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精霊の担い手  作者: 天剣
1年時
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第4話 部屋に集いしトリオ

風邪って怖いですね……


そのせいで題名書き忘れました…(訂正しました)


では、第4話、始まります。

精霊というのは、半生半霊体である。つまり、半分は実体を持ちもう半分はエネルギー体である。そのエネルギーが魔力である。

そして、そのエネルギーである魔力は使うことにより何かを生み出すことが可能になのだ。ならば、その魔力で”足りないもう半分”の実体を生み出せばどうなるか。

それは今、タクトの肩に止まっている精霊を見ればわかるだろう。

精霊の実体化、精霊召喚ーー精霊使いフェルリットが扱う術の一つでもある。

肩に止まったコウをそのままに、タクトは着々と部屋の整理をしていた。なにせ、これから学園を卒業するまでの間お世話になる部屋だ。それなりに扱いやすくしたい。


「…よし、これできれいになった…と。それにしても、狭いな」

「あたしの部屋もこんな感じだったよ?」


手をパンパンとたたきながらそう言うタクトの後ろで、聞き慣れた声がした。

振り返ってみると、そこにはベットに腰掛けながらこちらを見上げているレナがいる。

…おかしい、扉が開いた音はしなかった。

確認のために扉の方に目を向け、そして再びレナに目線を合わせる。一度目をしばたき、ため息をついた。


「レナ、どうやって入ったのさ?」

「さあ~、どうやったんでしょう?」


疑問を疑問で返すレナ。肩をすくめる彼女に、タクトの肩にいるコウがしんみりと言い放った。


「術を使っただろう、お前」

「………」


わかりやすいまでの反応を見せてくれた。つまり、黙ったまま急にそっぽを向いたのだ。

呆れたようにため息などをついて見せ、次には何かに気づいたように二人に話しかけた。


「…なんで術を使ったのか聞きたいところではあるが、二人とも」

「な、何?」

「どうしたのさ?」


コウの言葉にレナとタクトが返事をする。コウはタクトの肩からパッと飛び、そのままベットの上、つまりレナの隣にある何かをサッと口端にくわえた。

そのままバサバサと翼を動かしながら二人が見える位置で滞空する。


「これ、どうするのだ?」


コウがくわえたそれ。それはなんと。


「あっ」


それを見て、レナは指差しながら小さく叫んだ。タクトはうんうん頷いて、


「うん、それな。早く持ち主が来ないかな」


などと迷惑そうに言っていた。口調からそのようなことを感じ取ったのか、レナはタクトの服の裾を引っ張り、さすがにヒドイと注意しようとする。

その時ーー


いきなり、部屋の扉が蹴り破られた。


それは、少なくとも顔の知らないーーいや、たとえ知っていてもやっていいことではない。

しかも、その開けられ方はかなり勢いよく開けられたようで、扉が微かに軋みをあげた。思わず、壊れてないか心配になったほどだ。

それはともかく、いきなりの乱入者はめちゃくちゃ不機嫌そうだった。無言でタクトの部屋に侵入、途中でコウがくわえているそれを見て、不機嫌な顔をひどくさせる。

口の端に引きつった笑みを浮かべ、乱入者ーーマモルはタクトに問いかける。


「やっぱしお前か…俺の部屋の鍵とったのは」


もはや問いかけではなく、断定した口調だった。

コウが今くわえている物、それはマモルの部屋の鍵だった。

彼の口調に、流石に危機感を感じ、タクトは口を開く。


「い、いや、ほら、マモル廊下ですれ違った時、沈んだ表情してただろ?なんかいやな予感がしてさ、そうなる前に鍵を僕が預かっとこうかな~って」


若干こめかみをピクピクさせ、マモルは言った。


「ほうほう、そのいやな予感とは?」

「鍵をなくすとか、落とすとか……」

「お前、俺を馬鹿にしてるだろ」


即答で言いつつ、どこから出したのか、ゴツイ銃をタクトの額に突きつけた。顔を青くし、タクトは降参の証として両手を挙げた。

顔を見事に引きつられているタクトに向かって、マモルはにっこりと笑った。


「で、本音は?」

「……悪戯心が沸いたからです」


答えた瞬間、銃のプリップ部分で頭をガンッとたたかれた。

頭に激痛が走り、タクトは手で押さえつつその場にしゃがみ込む。


「っ~~~…背縮む…」


などと小さく漏らし、マモルとコウはふうっとため息をつく。

ことの成り行きを見守っていたレナは、はははっと苦笑いを浮かべ、さっと立ち上がる。


「じゃ、あたしも戻るね」


そう言うと、彼女は小さくぶつぶつと何かを言い始め、足下に魔方陣が展開される。魔方陣からあふれ出る光が彼女を覆う。一度点滅すると、パッと光がはじけ飛んだ。

そこにはもう、レナの姿はなかった。

一連の動作を見ていたマモルは、えっと言う顔をする。


「…あいつ、なんで転移使ってんの?」

「部屋を見られたくないのではないか?」


コウの言葉を聞いて、マモルは理解した表情となる。

昔彼女は言っていた。ーー乙女の部屋は、秘密である、と。

痛みで悶絶しているタクトを尻目に、マモルはコウに片手をあげる。


「じゃあ俺も部屋に戻るわ。お休み」

「ああ、お休み」


そう言って、コウはマモルに鍵を渡し、彼が出て行くのを見送った。

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