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酔話奇談  作者: 初菜
1/2

~くちづけ~

雪の降り始めた街を歩いていると、ビルが並ぶ路地の暗く狭い隙間に、

顔がぐしゃぐしゃになった女が立っていた。


彼は煙草をくわえながら、しばらく女を見ている。

女もこちらに気が付いた様子で話しかけてきた。


「わたし、醜いでしょう?

気持ち悪いでしょう?

わたし、このビルから飛び降りたら、

こんな顔になってしまったの・・・・・・」


彼はずっと女を見ている。


「あら、あなた、逃げないのね。

珍しい。

みんな、わたしを見ると逃げるのよ!」


しばらく響く女の笑い声。

それからまた女はおろおろとつぶやきだす。


「わたし、顔がもとに戻らないの・・・・・・。

いつまでも、きっとこの顔のままなんだわ。

醜いでしょ?気持ち悪いでしょ?怖いでしょう?」


彼は黙って女をかるく抱き寄せ、くちづけをした。


女の顔は飛び降りる前の愛らしいものになり、

そして消えていった。


さて、ずいぶん冷え込んできた。

酒場に早く行こう・・・・・・。

そうつぶやいて新しい煙草に火を点けて彼は立ち去った。

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