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神様との対話

最強の能力を持った少年の話を書きたくて始めてみました

 

『あなたはどんな能力がほしいですか?』


 そう聞かれた時、あなたならどう答える? それは誰もが一度は想像したことがある質問だろう。それをこの僕、湊朱莉みなとあかりは今、たった今、聞かれている。学校とかでクラスメートから聞かれているわけではない、多分僕が言えばなんでも叶えてくれそうな存在に、だ。


 しかし今の僕が置かれている状況は全くわからないだろう。だから説明する。何が起きたか三行で説明すると、


 学校で授業を受けていたら、


 近くで謎の大爆発が発生して、


 気がついたらここにいた。


 ということになる。いや、何が起きたのか全くわからないんだけど。なんで僕はここにいるのだろうか。爆発に巻き込まれて死んだはずじゃないのか?僕はこの何もない空間。あたり一面が白くて何もない空間を見て思う。


『いや、君は死んでいないよ』

「!!?」


 突然目の前の空間から声がする。そして、誰か(・・)が俺の目の前に立った。


「え……あ……」

『初めまして。私はあなたがこれから行く世界の神様なんだけど……って聞いてる?』


 自称神様が何か言っているが、僕はそれに応えることができない。なぜか? 答えは簡単だ。目の前の女性が、あまりにも綺麗だからだ。いや本当に綺麗だよ。どれくらい綺麗かって言えばそうだな……現実には確実にいない……少なくとも三次元にはいないくらいの美女だ。二次元だけの存在かと思うくらいに美しい女性だ。女優とかに例えると……うーん、僕の語彙力じゃ無理だ。とにかく男子高校生にとって、刺激が強すぎる。


『何をさっきからブツブツ言っているの? ああ、私の姿に緊張しているのかーんーちょっと待ってねー』


 すると、目の前の女性を強い光が包み、それが収まった時には目の前にいるのは女性ではなく、少女だった。あの女性が若返ったらきっとこんな感じになるんだろうっていう感じの姿だった。


『どうかなー年上のお姉さんよりも同級生の方が緊張しないと思ったんだけどー』

「え、えっと……」

『えーこれもダメー? どうすればいいの?』

「え、あ、やっ、もう大丈夫です」


 スーハースーハー。深呼吸深呼吸。落ち着け。これはきっと夢だ。夢に違いない。爆発は起きたショックで僕は今眠っているんだ。だってこんな美少女が現実にいるはずがないだろう。つまり彼女は僕は思う理想の姿だ。つまり僕が生み出した存在ということになる。そう考えると少しばかり落ち着くことができた。


『いや、違うからね? 確かに君は寝ているけど……もうすぐ起きるし』

「え?」

『まあ、突然こんなことになって驚くのも無理ないわよね。1から説明するか』


 そして彼女は説明を始めた。内容は……僕が想像していたよりもかなりやばい内容だった。


『まず、君の現状だけど、爆発に巻き込まれて死んだわ』

「え?」

『でも魂はまだ輪廻の輪には戻らないわ。だから安心してね』

「ええ」

『どうして君がここにいるのかっていうと、私の世界に来て欲しいの』

「は、はぁ」

『来て欲しい理由は……って君さっきから生返事しかしていないじゃない』

「す、すみません」


 無理でした。いや本当に無理でした。だって相手が可愛すぎるのがわるい。ぱっちりとした二重に大きな目を始めとして整った顔立ち、胸も同じ年頃の女子の平均ぐらいはありスタイルも抜群。何より目を引くのがその髪の毛。ちょっとウェーブがかかった茶色い髪の毛だ。白と黒を基調とした服装もまた彼女の魅力を際立たせている。


『え? もしかして君、私に緊張していたの?』

「は、はい」


 本人に向かってこんなことをいうのは恥ずかしいけれど言わなければ多分先には進めない。それを聞いた彼女は何かを考えるように手を顎に当てて……。


『ふうん、そうなんだぁ……まあ私は美女だからそれもそうか。でも困ったなー話が進めないから、一旦緊張とはおさらばしてもらおうか』

「え? ……あ、なんか落ち着いている」


 彼女が呟いた瞬間、それまでにあった緊張が一気になくなった。自然に話すことができるようになったし、冷静に考えることもできるようになった。すげぇ、神様って言っていたしこんなこともできるのか。


『これで大丈夫かしら?』

「は、はい。大丈夫です」

『じゃあ話していくわね。まず、私の世界の事情なのだけど』

「はい」

『この世界を征服しようとしている軍団がいてね』

「魔族じゃないの!?」


 え? こういう時って魔王が誕生しましたとかそういう感じじゃないのかよ。なにそのドロドロとしてそうな軍団は。魔王はどこに行った。ついでにその上のボスの邪神とかも。


『邪神は私がこないだ叩き潰したわね。ちなみにあなたがこの世界に来る前に感じた、爆発。あの正体は私が邪神を倒した時に発生したエネルギーよ』

「なるほど……」


 まあ邪神というか神様と神様が戦ったとなれば当然かなりのエネルギーが発生するだろうな。そして僕たちはそれに巻き込まれて死んでしまったと。でもどうして僕たちの学校にピンポイントで爆発が発生したのだろうか。


『まあちょっと操作(・・)してあなたたちの学校を指定させてもらったけど』

「そんなことできるのか……でもそれなら今回もあなたができないんですか?」

『さすがに人間がしてることにまで介入したくないのよねー』

「そういうものなんですね」

『そうそう、で、君たちにお願いしたいことはその軍団を倒して欲しいってことなんだけど』

「目的は世界征服だけですか? 」

『一応目標として邪神復活……つまりは私の転覆を狙っているらしいけどね』

「結局邪神が出てくるのか……」

『ま、そういうわけで、あなたはこれ協力してくれる?』

「……」


 改めて聞かれる。身一つで今までとはことなる世界に連れ去られてその世界のために戦う。その覚悟がぼくにあるのだろうか。


『あ、もちろん私からの祝福をあげるわ……というわけであなたは何の能力が欲しい? 』

「あ……」


 今度は別の意味で黙る。恐怖からじゃない。これはどちらかといえば武者震いだ。欲しい能力、誰もが一度は考えたことがあることだ。時を止めたりたくさんの魔法を使えたり相手の能力を知ることができたり、未来を知ることができたり……考え出したらキリがない。


『悩んでいるわね。一応言っておくとね、なんでも(・・・・)いいわよ。私はこの世界の最高神。あなたの望む能力をなんでもあげましょう』

「まじか……」


 なんでもって言われたら逆に悩むやつだな。これがいわゆる贅沢な悩みというやつか。ある程度の指定があるのならそこから考えることができるけど自由ならどうしようかな……


『なんでもいいわよー。死者と話す能力でも未来予知の能力でも最強の剣豪になれる能力でも』

「それなら……」


 いくつか具体的な考えを出してくれる。てか出てくる内容がどれもやばすぎるんだけど。と、ここで僕の中で一つの考えが生まれる。せっかく異世界に移ることになって、そこで生きていくことになるのなら最強の能力が欲しいって。


「最強の能力が欲しい」

『?』

「そうだ!誰もが羨望するようなそんな最強の能力が欲しい」


 言い切る。ああ、そうだよ。そうじゃなくちゃ意味がない。強い能力じゃないときっと異世界に行ったところでつまらないはずだ。でもそれは少し抽象的すぎるかな? ふと、僕は少女の方を見る。少女は何を考えているのかわからない笑顔でいて……そして、


『ええ、いいわよ。誰もが一度は望んだことがある特別で、最高で、素敵な能力をあなたにあげるわ』

「ほ、本当ですか!」

『ええ、それじゃあ行ってらっしゃい』

「はい!ありがとうございます」


 そしてまばゆい光に包まれたかと思うと……僕は異世界に移動した。

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