第10話 一時の休息~4~
フェルアント本部にあるマスターリットの宿舎。本来隠され、部外者は立ち入れない使用になっているそこで、桐生セイヤはソファーに座りこみ、不機嫌そうにふんぞり返っていた。
「……セイヤ、あんたまだ怒ってるのかい?」
「………」
そんな彼を見て、やれやれとばかりに首を振る赤毛の女性リーゼルド。すらりとした足を組み、彼と対面の席に座る彼女は無言を貫くその態度に呆れ、
「あんた子供じゃないんだから、黙るのは止めなさい」
「……そういうあんたは俺のお袋かっての」
「失礼ね。私はまだ若いのよ」
「みそじまーー」
セイヤが言いかけた言葉を、リーゼルドが浮かべた良い笑顔がかき消した。ーー何故か彼女の背中に、般若が見える。それに気づいた彼は、まるで生まれたての子鹿のようにぶるぶる震えて視線を逸らす。
「何か言った?」
「み……味噌ラーメンが食いたいな、と。……それだけだ」
「そ。なら良い」
とてつもないほど良い笑顔を浮かべる彼女に対して、背筋が凍る思いをした彼は適当なことを口走った。それに対して彼女は納得したように頷いて、同時に放出されていた殺気がなくなる。
ーーまぁ、確かに失礼だったよな。妙齢の女性の歳を口にするのは。
苛立ちもあったとは言え、女性の怒りのスイッチに手を触れかけたのだ。内心頷きつつ、ふぅ、とばれないようにため息をつき、セイヤはいつの間にかやってきていた隊長へ視線を向けた。
「……で。あんたは何しにそこへ?」
「いや、仲が良いなと思ってさ、お前ら」
薄い緑の短髪に、精悍な顔立ちの男、アンネル・グラッサは、先程のセイヤとリーゼルドのやりとりを見ながら顎に手を当ててそう呟く。その口元が微かに緩んでいるところから、冗談なのだろうが、セイヤはついセイヤはげんなりとしてしまう。
「あら、私達そう見えるの? 良かったわね、セイヤ」
にやりと、妖艶な流し目をセイヤに向けながら微笑むリーゼルド。恋愛ごとに関わる話に関しては、彼女の食いつきようは凄まじい。元々そういった話には鋭く興味を示す女子は多いが、彼女はその中でもとびきりだと思う。ーーましてや、冗談だとわかっているのに乗ってくるのだから、質が悪い。
はぁ、と再びため息をついてセイヤは意図的に顔を近づけてきたリーゼルドの額を押しやり、距離を作る。内心の苛立ちも相まって、自然と口調に棘が含まれる。
「あんたとそういう関係に見られることは、誠に遺憾です」
「……それ、どういう意味よ?」
「一応彼女いるんでね、俺も」
「あら、何人?」
「………なんで誰じゃないんだよ?」
「あ、今少し考えた! やっぱしセイヤも男の子なのねぇ~」
ほほほ、と上機嫌に高笑いをするリーゼルドに、頭を抱えるセイヤ。本当に、恋愛ごとになると女性のテンションは何故こうも高くなるのだろうか。ーーちなみに、その件についてはノーコメントである。
「……マジ?」
「さぁ? それよりアンネル。俺の質問にいい加減答えてくれ」
鳩が豆鉄砲を喰らったような表情を浮かべるアンネルの問いかけを軽く流し、セイヤはさっさと本題に入る。トレイドの捕獲の命が下り、彼を追いかけた後に魔物に囲まれてしまった一件から翌日。
何故確証もないトレイドの言葉ーー必ず事情を説明するから、今は見逃してくれという、言葉をを信じ、素直に引いたその理由を問いただすのが彼の本題である。
トレイドの言葉は、もはや自首宣言にも等しい。ーーだが、それはトレイドにとって何のメリットもない。それどころか、その約束を反故にしてしまえば、再び逃げ続けることが出来るようになる。アンネルもそのことには気づいているだろう。なのに、彼はトレイドの言葉を信じた。その理由を、セイヤはどうしても知りたかったのだ。
だが、アンネルから返ってきた言葉はーー逆に問いかけであった。
「……お前よぉ、何でそんなにトレイドのことを目の敵にしてるんだ?」
「………」
言われ、セイヤはしばし沈黙し、うん、と自ら首を傾げた。確かに言われてみれば、何故こうもトレイドのことを一方的に反目しているのだろうか。自分自身のことがわからず、顔をしかめて首を傾げた彼を見て、そのことを悟ったのかアンネルは微妙な表情を浮かべた。
「……お前がそこまで拘るから、なんか特別な理由でもあるのかと思ったが……ないのか?」
「……ない。いや、何でだろう?」
答え、首を捻り頭をかきむしるセイヤを見て、リーゼルドがふむと一つ頷いて、ぽつりと呟いた。
「あんた……あれかい? もしかして、妬いてんのかい?」
『……は?』
ぽつりと呟いたその一言に、男二人はそろって素っ頓狂な声を上げる。妬いているーー嫉妬。誰が、誰に?
アンネルとセイヤの素っ頓狂な声は、それを言葉にせずに表したものであった。男どもの反応に、わかっていないということがはっきりとわかったため、リーゼルドははぁっと大きくため息をつく。
下ろしている長い髪をかき上げ、びしっとセイヤを指さした。自身に向けられた細く長い指を見て、セイヤはやや頬が微妙に引きつる、何とも言えない表情を浮かべた。ーー嫌な予感がしたのだろうか。
「だから。こいつが、トレイドに、妬いているんじゃないのかい、って」
わかりやすく、なおかつ言葉を句切り、彼らが理解できる十分な時間を与えた。ーー数秒後、
「………は?」
「……何でそうなる?」
セイヤとアンネルから、何言っているんだこいつ、的な目で見られるリーゼルド。しかし彼女は、その視線をものともせずに、
「だってあのタクトって子。トレイドにかなり懐いてたわよ?」
「……それが?」
「ああ、もう、鈍い。それが気に入らなかったんじゃないの!? あの子、あんたじゃなくてトレイドの方を兄貴分、って感じで見てたわよ?」
苛立ちを隠そうともせず、表情をやや歪めながらはっきりと言うリーゼルド。彼女の言葉を聞いて、アンネルは昨夜のことを思い出し、やや首を傾げたがやがて頷いて見せた。
「……まぁ、確かにそんな風に見れないことはなかったが……お前、あの状況で良く見てるな」
後半は少しだけ棘のある言い方であり、それにリーゼルドはふんと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
「人を見るのは基本中の基本!」
「そ、そうかい……」
彼女の言い分に、アンネルは苦笑を浮かべて適当に相づちを打った。ーー確かに基本中の基本ではあるが、そこまでは見ねぇよ、と内心で独りごちる。
(……こいつの恋人、浮気したらすぐにばれると思わないか?)
「………」
「……セイヤ?」
苦笑を浮かべつつ、彼女がそっぽを向いているうちにセイヤに耳打ちし。しかし当の本人からは何の反応もなかった。浮かべていた苦笑が消えていき、代わりにまさかと言わんばかりの表情を浮かべて、アンネルは彼の肩を叩きつつ問いかける。
「………」
彼は顎に手をやり、リーゼルドに言われたことを考えている様子である。
ーー兄貴分を取られたから嫉妬。あまりにもあれすぎる理由だが、それほどタクトのことを大事にしている証拠だと言えなくもない。セイヤとしては頷きたくはないが、認めるほかなかった。タクトがトレイドに向ける視線は、彼女に言われたとおり確かに兄貴分を見るような、言わば憧れが交じっていた。
本能的にそれを感じ取ったセイヤは、心のどこかで思ったのだろう。ーー面白くない、と。だからこそ、トレイドに対してあまりいい顔をしていないのだろう。
「………」
そのことを自覚した彼は渋い顔つきでため息をつき、ソファに座ったまま俯いてしまった。声には出さずに内心で、俺はバカか、と思っていたのであった。
セイヤの纏う空気が尋常ではないほど重く、そして沈んだものになってきたのを感じ取ったアンネルは、やや表情を引きつらせて、
「……まぁ、なんだ? そういえば、何でトレイドをすんなりと見逃したのか、って聞きたかったよな?」
「………」
セイヤは無言。だがかまわず、空気を変えるためにアンネルはその話題を持ち上げる。
「あれは、まぁ……トレイドの人となりを見て、だな」
「……というと?」
無言タイムに入ってしまったのだろう、相変わらず俯いたまま話を聞いている様子がないセイヤと、それに向かって話しかけるアンネルという構図を見たリーゼルドは、それのやばさを感じたのだろう。
また、無言タイムに入った元凶でもあるということを認識しているためか、空気を変えようと必死になるアンネルに追従し、先を促した。
「いや、あいつ……話した感じ、天然だろ? それもド天然」
「うん、確かにド天然だったわね。でも、それが……?」
「それともう一つ。何であいつがタクト君を連れてるのかって聞いたとき、『巻きこんだから』って言ってただろ?」
アンネルとリーゼルドの会話がようやく耳に入ったのか、それとも会話に出てきたタクトという単語に反応したのか、セイヤはおもむろに顔を上げるも、二人はそれに気づかない。
「最初は義理堅いのかって思ったが、それだけじゃない。あいつは不器用なんだ」
「不器用、ねぇ……」
「天然で義理堅くて、不器用……そんな奴が、約束を違えると思うか?」
「ないわね」
きっぱりと、そして即答で言ってのけるリーゼルド。あまりにもきっぱりとしすぎていて、セイヤでさえ軽く苦笑を漏らしたが、彼も内心では同意であった。アンネルの言うとおり、そんな奴が約束を守らないはずがない。守らないときも、何かしらの理由があるときと相場が決まっている。
だが、それと同時に思うことがあった。それはーー
(……あんたら……良く人のこと見てるな。……てか、人間観察できてないのって、もしかして俺だけ!?)
タクトとトレイドの様子や人となりをすんなりと言い当てた二人に対して、称賛とともに呆れ混じりに息を吐いた。だが直後、自分だけが取り残されていることに気づき、内心複雑な思いを抱く。
再び、ガクッと項垂れるセイヤ。容易には納得できないその複雑な思いに掛けられ、脱力したセイヤに気づき、アンネルとリーゼルドは彼に視線を向けた。
その視線に気づかず、一人ため息を漏らすセイヤを見て、アンネルはコホンと軽く咳払いをし、真剣な表情を浮かべた。
「……まぁ、それは置いといて、だ。……セイヤ」
「はい?」
名を呼ばれ、どこか気の抜けた顔つきだったセイヤは目の前で真剣な表情をしているアンネルを見やり、彼も表情を改める。そしてアンネルは、どこか言いづらそうに口ごもった後、
「結構前から思ってたんだが……お前、マスターリット……向いていないんじゃないのか?」
「………」
ーー彼が言った言葉によって、辺りの空気が先程とは別の意味で下がった。
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「悪いレナ、もう一度頼む」
『だ、だから……タクトがいないの。トレイドさんと一緒にどこかへ行ったみたいで……』
展開した法陣の上に作られた、レナの姿をした虚像の言葉にマモルは沈黙。おろおろと、言いづらそうに口を開いた彼女を見やり、深いため息をついた。それは隣にいるアイギットも同様であった。金髪の頭を抱えて、呻くように、
「……一体、何が起こったんだ?」
「何って、タクトがいなくなったんじゃないの?」
「それじゃなくてだな……」
彼の対面の席に座る褐色の肌を持つ少女コルダが、ぽかんとした表情を浮かべて問い返し、アイギットは気の抜けた返事を返すしか出来なかった。二人のやりとりを見たマモルと、レナの姿を投影した像が苦笑する。
今彼らがいる場所は、フェルアント学園の生徒会室。本日は学園の休校日であるが、やることもなく、またレナがタクトの様子を見るために一時的に戻っているため、その報告を聞くためにここを解放したのである。また、ここならば、他人に聞かれたくない話をすることが出来る。
『二日ぐらい前に、いきなり桐生家にトレイドさんがやってきて、タクトと一緒に転移したみたいなの。行き先はわからないけど、彼に付いていけば、もしかしたらダークネスを取り除く方法がわかるかも知れないって、アキラさんが言ってた』
「なるほど。……そうか、まだアレはタクトの中にあるんだもんな……」
少々早口でまくし立てるレナの報告を聞きつつ、マモルは当時のことを思い出しながら納得していた。あの日、タクトはダークネスに飲み込まれ、それを助けようとした際に元凶であるダークネスを取り出そうとしても、取り出せなかった。
そんなことは初めてだったのだろう、取り出そうとしたトレイドも驚いた表情を浮かべていたが、幸いその時はタクトが必死に押さえていたようなのでダークネスは十分に力を発揮することが出来ず、戦闘不能に追い込むことで事なきを得た。
そこでふと、アイギットは思った。あのときは色々とゴタゴタしていたため忘れてしまっていたが、タクトの中にあるダークネスは、一体どうなったのだろうか、と。そのことを他の三人に問いかけると、マモルとレナが難しい表情を浮かべ、
「そりゃ……タクトの中からは消えていないんじゃないのか? トレイドさん、あいつの中にまだあるってわかってたみたいだし」
『そうだよね。ダークネスを思いっきり叩いて力を弱まらせただけで、完全になくなったわけじゃない。……いっそ叩いて壊れれば良かったのに』
ーー物騒なことを言いなさる。マモルとアイギットは、久しぶりに炸裂したレナの毒舌に、顔を見合わせて苦笑する。だが彼らも、その言葉には賛成であった。
ダークネスなどなくなればーーいや、その前に、どうやってアレが生まれたのだろうか。
マモルとアイギット、二人が同時に浮かんだ思考。それを口にする前に、勢いよく手を上げたコルダの言葉が生徒会室に響いた。
「はい質問! さっきから話しているトレイドさんって、誰?」
「誰っておま……あぁそっか、あのときお前はいなかったもんな」
話の腰を折る彼女の問いについ苦言を漏らすも、あの場に彼女がいなかったことを思い出し、面倒だなと思いつつもマモルはトレイドについて語り出した。
「トレイドってのは、だいたい二十歳ぐらいの背が高い黒髪のお兄さんだ」
「マモル、それだけでは多分わからないぞ。というよりも、何故そのことなんだ」
ーー語り出す、という言葉を訂正しよう。何故かマモルは彼の容姿をかなり大まかに言ってのけ、それにアイギットは首を振りながら突っ込んだ。ふぅっとため息をつくアイギットをよそに、なにやら考え込んでいる様子のコルダはぽんっと手を合わせると、
「黒髪で背が高い人って、最近会ったと思ったらもしかしてあの人? 切れ長の黒目で、前髪が長めの女子受けしそうなお兄さん」
『うんそう……って、何でコルダ知ってるの!?』
頷き、すぐに彼女に問い返すレナ。彼女はトレイドには会っていないはずなのだが、一体どうして彼の容姿を知っているのか。驚きの視線を向ける三人を見て、きょとんとするコルダだが、すぐににっこりとした笑みを浮かべると、
「だってあったもん。三日ぐらい前に、どこかの牢屋の前で」
「………」
あっけからんと言い放った。その、何でもないようにしていった言葉は、生徒会にいた面々を悉く黙らせーー
「えーーっ!!?」
ーー一同の叫びが、生徒会室に響き渡った。
「ちょ、ちょっと待て! それどういうことだよ! 牢屋の前っ!?」
「うん。牢屋の前。……あぁ、安心して。トレイド某さんとあったのは、牢屋の中じゃなくて、牢屋の前……外だから」
笑みを浮かべながら言うコルダだが、残念ながらその言葉には安心できる要素が全くなかった。牢の外、中と言ったことが問題ではなく、「牢」という単語が出てくる時点で、すでにアウトである。
そういうことじゃなくてだな~、と呻くマモルを尻目に、アイギットは頭を抱えながら問いかけた。
「……トレイドさん、牢にいたのか?」
「だから、牢屋の前!」
「……手錠は? ん~……掛かってなかったかな? でも、そういえばトレイド某さんの後ろにあった牢屋の中に、手錠があったような、なかったような……?」
ーーほぼトレイドさんじゃないか!? たった二つの問いかけで、アイギットは牢屋の主に目星が付いた。まぁ、元から決まっているようなものだったが。
がくーっと崩れ落ちるアイギットを不思議そうに見やるコルダ。マモルもレナも、ふぅっと深くため息をついていた。
「……まぁ、そのことは後で詳しく聞かせてもらう。……牢屋にいたって事は、トレイドさん捕まっていたのか?」
「捕まっていてもおかしくはないだろうしな。神器を不法に所持、隠匿していたんだし……いや、待てよ」
アイギットの呟きに、さも当然とばかりにマモルは言うが、すぐに表情をしかめて考え込む。何か引っかかっているのだろう、だがそれが何なのかはわからない、と言った様子。
「……神器って、まだ一般的には伏せられているんだよな?」
その、引っかかっているものをすくい上げるために、彼はおぼろげな記憶を探り、えさを垂らした。
『うん、そうだけど……あ、わかった! マモルが言いたいこと!』
ぽんと手を叩き、レナは笑みを浮かべながら、
『神器は一般的には知られてはいない。だから、”神器を不法所持していた”という理由で、トレイドさんを逮捕することは出来ないの。代わりに別件……ほら、学園の神霊祭の件で、引っ張って行かれたんだってさ』
ーーって、アキラさんが言ってたよ、とレナが付け足した一言は、マモルの耳には入ってこなかった。彼女の言葉は、まさしくマモルの中で引っかかっていたこと、そのものだったのだから。垂らしたえさに、大物が食いついたように感じ取れた。ーーしかも。
「そうだ、神器の不法所持では逮捕されない……必ず別件……別の理由で、トレイドさんを捕まえることになる。……しかもその別件が、神霊祭がらみ……ふ、ふふふ……」
にやりと口の端に悪そうな笑みを浮かべ、一人ほくそ笑むマモル。そんな彼を見て、レナとアイギットは互いに顔を見合わせ、ともに頬を引きつらせていた。
「……嫌な予感がひしひしとするのだが……」
『うん、私も……』
ふぅ、と重いため息をつく二人。マモルが一体何を言い出すのか、とても不安に思う二人である。まぁ仕方がない。彼が一人ほくそ笑んでいるときは、決まって何か良くないことを考えた証なのだから。ちなみにコルダは、生徒会室にあるテーブルに突っ伏して眠りに入ってしまった。
そのうち、ほくそ笑んでいたマモルがぐっと拳を握りしめを、一人声高に叫んだ。
「よしっ! 俺たちも、神霊祭の調査でトレイドさんの所へ行くとしようか!」
『……え?』
「なっ……」
マモルが叫んだその一言に、レナとアイギットは硬直しーー顔を見合わせた。
ーーいつもの決まって起こる良くないこと。それが、見事に外れたことを思いながら。