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FANTASY OF BLOOD  作者: 戯言
3/3

データ3:顔合わせ

だいぶ更新遅れてますね…。

魔王は退屈していた。


幼い魔王は、飽きっぽい性格だ。

毎日の町の見回りにも飽き、事務の仕事もしたくない。


ということで、見回りでなく、城下に遊びに来たのだった。

あまり顔が知られていない魔王は、変装せずに出歩いても、さして大きな騒動は起きない。たまに気付く輩に制裁を加えるだけだ。


何をするでもなくただ歩いていると、城下の一角が騒がしい事に気付いた。


 何事かと様子を見に行くと、いつもなら魔物ばかりで賑わっている武器屋に人間がいることを発見した。


 背中に大剣を背負い、金色の鎧をまとった……、




自分と同じくらいの年齢の勇者を。




勇者のくせに目つきが悪く、今時流行らないロン毛の少年だった。


魔王は感激した。


昔から自分の境遇を嘆き、こんな能力を持ってしまった自分を呪った。


しかし、魔王はある時知った。


自分と同じように、幼い歳から勇者になることを強制させられた少年が居たことを。


魔王は、その勇者に常々会いたいと考えていた。

しかし相手は勇者、下手に魔物の部下を向かわせると返り討ちにあう恐れがある。

魔王自らが、勇者の元に出向く訳にも行かず、半ば諦めかけていたのだが。


まさか、こんなチャンスが到来しようとは思わなかった魔王であった。


武器屋を取り囲む魔物を掻き分け、勇者に近づく。


勇者は、魔物に取り囲まれているにも関わらず、随分と堂々とした、というかふてぶてしい態度であった。


 魔王はますます勇者を気に入り、城に招待しようと決める。

そうと決まれば、迷わず行動を開始する魔王。勇者に駆け足で近づき、肩に手を掛ける。


 一瞬勇者は驚き、訝しげな視線を魔王に送ったが、同年代の子供と知ると少し興味を示し始めた。

そこで魔王はとどめの一言。

自分が魔王であることを勇者に耳打ちする。



勇者の目つきが変わり、一瞬で剣呑なものへと変わる。

町の真ん中であるにも関わらず、背中に掛けた大剣を抜き、魔王に構える。


魔王は即座に臨戦態勢。

被っていたマントを脱ぎ捨て、両手をぶらんとたらし、自然体で立つ。

一見なんの構えもしていないように見えるが、この姿勢が一番、どんな態勢でも柔軟に対応できる、というのが魔王の持論である。


はじめに動きを見せたのは、勇者であった。

いつもなら、こんな軽率な動きはしなかっただろうが、今は魔王と対峙している状況であり、冷静な判断力を失っていたということもある。

兎にも角にも、その行動は勇者という代名詞には相応しくない動きだったと言える。


魔王もいつもなら、勇者の、不自然なまでに軽率な動きに付き合い、肉弾戦を繰り広げるだろうが、今の魔王も、昔から気になっていた勇者が目の前に存在することに、軽い興奮を覚えていたのだろう、そんなことをする余裕はなかった。


勇者に向かって石化の魔眼を使用するという暴挙にでた。



結局、最終的には不自然な格好の勇者の石像を抱えて、城までの道をてくてく歩く魔王。


そんな間の抜けた情景が、城下で見かけられることとなった。



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魔王は、猛烈に後悔していた。

勇者を説得してつれてくれば、ここまで悪い印象は与えなかっただろう。

先ほどから勇者は、自分とは一言も口を聞いてくれない。

魔王は溜め息を吐きつつ、無言で勇者を眺めるのだった。



勇者はかなり焦っていた。

傍目から見れば、単に機嫌が悪そうに見えるだけかも知れないが、勇者は焦っていた。

先ほどから魔王が話しかけてくるが、それすらも耳に入らないほどに焦っていた。

それはそうだろう。

何せ、突然魔王とのバトルになり、気がついたら魔王と晩餐の席に向かい合って座っている。


魔王は、突然とはいえ自分に勝った男だ。

一応平静を装ってはいるが、内心気が気ではない。



魔王には、勇者の考えていることがなんとなく分かってきた。

表面上は至極正常なものの、額から脂汗がにじみ出でている。

なんとなくだが、勇者は自分が嫌いではないことを感じていた。



勇者は驚いていた。

魔王の顔に、安堵と親愛の情が見て取れたからである。


――コイツは実は敵ではないのか?

ふと、そう思えた途端、勇者の身体は若干軽くなった。



魔王は、勇者の身体から緊張が少し解れたのを見て、こう切り出した。


――実は、僕は君をずっと探していたんだ。


勇者は驚いた。

いきなり何を言い出すのかコイツは。

一体何故、コイツは俺を探していたというのか。

勇者はその疑問を魔王にぶつける。


魔王は、自分と同じくらいの年の勇者の話を聞き、昔からあってみたいと思っていたことを話した。


勇者も、自分はお前に会いに来たのだ、と明かし、両名とも顔を赤らめる。



その後、会話も晩餐もつつがなく進行し、積もる話もあるであろう二人は、一晩中飲み明かした。



………ジンジャーエールで。



こうして、最年少魔王と最年少勇者は、初顔合わせを少しギクシャクしながらも終えたのだった。


乱筆乱文誠に失礼。

ほんっとーにすいません…。

受験生なもので、小説を書ける時間も少なくなるばかり…。もう受験なんかいやだぁ〜〜!

そんなこんなで更新があまり出来ないので、首を長くして待っていていただけると、大変嬉しく思います、ハイ…。

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