2章 生誕
「いつみても可愛いわぁ、ルーシュ、あぁ愛おしい我が子ね」
澄んだ女性の声が聞こえる。目を開くとそこにはとても美しい女性が俺を覗いていた。
(あぁ、転生に成功したんだな。にしても美人な女性だ。もしかして、この人が俺の母さんか?よっしゃ!これは大当たりだ!女神もいい仕事するぜ全く。)
「おい、戻ったぞ。」
これは男性の声だろうか、少々疲れたような声が部屋に響く。
「お帰りなさい。ご飯作っているわよ、それともお風呂にする?うふふ」
他愛もない、家族の会話が広がる。すると、すこし厳つい顔つきの男性が俺の姿を覗き込んだ。
(この人も厳つい顔はしているが、中々にイケメンだな。ってことは俺は、イケメンに産まれたって事だな!)
「今日も元気そうだな。健やかに育ってくれると嬉しいものだ。欲を言えば俺の後を継いでさらには俺より強い戦士に、、」
「まぁまぁその辺にして、ね。まだ赤ちゃんよ。それにこの子はどの役職になるのかまだわからないしこの子が決める事なんだから。早まるのは良くないわよ、もぅ」
そうして、俺は幸せな幼少期を過ごした。しかし、幼少期の時代から女神から授かった特別な力で「最強の魔法使い」の頭角を表していた。意識をすれば物をなんでも動かせたし、難しそうな魔法書でさえ簡単に読めた。理解もできたし少し努力をすれば使用さえ可能だった。しかし父はあまりその様子に良い印象はなかったようだ。父の役職は戦士、前線で敵を倒しヘイトを稼ぐ。という前衛だったため一人息子にも同じように前衛の道を進んで欲しかったのだろう。でも俺は魔法を使いたかった。とゆうか未だにもっと強い魔法を使いたい。だから父とは少し気まずい関係になっていった。母は相変わらず優しくて、家で家事に追われている。至って平凡だった。