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イタズラ?

長らくお待たせいたしました。

リアルが落ち着いて来た気がします!たぶん。

 最近お茶会に誘われることが増えたのは私と仲良くしてくれる人が増えたからだと思う。

 兄と姉達は勿論のこと、王妃様や第一王子様にクリスタ様も私を可愛がってくれる。

 司書の皆様は優しい。

 そして、シジャル様…………

 お茶会に呼ばれれば姉達のいるテーブルか、王妃様とクリスタ様のいるテーブルに案内される。

 これって、普通の貴族令嬢からしたら本当に羨ましいことなのだ。


「この前、アルティナさんに喧嘩を売った令嬢いたでしょ」


 今日のお茶会は王妃とクリスタ様と私の三人だけ。

 王妃のプライベートな私室のお庭で開催されている。

 ピンク色の薔薇が咲き乱れ、甘い香りに包まれたお庭だ。

 そこに、不穏な空気が流れたのが解った。


「アルティナさんに喧嘩を?どこの令嬢だ?私が成敗してくれる!」


 今まで優雅にお茶を飲んでいたクリスタ様の眉間にシワがよっている。

 しかも、高そうなティーカップの持ち手がクッキーのようにポキッとおれていた。


「クリスタは知ってるんじゃないかしら?メイデルリーナって子なんだけど」

「……幼馴染みと言えなくもない人物です」


 クリスタ様は眉間のシワを深くした。


「……彼女はシジャル兄さんと仲が良い女に敵意をむき出しにしますから」

「実はね、あの子ライアスの婚約者候補に残っていたみたいなのよ」


 王妃様はクスクス笑いながらティーカップを口に運んだ。

 王妃様はカップをソーサーに戻すと私にクッキーを勧めながら言った。


「ライアスにお茶会であったことをうっかり話しちゃってね……凄く怒って婚約者候補から外した上に暫く登城禁止令まで出したみたい」


 何もそこまでしなくても。

 私がそんなことを思っているのを私の顔を見て察したのか王妃様は苦笑いを浮かべた。


「私もやりすぎよ!って言ったのだけど、その話は命令した後に言ってきたみたいでもう遅くって」


 王妃様は私の頭を軽く撫でると笑った。


「ライアスは貴女に好かれたくてしたみたいだけど、そんなことされたら女の子は引いちゃうわよね」


 私は苦笑いを浮かべることしか出来なかった。


「アルティナさん、メイデルリーナはワガママを無理矢理通す類いの女だ。気を付けてくれ」


 私が首を傾げるとクリスタ様が嫌そうな顔をした。


「私はディランダル様の婚約者だし、元々嫌がらせをされても怖がるような柔な心ではないから大丈夫だったが、アルティナさんは気を付けてくれ」


 心配そうにしているクリスタ様に私はメモ帳を取り出して書いて見せた。


『どんな嫌がらせをされたのですか?』

「私も気になるわ!クリスタ、教えてちょうだい!」


 王妃様のはしゃいだ声にクリスタ様はにっこりと笑った。


「……大したことではないですがよろしいでしょうか?」


 私と王妃様が頷くとクリスタ様は躊躇いなく話始めた。


「そうですね。プレゼントだと言われて受け取った箱には芋虫がびっちり入っていたし、水溜まりを見れば突き飛ばしてくるし花瓶を投げられたり泥水の入ったバケツを二階から落とされたりですかね?」


 私と王妃様の顔色は最悪だ。

 そんなことをされたらと考えたら私も王妃様も青くならずにはいられない。


「イタズラの範囲内です」


 私が信じられないものを見るような目をクリスタ様にむけると、王妃様に肩をポンポンと叩かれた。


「気にしてはダメよ。彼女は普通と違うのだから!ちなみに、次期王妃がこの強さなら国は安泰でしょ?」


 オチャメな王妃様と大胆なクリスタ様を見ていたら、なんだか笑えて私はニコニコと笑ってしまった。





 王妃様とクリスタ様とお茶会をした数日後、小包が届いた。

 差出人の無い私宛の荷物。

 クリスタ様の言っていた芋虫ボックスかも知れないと箱に耳をつけてみたが音がしない。

 生き物であれば音がしそうなものだが、音はしない。

 箱をふってみるとカタコトと固いものが動く音がした。

 私は意を決して箱を開けてみた。

 そこには、真っ赤な宝石のついた銀細工のブローチと手紙が入っていた。

 手紙には男性的な文字で『貴女を思う司書より愛をこめて』と書かれていた。

 それを見た時シジャル様が浮かんだが、違う司書様なら受けとるわけにはいかない。

 私は急いで図書館にむかう準備をすることにした。

 もし、シジャル様なのであれば……シジャル様は私を好きだと言うことになる。

 そうなら、毎日付けたい。

 確認をしなくては!

 私は浮かれていたのかも知れない。

 まさか、あんなことになるなんて考えてもみなかったのだ。

早く続きをあげられるように頑張ります!

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