第28話 衝撃の事実!結婚していた勇者!
【登場人物紹介】:結界内での過ごし方まとめ
( ^ω^)【太筋】:結界の大きさは東京23区と同程度。毎日5周はランニング(全力疾走)している。
('A`)【細筋】:太筋と修行する日もあれば、図書館で本を読んだり、七賢将と情報交換することもある。
(゜、゜*)【魔女】:食事と睡眠以外の時間はひたすら図書館に籠もって魔導書を読み漁っている。
( ・∀・)【勇者】:修行の傍ら、ゴーレムと一緒に農園の手入れや作物の収穫をしたり、ご飯の準備をしたり、部屋の掃除とかをしている。
( ´_ゝ`)【黄色】:やる気メーターが振り切れた。
(゜-゜ 川【藍色】:大抵は図書館で本を読んでいるが、思い立って結界の中を散策してみたり、絵を描いてみたり、勇者に料理を習ったりしている。結界を一番満喫しているかもしれない。
( ФハФ)【鬼爺】:勇者に稽古をつける一方、文老師の研究に付き合っている。結構、馬が合うと感じている。
(´ー`)【历老師】:ここ数年間の研究記録をまとめた本を執筆している。七賢将の肩書効果で1万部、いや10万部くらい売れたらいいなと思っている。
从゜∀从【美老師】:粘土をこねたり、考えたりしている。
(pハ・)【文老師】:ゴブリンの言語研究。
(゜-゜从【禄存】:筋肉に負けた悔しさをバネに稽古に励む。後々、なにかに役立つかもしれないと、密かに勇者たちの動向をできるだけ記録している。
(゜、゜*)「はい。以上でダイジェスト魔法によるイエローの記憶上映会を終わります」
( ´_ゝ`)「なんで俺は夕飯前に記憶を晒されてんの?」
(゜-゜ 川「お前が『今日1日で色々と新しい情報が手に入ったから、それについて話し合いたい』とか言うからじゃないか」
(゜、゜*)「事前情報の共有に時間かけたくないの、時短よ時短」
( ´_ゝ`)「裁判所に訴えたら勝てるだろコレ」
( pハ・)「残念ながらゴーレムに請求権は認められていないんじゃ」
( 'A`)「哀れ」
( ФハФ)「ワシの記憶も晒されとるのは何故じゃ?」
(゜、゜*)「魔法の対象を"ゴ*"で指定したからよ」
( ФハФ)「なんとかして訴えたいのう」
( pハ・)「残念ながらゴブリンに人権はないんじゃ」
( 'A`)「ゴーレムよりも立場が低いのかゴブリン」
( ^ω^)「なぁもういいから話進めない?俺早く晩ご飯食べたいたいんだけど。今日はカレーなんだけど。ほら腹の虫も訴えておる!!」
( ^ω^)「『目の前にカレー出されて食えないとか拷問も同然だろ。裁判所に訴えるぞ』!!」
( pハ・)「それは普通に負ける」
(゜-゜ 川「別に食べながら聞けばよいだろう。ほらイエロー、さっさと話せ」
( ´_ゝ`)「ちっ、しょうがねぇ」
( ´_ゝ`)「まぁ記憶を見てもらった通り、今日一日で色々と新たな事実が判明したりした」
( ´_ゝ`)「知られざる魔界の歴史……勇者という存在……」
( ´_ゝ`)「あとなんか爺の記憶の中で明らかになった……めっちゃ重要そうだった異世界人と言葉が通じる理由……」
(゜、゜*)「あ、それ私も気になった。なんで言葉通じんのよアンタ達」
( ^ω^)「そういうもんかと」
( 'A`)「異世界での言語問題なんて、それがテーマでもない限りサラッと流すもんだからな」
(´ー`)「あれ?この世界に来た異世界人には、言葉が通じるようになる魔法を付与してるって話じゃなかったか?」
( pハ・)「たしかに七罪人はそう言っておるがな。ワシが疑問を抱いた時は、誰も魔法をかける時間はなかった」
(゜、゜*)「異世界人が転移してきた時に自動で付与するとか?」
(´ー`)「無理だろうな。必要な魔力量が多すぎる」
( ´_ゝ`)「まぁまぁ、それも気になるところだが、今の俺等にはもっと掘り下げるべき事があるだろう」
(゜-゜ 川「なんだ?」
(#´_ゝ`)「勇者と魔女ちゃんが結婚してる事実にどう向き合うべきかに決まってんだろ!!」
(゜-゜ 川「いつ決まったんだ」
(゜、゜*)「今いちばんどうでもいい話題じゃない?」
( 'A`)「いや、でも俺も眉が上がるくらいは驚いたぞ」
( 'A`)「普通、勇者ってのは囚われの姫と結婚するもんだろ?」
(゜、゜*)「囚われてないのよ、姫」
( ^ω^)「そう思えば、勇者と魔女はいつも宿屋で同室だったわ」
( 'A`)「あ、確かに」
(#´_ゝ`)「気づけや!!」
(゜、゜*)「というか男女のペアで旅してる時点で気づきなさいよ」
(゜、゜*)「勇者が家族でもない女を侍らせてるなんてスキャンダルよスキャンダル。翌日のニュースの一面はこれで決まり。一ヶ月は特集が続くわ」
( 'A`)「一応そういう存在なのね勇者って」
( ^ω^)「勇者の祖国に行った時もファンの数すごかったもんな」
(´ー`)「人間からすりゃ、女神の神託を受けた『聖なる存在』だ。さもありなん」
(´ー`)「だが既婚者は勇者にゃなれないんじゃなかったか?勇者になった後なら可能なのか?」
(゜、゜*)「それがね、私と勇者はね、魔王を倒すとか関係なしに最初旅に出ようとしてたのよ」
(゜-゜ 从「……父親か?」
(゜、゜*)「うーん、それよりもずっと手前の話よ?魔界を旅するには冒険者ギルドの登録が必要で、登録認定をもらうには試験に合格しなきゃいけない」
( 'A`)「近くのダンジョンで魔物を倒してこいとか、何かの素材を採ってこいとか、そんなんだろ?」
(゜、゜*)「そ。けど、私は一人でダンジョンに挑戦できるほど強くないから誰か同行者が要った。そんな時に、下宿先に暇そうな使用人がいることに気がついてね」
(・∀・;)「暇じゃなかったけどね」
( 'A`)「いやでも勇者になる前なんて村人Aだろ?戦えねぇだろ」
(・∀・;)「でもまぁ、女の子独りで行かせるわけにもいかないじゃないか」
(゜、゜*)「で、さあ旅に出ようと街の関所を越える手続きをしようとしたらよ!門番に『兄妹でも夫婦でもない男女が2人で旅なんて何事か!不道徳だ!インモラルだ!』って怒られちゃって」
(゜、゜*)「ムカついたからその足で役所に婚姻届を出しに行ったわ」
( 'A`)「電撃戦の速度」
( ^ω^)「なんで勇者もサインしちゃったの?」
(・∀・;)「だって魔女がすごい急かしてきたから」
(゜、゜*)「結婚証明書を見せた時の門番の顔!今思い返してもスカッと爽やかな気分になるわ!」
( ^ω^)「よかったね」
(゜、゜*)「そしてダンジョンで雑魚スライムにボコボコにされて帰ってきたら、勇者が勇者ってことになってたの」
(゜、゜*)「婚姻届が受理されたとほぼ同時刻に、神託で勇者が選ばれたらしくてね。司祭の人がなんか慌ててたわ」
(;´ー`)「それで妻帯者の勇者の誕生ってわけか」
(;pハ・)「しかし神事のしきたりを、そう安々と曲げてよいのか?」
(・∀・;)「『受理したものは撤回できない』って役所が突っぱねたんだよ」
(゜、゜*)「あのときは、お役所仕事に初めて感謝したわ」
(゜、゜*)「はい、これで私と勇者の件はおしまい。書類上だけの夫婦で、夫婦生活は一切送っていないの、冒険者だしね」
(゜、゜*)「これでいいかしら、イエロー」
(#´_ゝ`)「……」
(#´_ゝ`)「下宿先の使用人に一緒に冒険に付いてきてって、それもうその時点で好感度MAXじゃねぇか!!」
( 'A`)「たしかに」
(#´_ゝ`)「俺はそこら辺のなりそめが知りたいんだよ!」
(゜、゜;)「なんでよ!?」
( ´_ゝ`)「え?だって俺、魔女ちゃんのこと好きだし。あ、でも書類上だけってことは、まだチャンスある?」
(゜、゜*)「ごめんなさい」
( ´_ゝ`)「理由は?」
(゜、゜*)「そういうとこ」
( pハ・)「ちなみにゴーレムに婚姻の自由は認められていないんじゃ」
( 'A`)「哀れすぎる」