3章 適性検査
そろそろ5の歳になる。この世界では5歳になると戦士専門学校、魔法使い専門学校など、役職によって様々な専門学校に通うことになる。その専門を決めるためにとある教会にて適正役職を決めることになる。これは「適性検査」と言われている。この時に自分の魔力や腕力、体力など自分の能力値を表す「ステータス」を得ることになる。大体は親の「ステータス」が子供に受け継がれるらしい。まぁ遺伝子と同じだな。
???「ルーシュ〜!おーい!」
遠くから俺を呼ぶ女の子の声が聞こえる。この子は幼馴染のクェン・エルバールだ。この子は裕福な家庭の子供で親も幹部の1人らしい。
ルーシュ「どうした?クェン。なにか慌ててる様子だけど」
クェン「どうした?って、、もうすぐで適性検査があるのよ!すごく楽しみでもうワクワクしちゃう!私はお父様みたいな凄腕の魔法使いになるからね!魔法使い専門学校に行くのは絶対なんだから!でも、不思議なのがルーシュのお父様って戦士よね。でもルーシュは魔法を扱うのが得意って」
ルーシュ「あぁ、いや、たまたまじゃないかな。もしかしたら戦士専門学校に行くかもしれないし、そうしたら父さんも喜ぶだろうけど、俺は魔法が好きだから熱中しててそしたら扱うのも得意になったから、魔法使い専門学校に行きたいけどね」
クェン「一緒の学校に行けるといいね!だって幼馴染だもん。離れ離れはちょっと寂しいからさ」
クェンは少し顔を赤ながらボソッと呟いた。最後の方はうまくは聞き取れなかったけど、確かに同じ学校に行けるならそっちの方が俺も嬉しい。知ってる顔がいるだけでも安心だし、クェンの家はかなり名がすごいからな。いじめられる心配はないはず。やっぱり学校は少し慣れないな。
そうして、クェンと楽しく過ごして数週間。適性検査の時が来た。親に連れられて少し古びた教会に向かう。教会は黒を基調とした珍しい教会だと感じるが、それでも古びた外見と比べて中はとても美しかった。観光地として売り出しても人気が出るほどだろうな。高い天井に窓ガラスは色とりどりに敷き詰められていた。この教会の神様だろうか、角の持った黒い体の姿だった。にしても美しい教会だった。教会を進んだ先の中心に大きい像が建っていた。この像は清掃はされているものの体がところどころ欠けており、首から上がなかった。昔聞いた話では遠い昔にこの街に魔族が攻めてきたそうだ。その際避難所であった教会も攻め入られたがその時、この像は民を守るために魔族に立ち向かい魔族の攻撃を受けてを首から上が飛んでしまい欠けてしまった。欠けた像は神様か、女神様にしか扱えない特別な魔法でしか直せないものなのだそうだ。そんな像を眺めていると
???「そろそろ始めますぞ。さぁ、1人ずつ前へ。適性検査です。」
初老の男性が俺たちに話しかける。神父なんだろうな。しかしこの人も黒を基調としている服を着ているんだな、変わった教会だ。そう考えながら説明を聞く
神父「1人ずつ、手を像の前にある魔法陣に手を当ててて、そしたらステータスが表示される。そこで一番能力が高い物で適正役職を決めることになる。さぁ、前へ」
どんどんと前に進んでいく。ワクワクする者や不安そうな表情の者。様々な感情が溢れかえっていた。クェンの番がきた。少し遠くから眺めているとクェンの喜ぶ声が聞こえた。あぁ魔法使いが適正だったんだな、よかった。そう安堵しながらクェンに近づこうとするも周りの子がクェンに寄って行った。「すごいね!」とか「流石だ!エルバール家の子だな」とか「将来有望だね!」なんて褒める言葉が広がる。クェンはこの街きっての人気者だ。優しい性格なのは勿論のこと、人当たりもいいし何よりすごい家だからな。
神父「次は君だ」
俺の番が来た。俺が魔法陣に手を当てる。
ピキッ!ピキピキ!
すごい音が教会に響くと、パリーンと大きな音を立てた。皆が俺をみる、何が起こったのかわからない状況だったからかみんなポカンとした顔をしていた。俺自身何が起こったのかよくわかっていない。神父の方を見ると驚愕と尊敬の眼差しを俺に向けて佇んでいた。
神父「あぁ、ようやく現れた。かの女神の力を引き継ぎし者。これは希望だ、希望の子だ。あぁ、大丈夫だ安心してくれ、魔法陣は直せるし君のステータスはしっかりと出ているよ。ほれ、これだ。」
そう神父が言うと俺の目の前にステータス表が現れた。
ルーシュ「魔力がSS 腕力がA 知能がA 体力がB 防御力C、、か。これなら魔法使いの学校に行けそうだな。よし!」
そう呟いているとみんなが駆け寄ってきた。
「すごい!」「一体どうやってそうなったの?!」「友達になろうぜ」なんて、尊敬の眼差しをみんなから向けられる。初めての感覚が慣れなくて俺はその場を後にした。
クェン「ちょっと待って!どこいくのー?」
教会の外にいくとクェンが追いかけてきた。
クェン「どうしたの?でも、すごいじゃない!一緒に魔法使いの学校に行けるもんね!私凄く嬉しい!これからもよろしくね。でも魔法じゃ私だって負けないんだから!」
ルーシュ「あぁ、いや、そうだね。うん俺も凄く嬉しい。これからはライバルになるけどお互い頑張ろ!」
そうやって笑い合った。