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第32話 新たなる敵・七曜将!!ついに戦いの火蓋は切られた!

【登場人物紹介】


( ^ω^)【太筋】:トイレは座ってするタイプ。



  ('A`)【細筋】:バスタオルは毎日洗濯するタイプ。



(゜、゜*)【魔女】:夜ご飯の前にお風呂に入るタイプ。



( ・∀・)【勇者】:眠る前に日記をつけるタイプ。



( ФハФ)【鬼爺】:ガボルベント拝の前には必ずティム座するタイプ。


城郭都市・メーンへの侵入に成功した筋肉二人は、城壁の上から街を見下ろした。



( ^ω^)「お、兵士が一、二、三、四……ぞろぞろ出てくるな」



  ('A`)「早くも招集がかかってるってことだ。できれば誰にも気づかれずに潜入したかったが」



( ^ω^)「そんなん俺ぁ無理だぞ」



  ('A`)「知ってるよ」



( ∀ )「アイヤーッ!!」( ∀ )



 不意に聞こえた声とともに、筋肉の肩の薄皮一枚が裂かれる。



( ^ω^)「ん~~?」



(`∀´ )「ふははっ!我が裂空脚を受けて無傷とはッ!」



(-∀- )「相手にとって不足なしッ!!」



  ('A`)「……お前らが"七曜将"か?」



(`∀´ )「左様!七曜将が一騎、風竜拳の使い手・"風木(フーキ)"!」



(-∀- )「同じく!炎雀拳の"朱炎(シュエン)"!」



(`∀´ )「貴様らを倒せば、我ら七曜将の地位も上がるというもの!」



(`∀´ )「我が拳の錆となるがいい!!」



(`∀´ )「風竜拳奥義・竜鱗裂風脚!!」


──竜鱗裂風脚!!

  キックで空気を裂き、真空を走らせる大技。達人ともなれば、その真空の力により鋼鉄でさえもバターの如く断ち割ると云われている!!



 風木の放った衝撃波は、豪速で太い筋肉の正中線に直撃ッ!!



( ^ω^)「効かぬッ!!」



 しかし筋肉は、その斬撃を容易く弾く!!音をも置き去る瞬速の手刀にて衝撃波を相殺……



(`∀´;)「うおっ!違うッ!!衝撃波が増幅して帰ってくるッ!!?」



 それはただの手刀ではない!あまりに鋭く、あまりに大きな、あえて形容するならば"手太刀"!!その太刀筋は衝撃波をも飲み込み、倍増した威力を以て風木に襲いかかるッ!!



(`∀´ )「ぐはっ!」



 "手太刀"が風木の体躯を切り刻む!

 

 

 風木、ノックアウト!!





  ('A`)「なるほどカウンター技か。俺もそういう技を作るか」



(-∀- )「戦いの最中によそ見など笑止千万!!」



 朱炎(シュエン)の正拳突きが筋肉の玉堂に抉りこむ!!しかし、それだけでは終わらない。直後、筋肉の全身は灼熱の炎に包まれる!!



(-∀- )「これぞ炎雀拳が秘伝、炎操術よ!!」



(-∀- )「いくら屈強な戦士でも、いくら頑強な筋肉でも、炎の前には絶対的に無力!!全てが灰燼に帰すのだ!!」



 ( A )「……」



 燃え上がる炎!!燃え上がる筋肉!!



  ('A`)「たしかにぃ……ちと暑いなぁ」



(-∀-;)「な、なぜ生きている!!?」



  ('A`)「悪いが、これくらいの暑さなら小学生の頃から夏休みに毎年浴びてきたからな!!」



──ネオ・ヤマト、夏の風物詩『羅熾忍(ラジオ)体操』!

  可燃性の高いアロマオイルを全身に浴びた後、着火ッ!全身の炎が燃え尽きるまで、伴奏に乗せてストレッチを行う!ネオヤマトの児童は、夏休み期間毎日この体操を行うことにより、"灼熱地獄"と評されるネオヤマトの酷暑を生き延びるための体力を養うのである!!



  ('A`)「おらぁ!!お返しの右ストレートじゃあ!」



(-∀-;)「暑さと熱さは別物だろうがああああああ!!!」



 いじめ抜かれた筋肉に(からめ)め手は通じぬ!!

 

 

 朱炎、ノックアウト!!




( ^ω^)「さて、これで2人片付いたな。残りは5人か」



  ('A`)「この調子だとすぐに終わりそうだな」



( ∀ )「それはどうかなッ!?」



  ('A`)「……何奴!!」



( ∀ )「風木と朱炎は七曜将であっても補欠合格!風や炎と小細工を弄する手品師に過ぎん!!」



( ∀ )「貴様らには、これより"七曜"の真髄をお見せしよう……我が神速についてこられるならばな!!」



( ^ω^)「ええい!名を名乗れぃ!!」



(◎∀◎ )「"七曜将"・武殻拳の伝承者・黒水(コウク)!!」



(≡∀≡ )「白虎拳継承者・金魄(キンコ)!!」



(*∀* )「土牛拳が使い手・羅黄(ラオウ)!!」



( ^ω^)「3対2……いいハンデだ」



  ('A`)「準備運動程度にはなってくれよ?」




 筋肉の侵入から数刻。所変わって城郭の外には勇者達が"その時"を待ち構えていた。



( ´_ゝ`)「さてさて、首尾はどうだ?筋肉ダルマ共はうまくやってる?」



( ФハФ)「うむ。予定通り七曜将と兵士を蹂躙してくれておる」



( ´_ゝ`)「よしよし。それじゃあ、こっちの本隊も出陣といくか」



( ´_ゝ`)「勇者、準備はいいか!?」



( ・∀・)「いいか悪いかで言ったら、全くよくないけど」



 そう言いながらも、勇者は歩き出した。



( ・∀・)「まず話についていけないんだよね。何故ゴブリン達が僕ら側についてるのだとか」



(゜-゜川「禄存が言っていただろう、戦いでは質より量……兵の数が肝要なんだ。いくら私達や筋肉共が強いといっても、こちらは勇者が倒されればおしまい」



(゜-゜川「それを防ぐために勇者の指揮のもとで戦う兵隊が必要だ。そのためにわざわざゴブリン爺さんの故郷にまで足を運んだじゃないか」



(゜、゜*)「『ゴブリンの里』なんてのどかな名前で100万人都市だとは思わなかったわ」



( ФハФ)「ゴブリンは数だけは大量に居るからのう」



从 -∀ 从「出生率20くらいあるもんね」



( ・∀・)「ゴブリン側は魔王を裏切ってもいいの?」



( ФハФ)「魔界とて一枚岩ではないのじゃ。これまでは魔王様の圧倒的武力とカリスマを以て統一されていたが、その圧力が弱まれば……」



(゜、゜*)「私達ゴブリン王を殺しちゃってんだけど?」



( ФハФ)「あぁ、あれは西ゴブリン族の王であって、我らの王ではない」



 (´ー`)「ゴブリンも一枚岩じゃねぇんだな」



( ФハФ)「うむ。だからゴブリンはゴブリンの考えがあり勇者(おぬし)の配下につくことを選んだ。それだけじゃ」



( ・∀・)「う~ん、それは分かるけど」



( pハ・)「しかし、3万もの兵隊をここまで早く招集できるとは……御老公、もしや以前から何かを画策していたのではあるまいな?」



( ФハФ)「ほほほ。それは邪推というものじゃ老師殿。自衛の為の兵は必要じゃろう?」



(゜、゜*)「なんかしれっと会話に参加してるけど、七賢将の三人、なんで居るの?」



(゜、゜*)「そんで禄存さんは?」



( pハ・)「わしらは……捕虜じゃ。そういうことにしておけ」



( ´_ゝ`)「禄存は逃がした。敵の意識を人間界からこちらに向けるための伝書鳩だな」



(;・∀・)「大丈夫なの?」



( pハ・)「あぁ、いざとなったら彼女の首元に小型爆弾をつけておいたから、起爆すればいい」



( ・∀・)「もう味方じゃん」



( pハ・)「とんでもない。勇者に脅されて、仕方なくじゃ……捕虜だからわしは断れん……怖や怖や」



(;・∀・)「……まぁ、もう考えるのはよそう。僕は最初からの目的を果たすんだ」



(;・∀・)「まさか、勇者がゴブリンを従えることになるとはなぁ」



(゜、゜*)「どこで何を間違えたのかしらね」



 ため息をつく勇者と魔女。そうこう話をしている内に、彼らは城塞都市の門前へと到着。そして夜空に響く、ゴブリン爺が鬨の声。



( ФハФ)「さぁ勇者!!門を破れ!堰を切れ!戦いの火蓋を切るのじゃ!」



( ・∀・)「はい、勇者ビィームッ!!!」



 ビームにより門を破壊した勇者、それに続き、ゴブリンの軍勢が都市になだれ込むッ!!しかし、彼らは門を抜けてすぐに、勢いを止めてしまったッ!!



(;・∀・)「な、なんだこれ……」



 そこで彼らが見たものは、"死屍累々"という言葉がぴったりの惨状であった。大通りは石畳がひっくり返って血に満ちて、路傍に兵士の屍が溜まっている。戦いのさなかに倒れただろう松明が死体の血肉をじわりと焼き焦がし、生命と皮脂の嫌な臭いを辺りに漂わせる。建物の倒壊は少ないが、誰かの血や臓物がびしゃりとへばりつき、より悍ましい光景を生み出している。



(;・∀・)「うっ……」



( ´_ゝ`)「地獄の門でも開いたか?」



(^ω^ )「あ、勇者おっす」



  ('A`)「すまん、全部片付けちまった」



( pハ・)「貴様ら、なるべく命を大事にしろと言ったじゃろうが」



  ('A`)「こりゃ俺達じゃねぇよ。"七曜将"の陽理と陰月とかいう奴らの能力でな」



(^ω^ )「自分たちの兵隊の命を吸ってパワーアップするのが陽理、死体を操るのが陰月の能力だ」



 (´ー`)「自分たちの兵力を削って何してんだ馬鹿ども」



 (´ー`)「で、そいつらは?」



  ('A`)「手応えなかった」



(^ω^ )「こっちの方にぶっ飛ばしちゃったんだけど、そこら辺に転がってなかった?」



( ・∀・)「草野球でもやってた?」



──こうして、"七曜将"は全滅、城郭都市・メーンは勇者の手に落ちたのであった。


【七曜将紹介】

(`∀´ )【風木】:風竜拳の使い手。毎年パンまつりのシールを集めている。



(-∀- )【朱炎】:炎雀拳の使い手。地元の花火大会には毎年参加する。運営側。



(◎∀◎ )【黒水】:武殻拳の使い手。毎日1本は炭酸飲料を飲む。コカ派。



(≡∀≡ )【金魄】:白虎拳の使い手。週末は海釣りが趣味。最近はエギングにハマっている。



(*∀* )【羅黄】:土牛拳の使い手。毎週飲みに行き、毎週ドブみたいに酔いつぶれ、毎週後悔する。



(日∀日 )【陽理】:太陽拳の使い手。毎週サウナに行く。月一回はウィスキングしてもらう。



(月∀月 )【陰月】:月光拳の使い手。「ご来店は初めてですか?」と聞かれたら毎回「あ、はい」とだけ答える。


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