序章 世界の始まり
昔々、この天と地が出来る前、この世界が出来る前……
【始原の神】が産声上げる。
神は暗き世界を見て、仰った。
「なんて、つまらないのだろうと」
それから、三日かけて、我らが住まう、この大地を創り給うた。
だが、大地の上には、暗い世界があった。
神は、さらに三日かけて、天の色を青色へと変えました。
「まだまだ、つまらない」
神は思考し、世界に生命を創り給うた。
生命、即ち、精霊は進化を続け、いつしか、聖魔に別れ、争いを始めた。
精霊は大地を荒ませた。
神は怒り、その大罪の罰として、神、自らが住まう地を動かし、世界を暗くする。
雨の代わりに雷が降り注ぎ、食べ物の代わりに毒が流された。
「我々が間違っておりました。どうか、我らの地に戻ってきてください」
精霊は必死に願い、我らが地に神が戻った。
そして、いつしか時は経ち、人間族や獣人族など色々な種族が生まれた。
だが、しかし、被造物とは愚かな也。戦いを繰り返した。
大地は焼け、嘗て誇った天は黒く染まり、神はお怒りになった。
そして、神は地を三つに分断した。
壱の地には、人間族と動物族を
弐の地には、精霊族と魔族を
参の地には、獣人族、魔獣族を
それぞれの世界はそれぞれの方向に発達していった。
壱の地には、魔術を使える種が居なかったので、『科学』が発達した世界へ。
弐の地には、魔術が使える種が沢山いたので、『魔導』が発達した世界へ。
参の地には、気を使える種が居たので、『気功』が発達した世界へ。
そして、世界が分かれてから、五十億の時が過ぎた時、世界は一つに戻るであろう。
これが、『玖』の地に伝わりし、【異界ノ書】の序章である。