第3話 寝床へ 2
やっと終わったよ、第3話…。
最後の方で、コウがやっちゃいます。(笑
「やっぱしここだ」
部屋割り表が貼られた大広間に到着するなり、タクトは表を指さしてレナに話しかけた。
レナは軽く息をはきながら頷き、
「やっと着いたよ。…マモル、大丈夫かな?」
後ろを振り返りながら、もう一人の親友の事を口に出した。ーー口に出した途端、急に見捨てたような気がして、良心がチクッと痛んだ。
その言葉を聞いて、タクトは腕を組んでうーんっと唸る。
「……多分、明日がきついだけだと思うよ?」
呟いたその言葉にレナは首をかしげ、タクトを突っついた。
「それ、どういう事?」
「筋肉痛…かな?」
軽く笑いながら肩を竦め、タクトはそう言った。それを聞いて、レナにもようやく合点がいった。確かに、明日はきつそうだ。ーー肉体的にも、そして彼は言わなかったが、精神的にも。
「自業自得でしょ」
「それはいくらなんでもひどいよ」
タクトの言葉にそう言いつつも、レナ自身が笑っているのであまり説得力がない。
(…レナ。説得力がないよ)
彼女が宿す精霊にまで咎められる。徐々に笑いを収めつつ、
(そうだね、ごめん)
そう頭の中で呟いた。
隣でタクトがふうーっと息をはき出し、壁に貼られている部屋割り表に足を向けた。
歩き出した彼の後ろ姿を見て、レナは微笑んだ。彼女はタクトに追いつこうと歩き出し、セミロングの髪を揺らしながら歩く彼の背中を見続けた。
~~~~~
表にはたくさんの名前が書かれていた。ーー当然である。異世界は、無数にあるのだから。
ともあれ、これだけの量の名前があるのだから、人が大勢いてもおかしくはないーー二人はそう思っていた。だが、さっき迷ったおかげでピーク時は過ぎてしまったらしく、人影はあまりいなかった。
二人ともそのことにはマモルに感謝しつつ、歩くスピードは同じなので、先に歩き出したタクトがレナより先に部屋割り表を見ることになる。後から追いついたレナも、表に目をやりながら話しかける。
「タクト、見つかった?」
「いや、まだーーあった」
見つけていないと言おうとしたが、それよりも早く見つけることができた。
レナがどこと聞いてきたので、指さして見せた。隣に書かれた番号を見て、声に出して読んでみる。
「えーっと、1622号室…だって。レナは?」
「あたしはねぇ…1627号室。あ、近いんだ」
タクトの方を向いてニッコリと笑いつつ、彼女は嬉しそうにそう言った。その笑みにつられてタクトも微笑み、ついでとばかりに呟いた。
「マモルの部屋も見つけとくか」
「マモルの部屋?それならさっき……」
そう言いながら、レナは表に書かれた名前を追いながら確認していく。それはタクトも同じであった。
どんどん読み進めていくうちに、ホントにいろんな名前があるなと、いらん事を考えていた。
(タクト。真面目に探せ)
しまいにはコウにまで怒られる。はいはい、と頷きながら再度探し始めーー。
「見つけたよ-」
レナの方が先に見つけた。
「どこ?」
「ほらあそこ。えっとー、1623号室。タクトの隣?」
「向かいかもね」
レナの質問にタクトはそう言って、踵を返す。いきなり後ろを向いたことに驚き、レナも慌てて振り返った。
「ちょ、どこ行くの?」
「部屋。疲れたからね、場所もわかったし」
「…鍵、もらわないの?」
「……もらいます」
あっさりと振り返り、鍵をもらうためタクトは歩き出した。それを見て、レナが一言。
「おっちょこちょいだね」
「…」
返す言葉もなく、タクトはため息をついて答えた。
~~~~~
宿舎は外にあるためタクト達は一度校外へと出た。途中、すごくげんなりした様子のマモルとすれ違い、その時に声をかけたが、ただ虚ろな表情で首を振っただけだった。
それはともかく、二人は宿舎に来ていたのだが、その宿舎。とてつもないほど大きく、高級ホテルもかくやと言うほどであった。そのためタクトとレナは宿舎を見上げ、唖然としていた。
「すごいね、ここ」
レナにそう呼びかけたが、反応はなく、未だ呆然と見上げるだけだった。
「おーーい」
再度呼びかけ、レナの目の前に向き直り手を振ると、やっと彼女が反応した。
「…え、何…って!」
いつの間にか二人の顔が近くにあることに気づき、急にレナは顔を赤くして一方後ろに下がった。その様子を見たタクトは首をかしげる。
「? どうしたの?」
「な、何でもない!」
レナは顔を赤くしたまま両手をぶんぶん振って否定する。ーーその様子にただただ困惑の表情をうかべるタクトである。
「? まぁいいや。行こうか」
そう言ってその宿舎に入っていった。
二人の部屋があるのは六階であり、そこに行くのに魔力を動力にしたエレベーターを使った。ーー電気を使わないので、環境にとてつもなく良い。
そのエレベーターは音もなくスーッと上がり、お目当ての六階で止まった。
その後、レナと別れ、一人部屋に向かった。
「えっとー、1622号室は…」
通路にある番号を見ながら自身の部屋を探すタクト。ラッキーな事にすぐ近くにあった。
早速鍵を開けて中に入る。
「うあー…。せまっ」
それがその部屋の第一印象であった。
部屋の中には最低限の物しかなく、目立つ物は衣装ケースとベット、椅子と机が一組。それだけであった。
最も、フェルアント学園の生徒数は軽く千人を超えるため、一人一人に個室が与えられるだけまだマシだろう。
タクトはそう思い、一つ頷く。その後、紋章が描かれた左手を開き。
「もう良いよ、コウ」
そう言うなり、彼の手のひらに描かれた紋章と同じ物ーーこちらの方が大きいがーーが現れる。
それは円形の形をしており、見る人が見ればこう言うだろうーー魔方陣と。
魔方陣が白く光なり、陣から一匹の赤い小鳥が現れる。完全に現れると、小鳥は翼を広げそのまま飛翔、タクトの肩に止まる。
「ふむ、やはり自由に動けるのは素晴らしいな」
「…流石鳥。縛られるのは嫌いなんだ?」
「当たり前だ」
赤い小鳥ーーコウは、首を回しながらそう答えた。
どうでした?
コウの意外な正体。…どうでも良いか(オイ
本音を言えば…戦闘シーンはまだか!!