第2話 決闘!クソデカ・タンクローリー!!
( ^ω^)「前方から暴走クソデカ・タンクローリーだぁッ!!」
('A`)「鍛え上げた肉体をなめるなぁっ!!」
( ^ω^)「うぉぉぉぉッ!!!」('A`)
( ^ω^)「で、異世界ってワケ」
( ・∀・)「高度な自殺ですね」
('A`)「自殺じゃないッ!これは敗北=死の、正当な決闘ッッッ!」
( ^ω^)「俺等の死は、誉れある決闘死だッ!!」
(゜、゜*)「アンタ達が死んだ理由はどうでもいいわ。聞きたいのはその化け物じみた強さよ……一体何者なの?」
( ^ω^)「?……俺等が、強い?」
('A`)「嬢ちゃん。今の話聞いてたか?俺等は決闘に敗けて死んだんだぞ?」
('A`)「弱いだろ」
(゜、゜*)「いやいや!"魔石"の影響で強化されたゴブリンの群れを、ゴブリン王ごと皆殺しにしといてそれは無いでしょう!」
( ^ω^)「っても、王の首を獲るのに結局5分以上かかっちまったしなぁ」
ゴブリン王の首→(Ф■Ф)
( ・∀・)「この世界じゃ十分強いですよ。強すぎます」
('A`)「そうなのか?俺等の世界とは随分違うなぁ」
(゜、゜*)「どんな世界よ……」
──26XX年!第五十五次世界大戦、勃発ッッ!!
──度重なる戦争により焦土と化した地球、世界人口は遂に一千万未満のスペクタクル突入ッッ!!
──この事態に、人類は一つの悟りを得たッ!!
──争いが起こるのは人類一人ひとりの心と肉体が"弱い"からである!
──己が心を律せよッ!己が肉体を鍛えよッ!
──人類全体が"強く"なり"徳"を備えれば、必ずや闘争は治まらん!
('A`)「鋼の肉体に鉄の心を宿した民草は、もはや葦では無く、鉄筋であるッ!!」
('A`)「鉄筋で造られた家が災禍に靡くことなどあろうかッ!法の支配は終わりを告げたッ!!」
( ^ω^)「古代中国の賢者・徳子曰く"修己治人 之 己治国家 也"ッ!!」
(゜、゜*)「鍛えただけで、普通そんな強くならないでしょ」
('A`)「まだ分からんか」
( ^ω^)「ならば教えよう!俺等が果たした修業の一部をッ」
( ^ω^)「人生初の修業は、三歳の誕生日ッ!!千尋の谷への『身投げ』だぁッッ!」
( ・∀・)「は?」
('A`)「谷底で獣を倒し、その肉を喰らう日々を越え、五歳の日、崖を登ることを許されるッ!!これが人生第二の修業ッ『崖登り』ぃッ!!」
(゜、゜*)「まずなんで身投げして死なないの?」
( ^ω^)「こうして七歳になった子は、遂に成人として認められ、初等学校へと入学する……これが人生第三の修業だ」
(゜、゜*)「勉学も修業に入れる理性が腹立つわね」
('A`)「余談だが、これら三つの通過修業を、俺等の故郷ネオヤマトでは『七五三』と呼ぶ」
( ^ω^)「やってみる?」
(゜、゜*)「死ぬわよ」
(;・∀・)「僕も止めておくよ」
('A`)「そうか。それも良し」
(゜、゜;)「でも、そんな修業……強くなるはずね。驚嘆するわ」
( ^ω^)「んでも俺等は学校じゃあ落ちこぼれでよォ……初等部から高等部まで、体育の成績はずぅ~っと『がんばりましょう』なんだ」
( ・∀・)「十分頑張ってるじゃないか」
('A`)「がんばっても結果が出ないんじゃあな。んで大学入学の切符を手にする為に、起死回生でタンクローリーとの決闘に臨んだわけだが……」
(`;A;)「ぐ……まだまだ……"弱い"なぁ……俺等」
(`;ω;)「"強く"……なりてぇ……ッ!!」
(;・∀・)「……」
( ^ω^)「おっと、自分語りが長くなっちまったな。今度はそっちの話を聞かせてくれないか?アンタはなんで"勇者"なんて呼ばれてるのか、そして」
('A`)「ゴブリン王の首に掛かっていた、この妖しい気を放つ"宝石"がなんなのかをよ」
(゜、゜*)「勇者……」
( ・∀・)「もちろん、話すよ。とは言っても君達の世界とは違いすぎて、想像が難しいかもしれないけど」
──この世界には、人族と魔族という2つの種族がいる。
──僕ら人族の国は、魔族の中でも"魔王"という存在と争いをしている。
(゜、゜*)「大丈夫?ついてこれてる?」
('A`)「バカにすんなよ?」
──そして、つい1年前のことだ。僕たちの国王は魔王と戦い、遂にその力を弱らせることに成功した。
(;・∀・)「だが、とどめを刺そうとしたその時だ。魔王は力を回復しようと自らを"魔石"へ封印したんだ!!」
( ・∀・)「封印を解かなければ、魔王を倒すことは出来ない!!」
( ^ω^)「"魔石"ごとぶっ壊せば?」
(゜、゜*)「あなたが持っているものが、何を隠そうその"魔石"の破片よ」
(;^ω^)「えぇ!?」
('A`)「破片ってことは、"魔石"はもう壊れてるのか?」
( ・∀・)「うん。"魔石"って要は魔力を溜め込みやすい宝石なんだけど、魔王の魔力が強すぎて、封印の瞬間に砕けて、破片が散り飛んだらしいんだ」
(゜、゜*)「けど、それこそ国王様の刃から逃げる為の、魔王の狙いだったの!魔王の封印を解くには、世界中に散った魔石を集めなければならない!」
(゜、゜*)「その間に、魔王は着実に力を回復……いや、今以上の力を蓄えようとしているんだわ!」
('A`)「なるほど。ということはつまり、勇者っていうアンタは、その魔王が封印された"魔石"の欠片を集める為に遣わされてんだろ」
( ・∀・)「その通りだ。察しが良いね」
('A`)「勇者が宝石を集めるなんて定番なんでな」
( ^ω^)「お前頭いいな」
('A`)「けど、そういうことならモタモタしてられないな。早く残りの"魔石"を集めないといけないんじゃないか?」
(゜、゜*)「──いいえ。それは違うわ」
(゜、゜*)「魔石が魔王を封じ込める扉だとしたら、封印を解くには"四宝"という鍵が必要なの。そして、魔王はその"四宝"を臣下である"四天王"に護らせている……」
( ^ω^)「なるほど。ということはその四天王という奴らも倒さないといけないのか」
('A`)「ゴブリン王は……流石に四天王じゃねぇよな。四天王の配下ってところか?」
(゜、゜*)「──いいえ。それは違うわ」
('A`)「!?」
(゜、゜*)「"四天王"は"四宝"をそれぞれ七つに分けた。これを"七片四宝"と言うわ」
(゜、゜*)「そして"七片四宝"を、彼らの配下の将である天下七将──"七星将"、"七賢将"、"七罪人"、"レインボー7"に護らせている」
('A`)「いくらなんでもレインボー7はダサすぎんだろ」
( ^ω^)「七罪人はもうそれただの7人の犯罪者じゃん」
( ・∀・)「しかし、どの将も一騎当千の強者。油断はできない」
('A`)「そりゃあそうだけどさ……というか敵が多くない?"七片四宝"ってことは7×4で……28人と四天王合わせて32人も倒さなきゃいけないのか?」
(゜、゜*)「──いいえ。それは違うわ」
('A`)「いい加減にしてくれない?」
( ・∀・)「天下七将は既に"魔石"を全て手中に収めていて、各々の部下、例えば、そのゴブリン王等に護らせている」
(゜、゜*)「その数……98ッッ!!」
('A`)「100でいいだろもう」
(゜、゜*)「7で割り切れないじゃない」
( ^ω^)「水増し感が酷いなコレ」
(;・∀・)「魔物を統べている国だからね……それだけ層が厚いということさ」
('A`;)「勇者……アンタも大変なんだな」
( ・∀・)「まぁね」
('A`)「でもよ、どうせ上の人間から勝手に頼まれただけだろ?逃げちまえばよかったんじゃねぇか?」
(;・∀・)「へぇ?」
('A`)「さっきの戦い、ちらっと見ただけだが、勇者、あんた戦闘に関しちゃ素人だろ」
( ^ω^)「うむ。庇ってもらってなんだが、体捌きがぎこちなかった」
('A`)「そんな素人に、こんな重大な任務……とても正気とは思えん。従う義理もないだろう」
(;・∀・)「そ、それは……」
(゜、゜*)「ちょっとアンタ達、これは王の勅令よ!?私達臣民は従う以外ないのよ!」
('A`)「そうなのか?よく分かんねぇな、その感覚」
(^ω^ )「まぁまぁ。俺等は所詮門外漢。よその国にはその国なりの事情があるのだろう」
( ・∀・)「……そうだ。確かに二人の言う通り、僕は弱い。一年前までただの村人だったからね。神託があったからと勇者に選ばれ、ろくな訓練も受けずに放り出された」
( ・∀・)「それでも、誰かがやらなくちゃいけないんです」
( ^ω^)「なぜだ?」
(・∀・;)「それは……」
(゜、゜*)「?」
( ・∀・)「僕が逃げても、どうせ第二第三の勇者が選ばれるんだ。だったら……この身一つで沢山の人を守ることが、もしかしたらできるかもしれないなら、僕がやるしかないんだ」
('A`)「ふむ。つまりは人の為か」
( 'A`)「なあ、おい。どうだ?」
(^ω^ )「うむ」
(^ω^ )「勇者。どうか俺等も、その途方も無い旅路に付き合わせてもらえないか?」
(;・∀・)「……えっ!?」
(゜、゜*)「ほんと!?アナタ達がいれば、百人……いや万人力よ!!」
(;・∀・)「で、でも……なんで?というより元の世界に戻らなくてもいいのかい?」
('A`)「俺等は今まで、己の為だけにこの肉体を鍛え続けてきた。だが、それじゃあダメだった。結局は強くもなれず、タンクローリーに殺されちまった……己の身一つ、守れなかったわけだ」
( ^ω^)「だが勇者。お前はどうだ?」
(;・∀・)「ぼ、僕?」
( ^ω^)「確かにお前は肉体が弱い。筋肉が細い。絶対的に経験値が足りない。はっきり言ってザコだ」
( ・∀・)「男にザコって言われても嬉しくないんだよッ!」
(゜、゜*)「嬉しい相手が存在するの?」
( ^ω^)「……だが、それでもしっかり俺を守ってくれただろう?」
(;・∀・)「で、でも、結局守れなかったじゃないか。君の頭は傷一つつかなかったけど」
( ^ω^)「こまけぇこたぁいいんだよ!俺は死んでねぇ!」
( ^ω^)「勇者、お前は力不足を分かった上で、俺を守った。それだけじゃない、人間全部守ろうなんて大層なことを言ってのける……その意気や良しッッ!」
( ^ω^)「俺等は勇者の心に金剛石を見たッッ!!」
('A`)「人の為に力を使うことが、己を成長させてくれる、お前を見てそう確信したッ!だから勇者の人助けを俺等にも手伝わせてくれ。そうすれば俺等はもっともっと強くなれるッ!」
('A`)「これも修業ッ元の世界に帰るのはその後だ!それまで存分に俺等の力を使ってくれッ!!」
( ^ω^)「眼前の壁は全て俺の鋼拳と」「俺の剛脚が打ち砕いてやるッ!」('A`)
( ^ω^)「今日から俺等がお前の筋肉だッ!!」('A`)
( ・∀・)「ありがとう、買い被ってくれて」
( ・∀・)「よろしく頼むよ」
( ^ω^)「応ッ!!」
('A`)「それと一飯の恩だな。嬢ちゃんの飯、旨かったぜ」
(゜、゜*)「即席スープよ?」
( ^ω^)「旨いことに変わりないさ。なにせこの数週間、タンクローリーとの決闘に備えて毒蟲と酸液しか口にしてなかったからな」
(゜、゜*)「一体何を備えていたの?」
(゜、゜*)「死?」
('A`)「ところで"魔石"って奴は今、どれくらい集まっているんだ?」
('A`)「今の実力じゃ"七片四宝"は手に入れられて無いだろうが、まさか、このゴブリンのが1つ目だったり?」
(゜、゜*)「──えぇ。その通り。これが1つ目よ」
('A`)「『いいえ。それは違うわ』って言うところだろうがよ……」