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第21話 激闘!魔王立大学ラグビー部!!

ラグビー【羅倶備】

 数百年前に魔界に降り立った異世界転生者により伝えられたとされる、15人制の球技。現代では紳士淑女のスポーツとして幅広い年代に愛されている。

 タックルやタックル、タックルを駆使して相手の陣地に楕円形の鉄球を運ぶ─トライや、 相手選手の撃破─ノックアウトにより点を稼ぎ、どちらかのチームが全滅した時点でゲーム終了となる。

 全プレーの中で、試合に参加してくれるプレイヤーを集める事がなによりも難しい為、「選手を準備するのが修羅レベル」として、この名が付けられたという。


 魔明書房刊『魔界総合百科事典 マメラディア⑮ ぬ~れ』より

( ^ω^)「ふんぬっ!」



           「ぬっうぅ!?」(゜∀゜;=



        「ぅおら!これしき!」(゜∀゜;=




 太筋のタックルをがちりと受け止めると、男は力任せにぶん投げる。丁度、背後から襲い来る細筋に、その砲丸のような巨躯をぶつけてしまおうというのだ。



( ^ω^)「見事!」



  ( 'A`)「だが愚直!」



 しかし、その試みは失敗に終わる。いや、むしろ、さらなる攻撃の契機となってしまう。細筋は迫りくる砲撃(・・)を既のところで躱すと、砲丸─もとい太筋の手を取り握りしめ、速度そのまま、ぐるんぐるんと回り始めた。その姿はまるでハンマー(なげ)!!



  ( 'A`)「どうらぁっ!行って来い!!」



            「なぁっ!?」(゜∀゜;=



 遠心力を込めて射出された人間ハンマーが、行き(・・)の倍以上の威力を以て帰ってくる。



 常人ならば、迫る"弾丸"に反応すらできぬだろう。だがラグビー選手にとって、ライフル程度の弾速を避けることなど容易い。



 しかしそれが"弾道ミサイル"ならば、並のラグビー選手に残された時間は、その眼に涙を浮かべる、その程度だろう。



 だがしかし!"男"は、筋肉と戦うその"男"は、ただのラグビー選手ではない!彼は魔王立大学ラグビー部、そのヘッドコーチ!魔界大学ラグビー選手権にて7連覇、最強の名をほしいままにする魔王立大学ラグビー部の立役者!



 そのような"男"にとって、迫る"弾道ミサイル"が自らの肉体に着弾するまでの一瞬は、諦めや祈りのロスタイムではない!!ゼロコンマ数秒など、"覚悟"を決める、ウォークライには十分すぎる!!



    「おっしゃあ!!こいやぁ!!」(゜∀゜#=



(*^ω^)「敵ながらあっぱれな猛武(もののふ)よ!!」



  (*'A`)「滾る、滾るぞ!久しぶりに歯ごたえのある相手よ!!」



 筋肉は、まるでアスレチック広場に解き放たれた児童のように嬉々歓喜。拳で殴り、脚で蹴られ、膝をみぞおちへ落とし、手刀で胸を突かれる。ヘッドコーチと激しく肉体言語を交わし合う。



 しかし、忘れてはならない。ラグビーは団体球技。ヘッドコーチには15人の仲間(ユニオン)がいるということを!数は力、2対1では劣勢であっても、2対15ならば圧勝するは自明の理!!



   「皆!練習の成果を見せる時だ!」(゜∀゜=)



   「クラウチ!バインド!セット!」(゜∀゜=)



 ヘッドコーチの叫びは、スクラムの掛け声。「加勢を頼む」の符牒!



    「本番の試合と思えよぉぉ!!」(゜∀゜=)



               「……」(゜∀゜=)



 しかし、彼の叫びに呼応する"声"は、いつまで経っても返ってこなかった。おかしい。眼の前の"敵の最高戦力"は自分が食い止めている。コイツら相手は部員じゃ荷が重い。しかし、残る5人の敵ならば、数の力で圧倒できるだろう。



 できる、だろう……。     「……」(゜∀゜=)



            「なあ、おい」;=゜∀゜)



              「!!?」(=゜∀゜)



 ヘッドコーチが目にしたものは、グラウンドに死屍累々の部員たち。風に舞う砂けむり。目の前の戦いに夢中になって気が付かなかった、魔王立大学ラグビー部の完全敗北……ッ!!



   「残念だがこちらは元・天下七将」(゜-゜川



   「アマチュアなどに負けはしない」(゜-゜川



 惨状の上に悠々と立つ敵の姿。日傘を片手に凛と佇む彼女の顔は、ファンデーション一つくずれていない。



             「く、ぬ……」;=゜∀゜)



 呆然と立ち尽くすしかないヘッドコーチ。敵の数は1、2、3……いや数えずとも、最早こちらが圧倒的劣勢であることに違いはない。



 しかし、どうしてこうなった?話に聞いていた勇者の実力は、ラグビー部員の遙か下だと考えていた。レインボー7とて所詮は商人だろう、それにたった2人。数で圧倒すればよい。ゴブリンは知らん。



 そう。あの筋肉ダルマ2人さえ押さえれば……



( ∀ )「勇者ビームッ!!」



 その時だった。ヘッドコーチの思考は、横っ腹を貫く熱線に切り捨てられた。



             「ちぃっ……」(゜∀゜=;



 咄嗟に射線を遡ると、そこにはザコと切り捨てていた勇者が、肩で息をしながらも(じぶん)を睨みつけていた。魔女の肩を借りながら、それでもなお立っていた。



(;・∀・)「...はぁ............はぁ」



      「よくも、俺の教え子を……」(゜∀゜=;



 相手の力量を見誤っていた。此度の敗因は、それに尽きた。大会連覇の王者の慢心である。そして、彼らの指導者である自らが、次に取るべきは明らかだ。



 ヘッドコーチは膝を、手を、そして頭を地につけ、勇者の前に平伏。


    「頼む。これ以上……

     コイツらを傷つけないでくれ」(゜∀゜=)



「来月、大事な試合が控えてるんだ……」(゜∀゜=)



 腹から血を垂れ流しながら、それでも礼儀を失わぬその姿に、筋肉達は、満足げに頷いた。



  ('A`)「あっぱれ。部下を助ける為に、己が頭を下げるか」



( ^ω^)「やはり、ここで殺すには惜しい男だ」



(^ω^ )「どうする?勇者」



( ・∀・)「勿論。降参するなら、こちらもこれ以上、傷つける理由はないよ」



( ・∀・)「ただし、一つ条件を飲んで欲しい。この広い大学の案内をして欲しいんだ。僕らに付いてね」



 勇者のパーティには、魔王立大学について詳しい者がイエローしかおらず、彼についても大学の近況を知らない。情報を得たいが為、大学関係者の身柄を求めていた。



 ……さらに言えば、その身を人質にとる為。そこまでは、ヘッドコーチの考えの及ぶところであった。



        「……仕方ねぇ、それで」(゜∀゜;=



       コーチ!俺等はまだやれます!>



 膝に手をつき立ち上がり、条件を飲もうとした時、コーチの肩越しに部員一人が裂けそうな声を張り上げた。



 「バカ野郎!雑用(・・)に命をはるな!」(=゜∀゜)



  ('A`)「雑用?」



 筋肉は胸筋をピクリとさせる。



      「あぁ。俺ら"体操術科"は

      校内の警備を任されてんだ」(゜∀゜=)



   「"七科"の奴らが

   自分の研究に集中できるようにな」(゜∀゜=)



(゜-゜川「警備は警察や軍の仕事ではないのか?」



( ´_ゝ`)「魔王立大学のモットーは学内自治。権力の干渉を受けたくないってんで、大学には警察も軍も入れない。結界の中に大学を造った理由もそれだ」



( ´_ゝ`)「"七科"の奴らは研究に没頭したいんだよ」



      「おお、レインボー7の」(゜∀゜;=



「ずいぶん詳しいな。ここの出身か?」(゜∀゜;=



( ´_ゝ`)「まぁな。しかし、お前ら自治を放棄してもいいのか?」



   「いい機会だ。

   "七科"の連中にも働いて貰おう」(゜∀゜=)



  「"体操術科"を下に見て、

  いつも俺らに雑用を押し付けて!」(゜∀゜=)



          「昔なら……!」(゜∀゜=)



 コーチの拳に力がこもる。鬱憤が溜まっていると見えた。



( ・∀・)「あの、さっきから"七科"っていうのは何?」



(゜、゜*)「七賢将となにか関係が?」



「ん?ああ、そうか。人間は知らねぇか」(゜∀゜=)



「"七科"ってのは七賢将がもつ研究科だ」(゜∀゜=)



( ´_ゝ`)「七賢将は、大学じゃ"諸師七科"と呼ばれている」



 イエローはいい機会だと、"諸師七科"もとい七賢将をついて話してくれとコーチに頼んだ。そして、コーチ曰く……



   「それでは紹介しよう!

   魔王立大学の誇る"諸師七科"!」(゜∀゜=)



世界の翻訳・"数学"を統べるは、()老師(-ハ- )!



意味の創出・"言語学"を司るは、(ウェン)老師(pハ・)!



未知の観測・"天文学"に挑むは、(ユー)老師 (´ハ`)!



既知の分化・"史学"を担うは、(リー)老師 (´ー`)!



完全の追求・"美術"の先駆者、(メイ)老師 从 ゜∀从!

 

 

世間の調律・"音楽"の指揮者、(シャン)老師 (*‘ω‘ *)!



           「……そして……」(゜∀゜=)



叡智の展開・"魔法学"を導く、()老師(□-□ )!



(゜、゜*)「!……」



( ・∀・)「……」



(゜-゜川「?」



(;´_ゝ`)「!?おい、ちょっと待て!」



           「?どうした?」(゜∀゜=)



(;´_ゝ`)「"魔法学"の指導者の称号は……七賢将のリーダーは(ファン)老師だろ!?」



(゜-゜川「あ、そうだ。たしかに以前に聞いていた名と違うな」



「……そうか、結界の外は、まだだったか」(゜∀゜;=



 レインボー7の二人の反応をみて、コーチは残念そうに肩を落とした。



   「(ファン)老師は先日、亡くなった……」(゜∀゜;=



(;´_ゝ`)「な……っオヤジが……?」



 動揺するイエロー。と、その時だ。グラウンドの果てからガチガチの鉄甲冑姿の騎士が、ガッシャンガッシャン音をたて、猛スピードで駆け寄ってきた!!



「ヘッドコーチ殿!

「敵に、そこまで詳しく語りなさるな」( - ノハ



 その異様な姿に筋肉たちも動揺せずにはいられない!



(;^ω^)「なっ、何奴!?」



  (;'A`)「この気、かつて似たものを感じた事がある!貴様はっ?」



          「あ、あなたは!」(=゜∀゜)



    「ふむ。名乗りは武士(もののふ)の礼儀か」( - ノハ



 鎧をまとい、兜を被りながらの全力疾走に騎士は息切れ一つせず、皆の視線を集めながら顎に手をやり考え事。悠長とみるか、余裕とみるか。



「武曲はああ言っていたが……

私は武士(もののふ)というガラじゃないんだがなぁ」( - ;ノハ



「まぁ、ウダウダ言っても仕方がないか」( - ノハ



 ひとり納得すると、騎士は兜をとる。現れたのは、見目麗しき女騎士!!



 「私は七星将が一騎、"禄存(ロクゾン)"!!」(゜△゜ノハ



(;・∀・)「し、七星将だって!!?」



(゜、゜*)「聞いてないわよ!?」

( ^ω^)「……ふむ」



( ^ω^)「なぁ、"筋肉その2"よ」



  ('A`)「どうした"筋肉その2"」



( ^ω^)「4月って、知り合いが一気に増えるから名前と顔がゴチャゴチャと分からなくなるよな」



  ('A`)「まぁ、何が言いたいのかは分かる」

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