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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

姥捨山マークⅡ改百式

作者: ヒロモト
掲載日:2026/03/19

タタタタタタ。


タレット型マシンガンの発射音は意外と優しかった。

もっとドガガガ!チュドーン!ぐらいのを想像していた。

こんな優しい音で殺されるのってどんな気持ちなのかしら?


「◯◯さんやるね。本当に初めて?」


「ありがとうございます」


先輩が褒めてくれた。嬉しい。


ここは『ネオ姥捨山マークⅡ』。

ここに捨てられた老人達は山ごと燃やされる。

姥捨山には罠や地雷が仕掛けてあるので逃げようとしても無駄なのだが、たまにそれらを全て避け、下山してくる老人がいるので、私達はそれをタレットで撃つ。

日給5000円。


タカタカタカタカタカ……


老人達の頭や腹に鉛玉で穴を開けるのは気持ちがいい。

射撃は全く素人だが、数百発単位で連射していれば私でも当たる。


『クソ喰らえ!』


そう言って自分のクソまみれのオムツを私の口にねじ込んできた母を忘れない。


『ちねぇ!ちねぇ!』


幼児退行して太い腕で私の首を絞め、左目を失明するまで殴った義父を忘れない。


老人介護で苦しんだ私には最高のお小遣い稼ぎだ。


「◯◯さんって59才だよね?」


「はい」


「来年は姥捨山に捨てられるかもしれないのによく撃てるねぇ」


来年は私も姥捨山候補。でも知らない。

私。今を楽しむの。

1時間のアルバイト。タレット1000発撃ち、煙草を一箱カラにして5000円を手渡しで貰い、その足でスーパーで少しいいマグロを買って私は帰宅した。

ポストには『来年姥捨山に捨てられるかも知れない◯◯さんに重要なお知らせ』と白文字で書かれた真っ赤なハガキが届いていたがそれは捨てた。

姥捨山積み立て年金はちゃんと支払っているもの。


5年は候補から外れる……ハズよ。



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