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花の園の夢物語

小説を書くのは、これが初めてではありませんが、拙い部分も見られるかもしれません。

誤字、脱字があったら、優しく教えてくれると嬉しいです。

先に登場人物及び主要人物の名前を紹介しておきます。

五十嵐颯(主人公)、シエル・クリスザード(もう一人の主人公)、神崎美琴(メインヒロイン)、大神力也、不知火竜児、西園寺小咲、真紅、バイザー・ディスケンス、ルヴィア・マガ・エイフレアの九人です。

何も変わらない日常は、神様がくれたもの。

大量の人が死ぬ日も、神様がくれたもの。

凪の様な感情の平穏。

動かない心の欠片。

決して、埋まりはしない心の隙間。


「もう何も要らない」


プクッ……!


ポッワワッ……!


突然、眠り続ける少女の耳に微かな羽音にも似た機械の振動音と緩やかな水音が聞こえてきた。

だが、不思議な事に少女の視界には何も映らず、何も見えてこない。

ただ布団を被り、その中へと潜った時の様に暗い空間が見えるだけ。

ふと少女は、それまで自分が眠りに堕ちていた事を思い出す。


――とすると、今は朝で起きる時間だろうか?


いや、それにしてはやけに早い気もする。

ただ単に眠りたい理由を作りたいだけかもしれないが、そんな事を考えられるだけ、少女の脳と意識は既に眠りから目覚めつつあるのかもしれないが。

そう、そこには何も存在しない暗闇の世界に自分は押し込まれ、閉じ込められている様な感覚。

よし、寝よう、とベッドに上り、布団を被り、頭を枕へと預け、中へと潜っていき、目を閉じる。

意識が遠のいていくのを身体の力を抜きながら、じっと待つ。

何も考えずに、時間だけが過ぎていくような気怠い感覚を覚えた。


――そもそも、神なんて本当はいなくて、人類が神気取りなだけ。

本当はこの世に正義も悪も無くて、人類が勝手に創り上げた、それだけの小さな事なのに……。

怨みや呪いの無い世界の筈なのに、当たり前の様に他者を非難して……。


「…………」


何処からともなく、不思議な声が聞こえてくる。

はっきりと、聞き覚えのある声が響いてくる。

それは何処からかは分からないが、確実に鮮明に少女の耳に響いてくる。

少し気怠かったが、何があるのかが気になる、と言う好奇心の気持ちの方が勝ったのか、少女は慎重にゆっくりと重い瞼を開いた。


「……ッ!!?」


結晶の様な狭い何かに閉じ込められているのに気付き、少女はアンニュイな余韻を振り払う様に意識を一気に覚醒させ、目を覚ましたのだった。

あぁ、出来たらもう少しだけで良かったからこの余韻と言うか、心地の良い瞬間に浸っていたかった、と表面上は水が入った狭い出口の無い水槽と表現するべきである中で溺れ、息が苦しいと言うのに、中途半端に冷静な脳内で一心にそれを思った。


――お願い、誰でも良いから助けて!


この状況でなら、当然の助けを求める言葉を思い浮かべる前に何故か、別の言葉が思い浮かぶ。


――そんな連中が神様だなんて、私は絶対に認めない……!


『では、貴方が拒絶しているものは何ですか?』


自分自身? それとも世界?


『人々は正しく生きようと必死ですが、それを"正しい"と決めたのも人類です。人々は悪に生きようと必死ですが、それを"悪戯"と決めたのも人類です』


――この声は……?


耳に鮮明に聞こえてくる声。

それは、凛とした調子の透き通った女性の声が自分に問いかけている。

声を聞いた限りでは、その調子を聞き取るに清楚ながらも大人びた色香を持つ女性の姿を連想させる。

そんな女性の声に耳を傾け、その声だけを聞いて勝手に姿を連想しても何一つとして、この苦しい状況は変わらなかったが。

寧ろ、この声に耳を傾ける度にどんどん苦しくなっている気がする。

呼吸をしようにも、出口は愚か息継ぎをする場所すら見当たらず、視界には闇が広がるだけで何も出来ない。

滝からの激流を上り、水の流れを抵抗する魚の様に全身をジタバタとさせながら、パニック状態に陥っていた。

濡れた髪が水中で纏わりつき、とても気持ちが悪い。

お願い助けて苦しい無理もうこれ以上は息が続かないの助けて助けて助けてよ死んじゃう!


『今、貴女がそうやって苦しんでいるのは、貴方の中に強大な悩みが存在しているからです。貴女の悩みはきっとこの先、障壁にもなり、貴方の全てを変える鍵にもなるでしょう。それを忘れないでね……』


ピキッ……ピキキ……。


……ガッシャーン!!!


「!!!」


結晶の様な形をした水槽に卵の殻の様なジグザグのヒビが出来て、四方八方に飛び散ったかと思えば、雪解け水の様に曖昧な個体が液体へと変わり、そして消えていった。

結晶の様な水槽に入っていた水も綺麗な花々にかかって、その水の衝撃を受けて、ゆらっ、と揺れて、濡れた。


「ケホッ!? ウッ、あっ……ハァ、ハァ……っ!!」


水中で呼吸が出来なかった、と言うのもあるせいか、黄金色、または橙色とも見てとれる優しく暖かみを感じる色をした腰まで届くロングヘアは完全に濡れて、体に纏わりついている。

表情は完全に慌てていて、結晶が割れた際に中にあった水が気管に入ってしまったのか、噎せて、咳き込んだ。

頭に赤いリボンの様なカチューシャをしていて、淡い緑色のカーディガン、白の胸元に小さめのリボンが付いた服を着た美少女。

数分間の間、出口の無い水槽の中で苦しんでいた彼女の名前は美琴みこと

まだ幼さの残る可愛らしい顔だが、それを赤くさせ、目は半開き、おまけに濡れていて、露出の少ない穏やかな印象を与える女性らしい服も当然として濡れている。

顔立ちは幼いが、たわわに実る果実が濡れている服の上から自己主張を示す。

何処か、色っぽく艶めかしい雰囲気を醸し出している。

例えるならば、海に入った女性が水で濡れたまま、海から出ていくような感じだ。

美琴はしばらくすると、落ち着いて、呼吸を整えて、辺りを見回すと暗闇に無数の星々が瞬く景色を澄んだ水色の瞳に焼き付ける。


『ここは貴方の望んだ世界……私は此処とは違う空間にいます。無事に会えたら良いわね』

「……貴方は、誰……?」


まだ朦朧とした意識で回らない頭の中、女性に尋ねたが、応えは返って来なかった。


美少女の表現がとても難しいですが、神崎美琴の劇中で語られる容姿のレベルは上の下くらいで、彼女以上の美少女及び美女が存在します。

とは言え、基本的に異性のキャラクターからも「可愛い」と言われていますから、レベル高いでしょうね。

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