SS-1:今日も王子を待つのである
対話形式SS。
これは受け男トロとイチゴとその他もろもろの会話。
>>今日も王子を待つのである
トロ:「あかん。最近、もっぱら乙女思考や。はぁああ、憂鬱やわ」
イチゴ:「(何もツッコまない。話に加わったら最後だ)」
トロ:「さと子ちゃん」
イチゴ:「………」
トロ:「俺の王子様(ウットリ)」
イチゴ:「………」
トロ:「俺の旦那様(ポワッ)」
イチゴ:「だぁあああっ、限界だぁあああ! トロっ、お前、俺に話を振るよう仕向けているだろ!」
トロ:「なんやねん。俺は今日も受け男として愛する王子様を思っとるんやで! いつか、いつかさと子ちゃんに押し倒してもらうんやー!」
イチゴ:「俺に堂々と宣言されてもなぁ」
トロ:「けどな、さと子ちゃんはなかなか押し倒してくれんのや。んー、俺の魅力がないん?」
イチゴ:「いや、それ以前の問題。まず、桧森と付き合わないなんとも」
トロ:「つい、押し倒したくなるよう、オーラは醸し出しているんやで?」
イチゴ:「どんなオーラだよ。桧森は攻め女じゃないだろ? 御堂や竹之内とは違うんだぜ?」
トロ:「さと子ちゃんは天然攻め女と思ってるんや! 無自覚とでも言うんやろうか。素は攻め女なんや! そんな彼女に俺はっ、俺はっ、ッアーされたいんやー!」
イチゴ:「(友達をやめたくなった。切に)」
トロ:「豊福は常に婚約者に押し倒されているんやろ? ……コツとかあるんかいな」
イチゴ:「空の場合は相手が獰猛の肉食女だからなぁ。ほら、空自身も根っからの草食でそういう女を見ると逃げるだろ? 肉食の本能で追い駆けたくなるんじゃね?」
トロ:「じゃあさと子ちゃんの肉食の本能を目覚めさせたら、話は解決するんやな?!」
イチゴ:「……相手にその気があるかどうかが謎だけど」
トロ:「やっぱエロイ誘い方を覚えるしかないで。豊福に聞かな!」
イチゴ:「あーもう、勝手にしろって」
トロ:「そこでや花畑」
イチゴ:「あ?」
トロ:「聞いてきてくれへん?」
イチゴ:「俺ぇ?! なんで!」
トロ:「恥ずかしいんや。まだ付き合いも浅いし、こういうのは付き合いの長い花畑の方がええやん」
イチゴ:「俺だって恥ずかしいっつーの! 嫌に決まっているだろ!」
トロ:「いつもお前のわがままに付き合ってるやん! 花畑つれへん! 断るなら俺、教室で『花畑を愛してもうたぁあああ!』と叫ぶで!」
イチゴ:「なんの嫌がらせだよ!」
トロ:「なにもくそもあらへん。嫌がらせや! あ、勘違いせんでな。俺の本命はさと子ちゃんや」
イチゴ:「知ってるっつーの!」
トロ:「わぁあああああ俺は花畑を愛して「分かった! 聞くっ、聞いてくる! だからやめろ!(汗)」
イチゴ:「―――…てことで、空、攻め女の誘い方を教えて、だそうな。何か答えをくれ。じゃないと俺が嫌がらせを受ける!」
空:「………いや、そう、言われてもさと子ちゃんは攻め女じゃないから」
イチゴ:「そりゃ分かってるんだって! けど、トロは恋は盲目病に掛かってるんだ。俺が何を言っても聞きやしない。答えてくれないなら、俺、御堂や竹之内の前で『空を愛してしまったぁあああ!』と叫ぶ!」
空:「なんの嫌がらせ?!」
イチゴ:「当然ただの嫌がらせ! あ、勘違いしないでくれよ。俺は女の子が好きなんだ」
空:「知っているから!」
イチゴ:「空ぁああああごめんっ、俺はお前を愛して「ぎゃー! やめてー! 婚約者に聞かれると仕置きされるー!(汗)」
空:「―――…ということで、イチゴくん改めトロくんのお悩みを受けたのですが……攻め女のお二人に聞きます。どんな仕草がお誘いだと思いますか(なんで俺がこんな質問をしないといけないの!)」
鈴理:「空が怯えを見せたとき。はやく食えと言っているようで襲いたくなる(キリッ)」
玲:「豊福が抵抗を見せたとき。襲って欲しいくせに素直じゃないのかとつい、意地悪したくなる(ニッコリ)」
空:「泣きたい。そんな風に人を見ていたなんて(ガクリ)」
鈴理:「そういう空を見ると、声を出させたくなるぞ!」
玲:「何を言うんだい鈴理。声を我慢させて、羞恥と葛藤させるシチュエーションが燃えるんじゃないか」
鈴理:「なるほど。確かにそうだ。しかし、あたしは空が声を我慢できるとは思えないんだ。やはりそこは出させるべき声をいかんなく出させなければ! あたしも声を聞きたい」
玲:「僕とは真逆の萌えを求めるんだね。それも悪くないけど、やっぱり我慢かな」
空:「泣いてないっすよ。泣いてない。俺は男の子強い子元気な子っ……イチゴくんになんて返事しよう(グズッ)」
イチゴ:「まだかよ空の返事……早くしないとトロが嫌がらせするんだけど!」
トロ:「さと子ちゃん……俺の王子様(ウットリ)」
さと子:「……どうしてでしょう。寒気が止まらないんですけど。か、風邪かなぁ」
Fin.