第31話 大侵攻開始!勇者包囲網を突破せよ!
【登場人物】
(`・Д・)【貪狼】:七星将の後輩役。議事録担当。
( ´Д`)【廉貞】:七星将のしたっぱ。会議進行担当。
( ゜Дメ)【破軍】:七星将の無骨無口。睡眠担当。
( ^Д^)【巨門】:七星将の頭脳。発言担当。
( -Д-)【文曲】:七星将のクール。ボソッと穿った発言する担当。
(゜-゜从【禄存】:七星将の諜報。新しい事実を報告する担当。
( ω )【七罪人】:七罪人の人たち。黒づくめ担当。
(゜Д゜.,)【武曲】:七星将の元"最強"。現場主義を掲げ会議はサボっている。
【七星城】
( ω )「人間界の侵攻状況は?」
(´Д` )「えー、そうっすね。人間界南部の交易中心都市『トラスキエ』、西部に大港湾を抱える『キャクワ王国』が陥落。現在はモブラキヤへの大規模攻撃の準備中っすね」
(^Д^ )「人間界の二大商業都市を落とした時点で、もう勝ち確ですねコレ」
( ω )「そうだな。しかし、念には念をだ。我々七罪人が西管区と南管区より100万の兵を増援として送ろう」
(^Д^;)「100万?そんなに要ります?我々の兵が50万に、七賢将から送られたゴーレム兵が50万、プラスアルファで魔道衆が七賢将の指揮下で人間界に展開してますが、過剰では?」
( ω )「まったく、君たちは人間の底力を甘く見ている。中でもモブラキヤの民、モ部族は相当に厄介だぞ?」
(^Д^ )「モ部族……えぇっと諜報部の資料だと、主体性に欠け、王の命令に従順な農耕民でしたっけね」
( ´Д`)「弱そうっすね」
( ω )「いやいや、しかし"兵士"としては優秀だ。彼らは命令に忠実であるし、作戦に対し高度な協調性を発揮する。決して一騎当千ではないが、百騎当千の屈強な兵士団だ」
( ω )「そうでなければ、魔界から一方的に独立を宣言した上に、今日この日までその状況を保てるはずもない。」
(´Д`;)「そ、そう言われれば確かに」
( -Д-)「それに、まだ王国には人間界最高戦力『王下十二騎士』及び『王下八大家』も残存している。彼奴らの強さは身に沁みて分かっているだろう?」
(^Д^ )「あー、そういや『支士』や『支柱』の雑魚は何十と討ってたが、まだそいつらの討伐報告は上がってないな」
( ω )「大方、モブラキヤ王の下で逆転の策でも練っているのだろう」
(^Д^ )「たしかにアイツらの相手は俺達が務めなきゃならないから、その分を数で補うのは悪くないな」
( ´Д`)「七賢将の老師方は何か意見ありますか?」
(□-□ )「我々は七賢人の増援案を支持します」
(-ハ- )「ただ、一点気になりましてな。100万もの兵を動員するとなると、治安や物流に大きな影響がでるのでは?」
( ω )「国家の有事だ。多少の痛みは許容せねばなるまい」
( ω )「それに、この作戦が終われば世界は晴れて一つになり、真の平和が訪れるのだ」
( ´Д`)「誰だ?作戦会議中は入室禁止だぞ」
(゜-゜;从「わ、私だ……」
(;´Д`)「ろ、禄存先輩!?」
( ^Д^)「生きていたか、お前が居ない間大変だったんだぞ」
(゜-゜#从「それは私のせいではない!」
(□-□;)「禄存殿。この度は私達の連携不足で巻き込んでしまい申し訳ない」
(゜-゜ 从「謝罪はよい、過ぎたことだ。それに、色々と情報も得られたしな」
(゜-゜ 从「それよりも伝えるべきことが……勇者たちが」
( ω )「結界から解き放たれたことであれば、既に報告が上がっているぞ」
( ω )「あの筋肉ダルマ共も厄介な手合だが、所詮は寡兵、戦局に影響はあるまい。それでも、念を入れて新しい天下七将に討伐命令を出しているがな」
(゜-゜;从「新しい天下七将……?」
( ^Д^)「レインボー7の後釜として組織した、その名も『七曜将』だ!」
( ^Д^)「東魔界の大都市『メーン』を中心に、各都市の兵士を動員した勇者包囲網は既に完成している!」
( ^Д^)「これであの筋肉たちを封じ込めてやる!」
(゜-゜;从「ち、ちがう……!」
( ^Д^)「……なに?」( ω )
(゜-゜;从「勇者はもはや寡兵ではない……ッ!!」
(゜-゜;从「奴らは大量のゴブリンを従え、既に『メーン』を陥落させ、今や魔王城に向かって行軍しているッ!!」
(゜-゜;从「その兵力、現在ゴブリン3万体!!」
(;^Д^)「なんだってぇぇぇ!!??」( ω ;)
──時は少し遡り、ここは交易都市メーン。城郭に囲まれたこの都市には、現在1万の兵が駐在し治安維持にあたっている。その警備の厳重さは、数多くの衛兵が昼夜を問わずに城壁の上から下水道まで、街の隅々をパトロールしているほどである。
( Д )「ふぁ~あ、やっぱ夜警って辛ぇわ」
( ∀ )「はは、あくびをかます余裕があるなら結構だろ。他の管区の兵なんて大変だぜ?」
( Д )「たしかに戦場なんかにゃ行きたくねぇな~」
衛兵が鈍った背筋を伸ばすと、空にかかげた腕に突如として激痛が走った。
( Д ;;)「ッッ!?あづッ!!」
葉巻をギュウと押し付けられたような、細胞一つ一つを刺突されるような痛み。それを払うように振った腕に目をくれると、抉れた二の腕の向こうから、月光が白骨を照らし出していた。
(;; ∀ )「どうした!?」
( Д ;;)「腕ぇやられた!魔法だ!報告!」
(;; ∀ )「ッちぃ!なんだって俺等ん時に」
もう一人の衛兵は、非常連絡用の旗を掲げる。衛兵を管轄する監視塔へ向けて、最速の報告手段である。しかし振り上げた白旗は、それを狙う者からすれば、格好の目印でもある。
(;; ∀ )「ッ!!」
空が裂ける音を、衛兵は確かに聞いた。
そして見た。ほぼ同時に、夜空に吹き飛ぶ白旗と、自分の腕を。
(;; ∀ )「おああッ!!あぁ!!」
( Д ;;)「おい!……くそッ!!」
( ω )「……」
( A )「……」
苦痛にのたうつ衛兵二人は、背後に迫る侵入者に気づかない。気づけない。
( ^ω^)「ちぃと音量がでかいな」
('A`)「下げるか」
そして直後、喉元から音量を絞られ、意識を失ったのであった。
( ^ω^)「さて侵入成功。門あけるか?」
('A`)「作戦はちゃんと聞いとけ、俺等の仕事は勇者の露払い……」
('A`)「この街にいる"七曜将"を倒すことだ」