学者の調査を深めていた。
調査庁のハクの話を聞くと、どうも彼は元からここの地下にいたのではなくどこからか派遣されてきたことが推察される。
「さては、この国を衰退させるためにこいつを寄越してきたな…!」
敵国の目処はついている。
魔法大国の属国であるグリセリだろう。
この国は海上都市アリサから近く、2度の戦争を引っ掛けている。
「はぁ、でもまずは調査が必要だよなぁ。そんなすぐ行動できないし…まずは筋トレして考えよーっと。ハク!」
ハクに調査のお願いを出すロイシン。
白髪のジョンが部屋に入ってくる。
「おい!この国に娼婦はいねぇのか!!」
イシンが後ろでジョンを止めている。
「ま、ま、ま、ま、まって!私、童貞気にしてないから!!」
ロイシン
「おおお!そっかそっかイシンも男の子だからね!それなら城門西のアエン通りに行くといいよ!」
アエン通りとはいわゆる飲食店が軒を連ねる商店街だ。
しかし、ここは夜9時を超えると風俗街に様変わりする。
「あそこは一応自由恋愛だから、イシンが頑張れば卒業できるかもねーっ!アハハ」
ロイシンが煽てる。
「よし!!イシン!行くぞ!!!」
無理やりジョンに引っ張られるイシン。
止めるイシン。
しかしイシンの手には力が入っていない。




