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4-B.計画

気が付くと、知性のコロニーには夜の帳が下りていた。

リンが食事を勧めてくれた。もしもの時の後継者ということもあってか、コロニーで食べていたものと遜色ない栄養面に配慮されたものだった。

味気ないともいえるが。


「コロニーが支給してくれる食材を私が料理しているの」


テーブルの体面に座るリンがいう横でランドが何も言わずに食事を進めている。


僕は気になっていたことを切り出した。


「それでコロニーが暴走しているとわかったわけだけど、二人はこれからどうするつもりなんだ」


率直に言って、僕には目の前の二人に知性のコロニーがどうにかできると思えなかった。

家をある程度歩いた限り、強力な武装もテクノロジーもありそうにはなかった。


ふん、と顔を背けるランドの横でリンが申し訳なさそうに言った。


「私たち二人のDNA情報でマテニを再起動することができるの」

「そうなのか」


思ったより簡単な方法だった。


「だが、マテニも手をこまねいてたわけじゃない」


パトリオが口をはさんだ。


「もともとマテニの再起動は後継者2人のもつデバイスから可能だったが、己の弱点に気付いた奴が二人のデバイスからの通信を完全に遮断した」

「じゃあどうするのさ」

「だからやつの物理的な根城、知性のコロニーの心臓たるマザーサーバーに直接たどり着いて、直接情報を叩き込むしかない」

「そんなこと簡単だろう。マテニが壊れたというのなら、翌朝にも忍び込んでやればいい」


ランドがぶっきらぼうに言った。


「そんなわけない。僕は知性のコロニーから来た。マザーサーバーに行くのは至難の業だ。恐ろしいほどの量のロボットが警備していて、コロニーの構成員ですら近づくことができなかったんだぞ」

「カケルの言う通りだ。今の俺たちが知性のコロニーに入り込んでもすぐに奴に検知されて終わりだろうな」

「パトリオ、何か作戦があるのか」

「そもそもこんな悠長に何かを話し合っている暇さえないんだぜ。俺たちは今や完全にコロニーの敵だ。すぐにでも知性のコロニーが別の追っ手を差し向けてもおかしくない」


確かにそうだった。


「どうして知性のコロニーは何もしてこない」

「さあな。ネットワークによれば、今マテニはコロニーの構成員に向けて何かを話している。それに精一杯でこちらのことを一時忘れているようだが」

「悠長なのはどっちなんだが」


ランドがまぜっかえす様に返した。

パトリオが続けた。


「奴が本気になれば俺たちをハッキングして自由を奪うことは訳ない。構成員の心理状態を自由に操作できるわけだからな」

「それをどうにか防ぐことができなければ、僕たちはどのみち終わりってことか」

「そういうことだ」

「これだけ偉そうに語っておいて、なんもできんのか。人工知能というのも案外大したことはないな」

「俺たちのスペックはどれだけの計算資源を利用できるかにかかっている。マテニという圧倒的な主流派がいる現在、亜流の俺が使える資源は本当にわずかだ」

「じゃあ、その計算資源とやら手に入れればいいわけだ。それはどこにあるんだ」

「武装のコロニー、こことは別のコロニーだ」

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