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筋肉復興
占拠された海上都市アリサ
彼らは王の座を拒否した。
あくまでも、彼らは筋肉と善良な市民のためにこの城を陥落させたのである。
慣例的な祭事や支配に興味がない。
しかし、城がまた襲われては筋トレに勤しむことができない。
そこで彼らは知を集結、いや筋肉を集結させて考えた。
「仮初の王制を作る」
その合意のもと、それらしい口実を作り、ここアリサで評判の良い町娘プララを王女とした。
王国の軍も創設した。といっても軍団長1人のみの軍だ。
その軍団長は魔法兵士見習いのコルトを採用した。
生意気だが魔法の腕は立つので、他国への牽制としては申し分ない。
このような少人数でいいのか?
是。
そもそも兵士を必要としないのだ。なぜなら我らには筋肉があるから。
我らマッスル6MAXは王国の補佐的立場に立った。名目は開発庁。もちろん筋肉の開発を意味するのだが、国民はそれを知らない。
海上都市アリサの新たな王制の誕生。
この日は後に
筋肉復興
と記された。




