大肉塊、大爆散
「…ひっでぇ有様。おい、ガキ。どうしてこうなった。」
口の悪いタブ。
「タ、タブ…下水に…肉…バラ…」
バラ肉。タブの頭はビタミンとタンパク質に侵される。
タブは疲弊したコルトを置き去りにして下水に向かう。
相変わらず滑りの強い下水の床を進んでいくタブ。
研究施設にたどり着いた。
黙々と青いバラを眺めている後ろ姿がある。
コルトから出た「バラ、肉」の意味を知り、理不尽にキレるタブ。バラ肉じゃねぇのかよ。
「おいガリベン…寒くねぇのか、肉ついてねぇぞ。」
科学者は頭を掻きむしりながら答える。
「あぁぁぁぁぁぁあ!!!また来たまた来た!!!俺の研究を止めるなよモルモットぉぉおおおおお!!!」
青バラを齧る。
先ほどコルトが相対した肉塊よりもさらに、さらに大きく成長した大肉塊がぶくぶくと現れる。
樹木同等の大腕が複数生えている。
そして、タブを襲う。
まるで樹木な肉塊に蹂躙されまくるタブ。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ゛!!」
最もその中で大きな腕がタブを潰そうとした。
「ッッッッッあ゛?!」
肉塊から腕はもう一本も生えていなかった。
タブの後ろに広がる大腕の山。
殴っていたのではない、抜かれていたのだ。筋肉で。
「肩に効いたぜ、この運動。」
そしてタブの番。
タブの右腕は地面スレスレを飛行する。
肉塊の顎下で急上昇し
地下という制限を
ぶち壊す…!
天井を突き抜け、街の上空を肉塊が舞う。
タブは自らの膝を圧縮し、力む…!
そして、刹那。
タブは上空で肉塊と並ぶ。
「ぜい肉付きすぎだ、このデブ!」
空中にて、高速で肉塊を引きちぎるタブ。
飛散する肉塊。
肉塊の中心部。陽の光を浴び、唖然とする科学者と目が合った。
科学者
「(や、やばい…このまま落ちたら俺は死ぬ…!!!なんなんだこの豚!!!しがみついて豚をクッションにすれば…!!!)」
タブは不敵にニヤリと笑いを向けている。
もうすでにタブは下降を始めている。
元肉塊、科学者に逃げ場はない。
ーーどこかの家の裏庭ーー
拳2つで地面に着地するタブ。
庭の草地にひび割れた地面が盛り上がる。
生えていたイチゴをひとかじり。
タブは姿を消した。
【タブ】
オーク村出身、非常
パンプアップ能力: ジェットマッスル
限界まで閉じ込められた筋肉内の乳酸を毛穴から噴出させる。それはまるでージェット気流ー。
だがマッチョ。
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その頃、噴水広場のメインシンボル、鉄時計の先端に科学者が刺さる寸前。
体が抱えられ、広場に着地する。
失神した科学者はロイシンに助けられた。
「話、聞かせてもらうよ。」
ロイシンに笑みは無い。




