8、チューリップのつぼみ、ここから
呪いが解けたアイリスを、チャリオス王子が抱きしめる。
「アイリス、辛い想いをさせたね。気付いてあげられなくて、悪かった」
「チャリオス王子殿下。今まで言葉をお返しできなくて……すみませんでした……」
愛し合う二人が想いを交わす中、隣国のルシオン王子はエンチャントホール魔法伯爵父娘へと歩み寄った。
彼は、ハシビロコウにされていたところを助けてもらったばかり。
妹姫の正体が魔女だと教えられ、協力者となってくれたのだ。
「このたびは、ありがとうございました。我が国の側で悪しき魔女に気付けず、申し訳ありませんでした」
愛娘に近付く王子に、プーランクが低く唸る。
「来たな王子! 帰れ!」
「パパ、なんてこと言うの。家出するよ」
「ララ! 家出はもうしないでくれ。パパは泣いてしまうぞ」
そんな父娘へと、ルシオン王子は頭を下げた。
ハシビロコウだった時を思い出させる、優雅なお辞儀だ。
「僕は、あなたのことが好きです」
やさしい声で紡がれる言葉は、まっすぐな好意を伝えてきた。
憧れの王子からの告白に頬を染めるララへと、ルシオン王子は可愛らしいチューリップのつぼみをプレゼントしてくれた。
「あちらでダンスを踊りませんか」
「……はい!」
13歳と16歳。
二人の初々しい恋は、ここから始まる。
――Happy End!
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また、新作の連載を始めたのでお知らせです(カクヨムというサイトですが)
『亡国の公主が幸せになる方法 ~序列一位の術師さん、正体隠して後宮へ』
https://kakuyomu.jp/works/16818093073133522278
中華後宮ファンタジーです。もし作風が合うかも、と思った方は、よければ読んでください!
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