第27話 きぶんてんかん!──魔女の場合
( ^ω^)「ヒャッハァァ!いーい汗かいたぜぇ!!」
(^ω^ )「なぁ勇者ぁっ!?」
(; ∀ )コーヒュゥ コーヒュゥ
(; ∀ )カヒュッ……エホッ ゴホッ エフッ
(; ∀ )オエッ!
( ´_ゝ`)「あ、ゲロ吐いた」
(^ω^;)「あっちゃあ調子に乗ってギア上げすぎたか?」
(^ω^ )「でも大丈夫だ!吐いたゲロの数だけ強くなれる!」
( ´_ゝ`)「夜のガード下でよく聞いた戯言だ」
( ´_ゝ`)「さっきまで飲んでた?」
(^ω^ )「ないけど水は欲しいな」
( ^ω^)「あ、丁度いいところにゴーレムが!」
( ^ω^)「説明しよう!魔王立大学には労働用ゴーレムが百体以上配置されていて、掃除、洗濯、食糧生産、資料管理など、あらゆる雑用を一手に引き受けてくれているのだ!」
( ^ω^)「いつもご苦労さまです!」
[◎皿◎ ]「ハイドウモ。ドウサレマシタカ?」
( ^ω^)「お水下さい。とりあえず人数分お願いします」
……
( ・∀・)「復活ッ!!」
( ^ω^)「じゃ、もう一セット汗流す?」
( ・∀・)「いやです」
( ^ω^)「え~、じゃあ何すんの?」
(;・∀・)「そうだなぁ、ご飯まではまだ時間あるし……」
……!!>
……!!>
( ´_ゝ`)「ん?なんか、向こうから……誰だ?」
( ・∀・)「あっちは図書館の方だ」
( ^ω^)「なになに?行くの?」
(^ω^ )「あ、すみません空いたグラス片付けてもらってもいいですか」
[ ◎皿◎]「ジャア、ソコ隅ニ置イトイテ貰エレバ、ハイ。持ッテイキマスンデ」
(^ω^ )「ありがとうございます」
( ´_ゝ`)「やっぱ飲んでんだよなぁコイツ」
─魔王立大学付属図書館!
(゜、゜*)「なになに……?」
(゜、゜*)「『……結界の規約を"律"と呼ぶ。魔法は通常、術者の思考領域により規定され、現実世界への出力・維持には相応の魔力を要する。此れは思考領域と現実世界の規約が大きく異なる為である。その最たる例こそ蘇生魔法だろう。"死ねば還らぬ"という現実の規約を、術者が──局所的にではあるが──自らの規約に書き換えることで、この魔法は実現する』」
(゜、゜*)「『"律"がこのような魔法と異なる点が二つある。一つ、現実世界の規約を模倣しているが故、その規約に準じていること。例えば、結界内では現実世界と同じ物理法則が働いており、それは一定である。これにより結界は、その領域のサイズに比べて驚くほどに少ない魔力で維持することが可能である』」
(゜、゜*)「『一つ、結界領域の出力先が現実世界ではないこと──これも必要魔力量の削減に大きく貢献しているが、一方で習得難度を跳ね上げている。結界は仮想領域にて展開される。仮想領域は思考領域と現実世界の間に位置し"人々の間"にて規定された領域。例を挙げれば、数式・言語・法・歴史・暦が存在する場所である』」
(゜、゜*)「ふむふむ……」
(゜、゜*)「…………?」
「君は文章を声に出して読む派か」( - 从
(*゜、゜)「あなたは……」
(*゜、゜)「忘れられたまま結界に置いてけぼりになった、七星将の"禄存"!」
(゜-゜;从「なんで今さらそんなことを言うんだ!!」
(゜、゜*)「図書館に来るなんて珍しいですね」
(゜-゜ 从「大抵は外で修行しているが、今日は休養日にしようと思ってな」
(゜、゜*)「修行?筋肉さん達と同じですね」
(゜-゜;从「や、奴らと一緒しないでくれ。第一、私にはあんな無茶なトレーニングは無理だ」
(゜、゜*)「そうですか」
(゜、゜*)「それで、なんの用事ですか?」
(゜-゜ 从「いや、大した話ではないが。君に関して一つ、ずっと気になっていたことがあってな」
(゜-゜ 从「何故、魔族の君が勇者なんかと……」
(゜、゜*)「人間界生まれの魔族なんて不思議なことでもないでしょう?」
(゜-゜ 从「普通なら、な」
(゜-゜ 从「しかし、君は而老師のご息女だ」
(*゜、゜)「あれ?"あの人"はまだバレていないと思っているようでしたけど」
(゜-゜ 从「はっ七星将諜報部も軽く見られたものだな。魔王様をお守りする天下七将の一角に任命された者の身辺調査など、徹底的に行うに決まっているだろう。生まれた場所から三年前にホームセンターで買ったもの、一昨日の晩ごはんのおかずまで把握するのが諜報部の務めだ」
(゜-゜ 从「而老師……出身は西門西方管区の名門魔導師一族の三男。成人した後は一族の掟により魔界を放浪。その最中に"内乱"が激化し、北門北方管区……人間界と言ったほうがいいかな?」
(゜、゜*)「別に?」
(゜-゜ 从「紛争による影響で人間界での滞留を余儀なくされた彼は、そのうち現地の魔族女性と世帯を持ち、やがて生まれたのが君だ」
(゜、゜*)「そこまで知っているなら、もう私達が"あの人"と離縁していることも分かっているでしょう?」
(゜-゜ 从「もちろん」
(゜、゜*)「私はもう"あの人"のご息女でもなんでも無い。関係ないわ、一般人よ」
(゜-゜ 从「その割には随分と固執しているように見えるが?」
(゜、゜*)「固執?」
(゜、゜*)「そうね、あんな最低な……妻と子供を捨てて、自分の出世を選んだ男なんて!本音を言えばぶん殴って……っ!」
(;、;*)「アイツの薄っぺらな著書で、その分厚い面の皮をぶん殴ってやるの!」
(゜-゜;从「えぇ……ちょっと落ち着いたほうがいい、声が……私が悪かった」
(゜、゜*)「本当はこの大学にだって、アイツに一発いれる為に来たの!」
(゜-゜;从「どんだけ殴りたいんだ君は!?」
(゜、゜*)「私の気が晴れるまでに決まってるじゃない!」
(゜、゜*)「ふぅ……これで気になっていたことは分かったでしょ?勇者は魔王を倒す為に旅をしてるけど、私は"父"を殴る為に旅をしてると言って過言じゃないわ」
(゜-゜;从「え?」
(゜、゜*)「ん?」
(゜-゜;从「あ、いや、気になっていたのは全然別だが」
(゜、゜*)「じゃあ今のは何だったのよ?」
(゜-゜;从「勝手に君がヒートアップしただけだが」
(゜-゜;从「いいか?私が気になっていたのは、だ」
(゜-゜ 从「いいか?私が気になっていたのは、だ」
(゜-゜ 从「何故、魔族の君が勇者なんかと結婚したんだ?」
(゜、゜*)「え、あ、それ?」
(;´_ゝ`)「はぁ!?お前ら結婚してたの!?」
(・∀・;)「あれ?言ってなかったっけ?」
(゜-゜;从「おい、なんでいきなり!?どこに居たんだ」
(#´_ゝ`)「どういうことだ!?言え!!馴れ初めからプロポーズの言葉まで教えろ!」
(・∀・;)「知ってどうすんの!?」
( ^ω^)「久しぶりに会った友達が結婚してた時の飲み会みたいだぁ」
(#´_ゝ`)「結婚式は!?もうやったのか!?」
(゜-゜#川「うるさい!!ここは図書館だぞ!!!静かにしろ!!!!」
(゜-゜#川「殺すぞ!!」
(;#)_ゝ`)「すみませんっ!!」
( ^ω^)「真っ直ぐな、いいパンチだ」
(゜-゜#川「もう一発!!」
(;#)_ゝ゜)「ウェっ!!?」
(;・∀・)「あ、オイル吐いた」
( ^ω^)「また強くなれるな」
(゜、゜*)「なるほど。本で殴る時は背の角を持って斜め45度ね」
(゜-゜;从「参考にしてやるな」




