タブとの出会い
コルトのそばでけむり草がもくもくと燃えている。
タブが置いていったものだ。
これを目印にロイシンが飛んできた。
「おい!コルト!しっかりしろ!!」
「ロイ様…良かった…」
下水入口に指を差した。
首の皮一枚で繋ぎ止めていた意識は、安心感の中に飲み込まれていき、気を失った。
けむり草。この雑な気遣いはタブだろう。
「タブなら…心配ないか。」
コルトを抱えながら、橋を渡ってアリサへ戻る。
ーー1年前ーー
行商の森にて。
「俺はやらないよ!!!」
イシンは吠える。
「ならいい、俺1人でやる。」
このヘタレ。と去り際に放ち、タブは千鳥足で歩き出す。
先ほど酒場であったオークのタブ。この世界でマッチョは珍しく、自然と惹かれあった。
「バカなこと言うなよタブ。七賢人のリポタン潰すって無理だろ…!相手はこの世界の実権、魔法大国カタボリック!そのトップクラスだぞ…!!」
そう、この森に今、魔法大国カタボリックの七賢者リポタンが来ている。
彼女は筋肉とトレーニングをひどく嫌っている。
「トレーニングは無能のためのお遊戯。」
「筋肉は能力を持たざる者の玩具。」
この文言は全て彼女、リポタンのものだ。
私も筋トレをバカにする人は嫌いだ。どんな努力でもバカにされていいものはない。しかし、タブはもっと違うらしい。
彼女リポタンに婚約者を殺された。
「クソォォォオ!!!!」
激昂している。
「クソ賢者め…何が代替魔法だ!!」
「潔く死にやがれ!!!」
あらかた、ここにいるリポタンは残像でしかなく本体は別にいるのだろう。
情報屋に踊らされてここまで来たタブは怒りが収まらない。
こちらを見てニヤけるタブ
「おい、イシン…戦争だ…魔法、潰すぞ…」
戦争?!いやいやいやまってくれ!!筋トレをバカにされるのは嫌だよ!でも大国を相手にすることじゃなくない?!その思いから出た言葉
「ムリッ!!」
それを無視してタブが続ける
「まずは国だ…正式に戦争するには国同士でやり合う必要がある…そうなればあのアホどもも出陣する他ない…」
「国、獲るぞ。」
行商テントの中でハイスピードに進む恐ろしい目論見。
「まずは城…そして軍と強者だ…仲間を見つけよう…」
ロイシン
「おおお!仲間!?タブ!僕たちの仲間になるのかい?!」
最悪のタイミングでロイシンが入ってきた。
イシンの断りはなす術なく、テントの中で消えていく。
タブはニヤける。
「そうだ、仲間になろうロイシン。」
ロイシン
「うわー!嬉しいな嬉しいな!!早速仲間探しに行こうよ!家に戻って準備しt…あ、でもいま俺たちの家、帰れないよね…軍に占拠されてるし…」
余計なこと言わないでくれロイシン!!
タブはニヤける
「おお、そうか。その軍は酷いなぁ。お前たちの愛する海上都市を台無しにしてるよなぁ。」
ロイシン
「だよなぁ。戻りたいなぁ。」
タブ
「俺らで力を合わせればよ。軍、追い出せるかもしれないぜ。」
「それしかないよね。」
ロイシンも待ってましたと顔がニヤける。
また巻き込まれた。イシンは眠りにつく。
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