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精霊の担い手  作者: 天剣
1年時
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第31話 反撃、闇を切り裂いて~5~

新年、開けましておめでとうございますッ!! 今年も精一杯がんばって参りますので、どうかよろしくお願いいたします!


さて、新年開けのご挨拶もそこそこに、早速本編行ってみましょうかっ!


……しかし新年早々、流血描写があるとは……空気読めや、自分……

暗闇の中で起こった戦闘を、アイギットはボウッとなった頭で見入っていた。その表情には、信じられないと言う感情がありありと浮かんでいる。


「そらよっ!!」


「くっ……!」


それは、彼が今まで見てきたどの戦いよりも一方的で、そして実の父がここまで押されているのを見たことがなかった。


グラッサが連続して突き出したエストックを、アンネルと名乗りをあげた精霊使いは、グルグルと回転させている双刃で一突き一突きを正確に、一分の狂いなく弾いていく。一見、扱いずらそうな事この上ない双刃だが、精霊と契約を交わした際に与えられる証は全て、その人の特性に見合った形状を象る。


つまり、他人から見れば扱いずらそうな物でも、当人からすれば自分の手足のように動かせるのだろう。とは言え、全てが全ていきなり扱えると言うわけではないのだが。


おそらくアンネルは、双刃を楽に扱えるまで血の滲むような訓練を繰り返して来たのだろう。受け手からしてみれば、小さな点にしか見えないエストックの切っ先を、ただの回転だけで防いでいる事からもその鍛え上げられた技量が伺える。いや、防ぐどころではない。


「シッ!」


短い呼気とともに、回転させていた双刃を滑らかに振るう。回転から斬撃までの流れはスムーズで、流石にグラッサも顔を歪めて一歩後退する。ーーだがアンネルは見事な物で、その動きを読んでいたのか、逆に距離を詰めてきた。


「っ!?」


目を剥いて驚きをあらわにし、反射的にエストックを体の正面で構え、盾がわりにしようとする。次の瞬間、エストックの刀身に防ぎきれない量の衝撃が襲い掛かり、グラッサは半歩後退余儀なくされ、体勢を大きく崩されてしまった。


エストックの刀身に襲い掛かった衝撃。それはアンネルの証である双刃による回転連撃とーーそれと同時に吹き荒れた風、鎌鼬による物だった。彼の双刃は、まるで曲芸師が扱う棒のように回転し、その両端についた重し代わりの剣(実際は棒も刀身も短めだが、二つを比べると刀身のほうが若干長い)が、打撃ではなく剣撃を送り込み。


並行して発動させた風の属性変化術が鎌鼬を起こし、斬撃の数を増加させていた。暴風にも似たそれを受け止め切れず、後退を余儀なくされたのも仕方がない。


グラッサにとっては二度目の後退。現在の体のコンディションに歯がみし、彼は呪文を唱えだす。途端、エストックの刀身に纏わり付く冷気をそのままに、突き出そうとして。


「遅いぜ、本部長殿」


「何っ!?」


突如標的が消え、その標的の声が背後から聞こえたことに、驚愕の叫びをあげた。一体いつの間に、と目を剥いて振り返るグラッサの視界に、アンネルの不敵な笑みが写り込んだ。そして、彼の左手からこぼれる、小さな魔力の光りも。


「っ! ポータルかッ!?」


「正解っすよ」


即座に、彼が突如視界から消えた理由に察しがついた。加速系の詠唱魔法をあらかじめポータルに刻み込んでいたのだろう。それを使い、自身の体を加速させて背後を取ったーーということを理解したときには、もうアンネルの一撃を何とか受け止めていた。


だが、証の形状上、双刃の攻撃が一発で終わるとは到底思えない。グラッサが危惧した通り、ニ撃、三撃目と再び始まった彼の猛連撃に、額から汗を流し、歯を食いしばって何とか耐える。


だがそれも、時間の問題だった。


「……」


「……はは、マジか…」


そんな両者の戦闘風景を眺めながら、アイギットはただ呆然とし、ギリは苦笑を浮かべた。ーーそうすることしか、出来なかったのだ。それ程までに、アンネルの戦いは凄まじく、そしてあまりにも遠く離れた実力を持っていたからである。瞳を伏せ、拳を強く握りしめたアイギットを視界に収め、ギリはあることを感じ取った。


「……俺はまだまだ、弱い……」


己の未熟さと、限界を。目を閉じ、自分と同じく悔しさを感じているであろうアイギットも、その呟きを耳に挟み、僅かに震えながらも頷いた。


「くっ……そっ………っ!」


とうとうアンネルの猛攻に耐え切れなくなったグラッサは、悪態をつくとあることを思い付いた。しかし、それを行うには相手の注意を反らさなければならない。


「……っ!」


アンネルに気付かれないよう人知れず気合いを入れ、防御と、ついでに恐怖も捨てて相手にエストックを突き出した。空気を貫く音とともに繰り出した、守りを捨てた一撃は、アンネルの眉を僅かに動かした。


まさか反撃して来るとは思わなかったのだろう。しかし、彼は予想外の動きに対し、驚異的な反応を持って対応した。回転中の双刃の刃を、その角度を少しだけ変えて、防御を捨てたその一撃を見事に防いでしまう。そればかりか、変えた角度を利用し、防がれた方とは逆についている刃を使いグラッサの左の二の腕を深く切り裂いた。


「くっ……!」


思わず痛みに呻きーー次の瞬間、その歪んだ口元が笑みに変わったのをアンネルは確かに見た。ほんの一瞬の出来事故、見た本人さえも、見間違いか、もしくは気のせいだと思ったが、それこそが間違いだと思い知らされた。


「っ!? それは、ポータルッ!」


グラッサの防御を捨てた一撃を防ぎ、反撃を叩き込んだ時には、彼はもう呪文が刻まれた小石を握っていた。気付かれないように、わざと一撃を喰らったのだと理解したときには、もう遅かった。


「発動」


ポツリと呟くと、グラッサを中心として魔力が集まり。それだけで、アンネルは彼がポータルに刻み込んだ呪文の種類に察しがついた。


「っ! 転移か! くそ、逃がすかよっ!」


自分が持つ複数のポータルの内の一つに、同じく転移を刻み込んだ物があるため、すぐに判明した。表情を険しくさせ、逃がしてたまるかと言わんばかりに空いている左手を突き出す。すると、今まで発動しっぱなしだった風の属性変化術が、グラッサに向かって牙を剥く。


左手の動きにあわせて飛来する複数の鎌鼬。それらがグラッサの体に叩き込まれるよりも、転移が行われる方が僅かに早かった。多量の魔力の輝きと共に、一瞬で姿形が消えてしまい、アンネルは苛立たしげに舌打ちを放つ。


「ち、逃がしたか……めんどくせぇな」


辺りを漂う魔力の残滓を見つめ、そう言い放った。


 ~~~~~


「くっ……!」


押されている。額から一筋の汗を流しながら、タクトは胸中呟いた。


「ーーーー!!」


もはや何を言っているのかわからない、黒騎士の異様な叫びを耳にして、タクトは表情を歪める。一体相手に何があったというのか、正気をなくしたとしか思えない様子に、ただ戸惑うばかり。しかも、それに従い十二の触手も激しさを増して襲い掛かって来る。


「でぇぇい!!」


気合いを入れ、天牙を発動させた状態の刀を横に振り切る。それによって、残り“最後“だった黒い魔力で作られた触手を二本同時に切り裂いた。


例え切り裂いたとしても、魔力を固めただけ故に即座に再生してしまうが、それにしても少々時間がかかる。ーーそして、今斬った触手をのぞけば、もう動かすことの出来る触手はない。その意味での最後なのだ。


タクトはその瞬間に、瞬歩を用いて黒騎士の懐に飛び込んだ。


「ーー!」


怒りの叫びだろうか、良くわからないまでも何となくというレベルで察しがついてしまい、しかしそのことに対して、何か感じる前に横へ一歩避けた。途端、先程まで居た場所に振り落ちて来る大上段の剣、そしてそれに続くようにして鳴り響く銃声。


離れた位置に立つマモルは、もはや狙撃といっても良いほどの的確な射撃で、黒騎士の頭部に弾丸をぶち当てた。無論、全身を隈なく鎧で覆っており、それは頭部も例外ではなく、ちゃんとヘイムに覆われている。そのため、実質的なダメージはないに等しいのだが、狙っているのはそのことではない。


「ーーっ!!」


頭部に受けた衝撃で、剣線の軌跡がぶれ、早さも鈍る。その隙にタクトは避けるという、即席ながらも息のあったコンビネーションで黒騎士と戦闘を行っていた。マモルの、もはや狙撃といっても過言ではないほどの精密な射撃があるからこそ、成り立つ戦法。しかしそれを、タクトは活かそうとはしなかった。


いや、出来なかった。


唇を噛み締め、彼は黒騎士に向かって切り掛かる。斜めから振り上げたその斬撃は、鎧を切り裂くに留まった。切り裂かれた鎧が、徐々に再生していくのを見ながら、彼は軌跡を返すようにして刀を振り下ろす。


その一太刀は、黒騎士がようやく引き戻したアニュラスによって防がれる。振るう、ということが能力発動の引き金となっているため、アニュラスに触れた途端斬られる、ということはない。そのままタクトは鍔ぜり合いに持ち込み、黒騎士との距離を密着するまで縮めた。


ここまで密着すれば、触手を扱うことは出来なくなってしまう。離れた位置にいるマモルが、タクトの所業を見て息を飲んだが、それを意識せずに彼は黒騎士の耳元で囁いた。


「もう諦めて下さい、あなた方の負けです!」


「……ガキ、ガ、オモイ、アガル、ナ」


「っ!?」


降参を促す彼の囁きに、返ってきたのは途切れ途切れの不気味な声。喉もいかれてしまったのだろうか、その声はまるで壊れた機械を連想させ、タクトをゾッとさせた。


このままじゃ……!


「思い上がっていません! このままだと、あなたのほうが……っ!」


ギリギリと、証と剣の接着点から圧しかかって来る重圧に耐えようと、刀の峰に手を当てて必死に踏ん張るタクト。元々小柄な彼の体格では、ダークネスの影響を受けている成人男性の膂力を受け止め続けることは困難である。表情を歪めながらも、黒騎士を止めるために彼は叫んだ。


黒騎士を、”救う”ために。


「早く、その剣から手を離して! そうしないと、あなたの体が持たない!」


ーーそう、忠告した。


それは、魔力感知に長けているから、気づけたことである。タクトは霊印流という、純粋魔力をそのまま用いた剣術を使っている。そのため、彼の魔力操作や魔力感知は軒並み高く、霊印流の中で最も発動が困難とされている自然魔力を使う天牙を、歴代最年少で使用することが出来たのだ。


そんな彼だから、黒騎士の異常ーー特に、体と、”魔力炉”に起こっている異常に気がついたのだ。


そのことに気づいたのは、他にコルダがいるが、彼女の場合理の恩恵故であり、真の実力で見抜いたのは彼だけである。


「このままだと、あなたは死んでしまう……! 自分の剣に……アニュラス……ううん、”ダークネス”に取り殺される!」


「…ダ、マレ……ガキ、ガ……!」


「うっ! く……そぉ…!」


必死の叫びも虚しく、返ってきたのはさらに重量を増して圧しかかる剣圧に、タクトの刀が少しずつ押し込まれはじめた。以前ギリが黒騎士と力比べを見たときは、膂力は同等だと思っていたが、それは間違いだったと思わせるほどのそれに、表情を険しくさせる。


気を抜けば今にも押し切られ、相手の異様なまでに増加した膂力に吹き飛ばされてしまいそうになるが、タクトは必死になって耐えていた。もし吹き飛ばされると、再び十二の触手をくぐり抜けなければならなくなる。そしてもはや、そんな余裕は失われていた。


「くっ……!」


後どのくらい持つ? 彼が確認したのは、己の疲労度ではなく、相手の、黒騎士の魔力炉。意識を集中させて確認すると、もう後がないことがわかってしまう。


魔力を生成する魔力炉。その原動力となっているのは、本人の生命力なのだ。そのため、精霊使いは自身の生命力が弱まれば、無意識のうちに生命維持をしようと魔力の生成量を抑える一面も持っている。しかしそれを、”意識して魔力の生成量を増やす”とどうなるだろうか。


無論、生命力を無駄に浪費してしまう。今黒騎士の体に起こっているのは、その現象に近しい物だった。


ーー唯一違うのは。


「ーーーーっ!!」


「くっ!?」


それを”無意識”の内に行っているということと、生み出した過剰魔力を全て身体能力の上昇に回しているということ。異様なまでの膂力は、これの産物なのだ。


さらに圧しかかって来る剣圧が増大し、タクトは膝を尽かされそうになる。いつの間にか、天牙が発動していた事を表す、刀に纏っていた光も消え失せていた。


このままじゃ……っ! 表情を苦しそうに歪め、片膝が地面に付きそうなほどに体勢を崩される中、黒騎士の狂ったような叫び声が木霊する。


「死ネ、死ネェェェェ!!」


「だめ……だっ! 手を、離して……くれっ!」


過剰生成された魔力によって増大した筋力に押し込んでいるが、その行いが自身の筋力の疲労度を急激に増していることに気付いていないのだろうか。おまけに魔力の過剰生成によって己の生命力もどんどんと削られていく。


体の疲労と生命力の低下ーーこれら二つが重なれば、いくら常人よりも頑丈な精霊使いとは言え、命を落としかねない。そんなことをさせないために、タクトは今叫んでいるのだ。


敵であったーーしかも、彼自身の命を奪おうとしたのは、一度や二度ではない。そんな人物を、彼は助けようとしている。


それが彼の強さでもあり、同時に弱さでもある。要は甘いのだ、彼は。


「くぅ……!!」


本来外魔者として認定を受けてしまった黒騎士に、そんなことをしても意味がない。どのみち、彼等は拘束されたとしても十三階段行きーーつまり絞首刑が確定していて、例え学園在学中の精霊使いだとしても”殺人”が認められている唯一の例外。


先ほどのマモルとの連携を真に生かすならば、わざわざ接近しなくても、天牙を纏った刀で一太刀の元に切り捨てれば良い。黒騎士とタクトの剣の腕の差は、それが可能なほどに離れているのだから。


それをせずに、彼が助けようとするのはーー


「………っ!!」


「っ……っちぃ!」


ギリッと歯を食いしばって、黒騎士の剣圧に耐えるタクト。しかし、もう完全に片膝を突かされ、黒騎士の上体は彼を覆い被さろうとしていた。とうとう見かねたマモルが、黒騎士のヘイムに一発放って気をそらそうとする。しかしその寸前で、当のタクトが叫びを上げ、彼をその場にとどめた。


「やめろっ!!」


「っ!? って言っても、お前………クソっ!」


驚いた表情で留まったマモルだが、しかしすぐさま彼の制止よりも、彼の命のほうが危ないと即座に判断し、悪態をつきながら彼の制止を振り切って銃口を黒騎士に突きつける。それを見たタクトが目を見開き、再度の制止を呼びかけようとして。


「っ!? やめーー」


「ーー甘いんだよ、バカクト」


ーーその途中で、知っている人物ーーセイヤの声が響いた。彼は突然風のように現れ、そして風のように視界から消え去った。


何かが猛スピードで突っ切ってったときに感じる突風に気がついたときには、もう黒騎士の背後にいた。一体、いつの間にこの洞窟内の広場にやってきたというのだろうか。いや、それよりもーー。


何故彼が、ここに?


ほのかな疑問を抱いたとき、突如黒騎士の両腕が吹っ飛んだ。アニュラスと、それを握っていた腕がこの広場の入り口あたりまでくるくる回りつつ飛ばされる。


「なっ……?」


それに驚き、次の瞬間、肘の先からなくなった腕から、赤い血が鮮血のように噴き出し、持ち前の反射神経でそれを避ける。しかし、気を取られていたせいか、反応が僅かに遅れ私服に僅かな血痕が飛び散る。


次いで腹。胸。肩。喉。頭。堅い魔力の鎧で覆われていたはずのそこらから、血が鮮血のように吹き上がり、タクトとマモルーー離れた門の近くにいるレナやコルダさえも、驚愕に見回せた。


「……何で、だよ? セイヤさん……?」


わななく唇から、マモルの擦れ声が漏れ出した。血痕が体にこびついたタクトは、目を大きく見開いたまま、膝を落としてしまう。カラン、と証の刀も手から滑り落ち、淡い光を放ちながら宙に消えていく。


「何でもクソもねぇだろ。相手は外魔者、殺して良い……いや、”殺さなきゃいけない”奴らなんだ」


ヒュン、とセイヤは己の証である長剣を一振りして血糊を振り落とす。その刀身が仄かに光を帯びているため、天牙を用いて黒騎士を斬ったというのはすぐにうなずけることである。だが、タクトはそんなことには目が行っていなかった。ーー彼の表情は、恐怖に歪んでいた。


怖い。黒騎士に斬られかけたことではなく、今のセイヤの言動が。


人を殺すのを、何でもないようにさらりと言ってのける彼が。そしてそれを、いとも簡単に正当化してしまえる彼が。とてもとても、恐ろしい物に見えた。


「奴らは外魔者、殺さなきゃ行けない奴らなんだ。……妙な情けはかけるな、バカクト」


「…………」


口調は静かなのに、その中に妙な威圧感を感じ取ってしまい、タクトは震えて縮こまる。知らず知らずのうちにギュッと拳を握りしめて一人思う。


ーーセイヤ兄……ここ数年で、一体何があったんだよ……っ!!


数年ぶりに会った彼は、まるで別人のように豹変していた。




震えて黙りこくってしまったタクトを見やり、セイヤは肩をすくめた。まぁ、こうなることはわかっていた。彼は好きこのんで人を殺すようなヤツではないし、むしろ救おうとするタイプである。


そういうヤツには、刺激が強すぎたな、と反省しつつ、セイヤは黒騎士ーーもう鎧は全て消え去り、中の青年なのか中年なのかわからない人物に目をやった。顔も斬ってしまったために判断しにくいが、こいつがエンプリッターの一人、ルージルなのであろう。無論、急所を8ヵ所も斬りつけてあるため、確かめるまでもなく即死である。


「……そういえば、剣があったな」


視線を死んでしまったヤツから目を離し、アニュラスが飛んでいった方向へと目を向けてーー眉根を寄せた。そこにあったのは、大の字で倒れているルージル某の両腕”だけ”しかなかったのだから。そのため、つい呟いてしまったのも仕方のない事であった。


「……アニュラスは、どこ行ったんだ?」



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