第13話 勇者凱旋!明かされる王の胸中!!
【登場部族紹介】
( ´∀`)【モ部族】:人族の人口の5割を占める巨大なグループ。服飾や体型以外では見分けがつかないくらいに一様に似た顔をしている。本人たちはちゃんと誰が誰か分かるらしい。細かい事には無頓着かつ穏やかな性質。これほどまでに大きな部族になったのも、その長いものに巻かれていく民族性が良い方向に働いたのだろうとみる学者も多い。
( ´_ゝ`)【魔族】:十把一絡げに魔族と言っても、内部には大小あわせて数千の部族が存在する。生物学的には人族と同じで、生殖も可能(コーカソイドとネグロイド程度の僅かな差しかない)。故に【魔界に住む魔族】・【人間界に住む人族】という区分は単なるイデオロギーでしかない……とは魔族側の言い分。
人間からしたら魔族の姿かたちは千差万別(皮膚の色が青色や緑色の魔族はザラに居る)であるし、言語を介さないモンスターと共生したり、それら従えている魔族は、やはり特異な存在なのである。
( ФハФ)【ゴブリン族】:モンスター図鑑No.001。かつて世界を支配していたことも有るとか無いとか伝承が残っていたり、残っていなかったりするモンスター。大抵のゴブリンはカンタンな言葉しか話せず、本能のままに食って寝て繁殖しているが、たまに頭の良い個体が現れる。ただ、得てしてそういう個体は親ゴブリンや所属する集団の頭が良かったりするので、そういうことかもしれない。
( ・∀・)【勇者】:勇者に選ばれるのは〇〇族の末裔のみ……とか、そういう縛りはない。強いて言えば女神を信仰する人が対象。ただ、モ部族から勇者が選ばれた前例は無いらしい。
※部族じゃないけど紹介
( ^ω^)【ネオヤマト】:国技はガチ・スモウ。法ではなく徳によって治められている己治国家であり、筋肉ムキムキマッチョメンが街を跋扈している。皆が皆、鋼鉄の道徳心により己を律している為、犯罪率はほぼゼロ。処刑方法は切腹。
※正確には部族や民族ではなく国家だけど紹介
(;´∀`)「王様ッ!王様ッ!一大事ですッ!!」
(・ハ・ )「そんな騒ぎおって、何が起きた?」
(;´∀`)「そ、それが城下に……ヒュ……ヒュー、サく……あの」
(・ハ・ )「呼吸困難になるほどの事態……」
(・ハ・ )「魔王復活した?」
(;´∀`)「ゆ、勇者くんが、帰ってきましたッ!!」
(・ハ・;)「勇者くんが……ッ!!なんだってェッ!?」
(;´∀`)「ど、どうしましょう。準備が間に合うでしょうか?」
(・ハ・;)「……ぐっ、準備不足。だが……」
(・ハ・ )「えぇい!そんな事を気にしている場合ではないッ!!」
(・ハ・ )「祝・勇者くん凱旋式典ッッ!!スタートじゃあッ!!」
【第13話 勇者凱旋!明かされる王の胸中!!】
(;'A`)「なんだぁ……こりゃあ」
勇者の故郷・モブラキヤ王国の王都へやってきた筋肉達。彼らは都市の入り口たる城塞門を通ると目を疑った。
「勇者くん!勇者くんが帰ってきた!」(´∀`1)
「勇者くんの凱旋だ!!」(´∀`2)
「Foo↑↑↑」(´∀`3)
筋肉と勇者の前に広がるのは群衆の海原。彼らは勇者を一目見ると熱狂し、黄色い歓声を上げた。
( ´_ゝ`)「熱烈歓迎だな」
(^ω^ )「愛されてんなぁ勇者」
(;・∀・)「まぁ……そうなのかな?」
(゜、゜*)「出発の時よりも勢いが増してるわね」
しかしいつまでも圧倒されている訳にはいかない。集まってくれた人々には申し訳ないが、今回の帰郷は王様に会う為のもの。勇者が宮殿へと歩きだすと、どこぞの預言者の如く葦の海は見事に真っ二つ。城への道が開いた。
「こんにちは勇者くん!会えて光栄だ!」(´∀`1)
「僕らが平和に過ごせるのは君のお陰さ」(´∀`2)
「どれ、ちょっと拝ませてくれないか?」(´∀`3)
「握手してくれたりもいいかい?」(´∀`4)
「息子の頭を撫でてやってくれ」(´∀`5)
「おぉ……後光が……」(´∀`6)
(;・∀・)「ははは、ありがとう、みんな」
(;'A`)「帰りたくないって、こういうことか」
(゜、゜;)「こんなに持ち上げられたら、誰だって気恥ずかしいでしょ?」
( ´_ゝ`)「実力以上だから、なおさらだな」
「ムキムキの二人は旅先で出会った仲間?」(´∀`6)
「勇者くんよりも強そうな筋肉してるねぇ」(´∀`7)
( ^ω^)「はっはっは。流石の勇者様には敵いませんや」
( ^ω^)「ま、腕力だけなら負ける気はしませんがねっ!!」
「わっはっは、こりゃあ心強いや!!」(´∀`7)
「どうか勇者くんを守ってやってくれよ!」(´∀`8)
( ^ω^)「……おう!そのつもりでぇ!!」
宮殿へと入った後も、勇者への歓声や労いの声は、ついに止むことはなかった。
( ^ω^)「あれは嘘やおべっかではないな。この国の人々は、本当に勇者を大切に思っているのだな?」
('A`)「洗脳とか、女神のもたらした"力"なのか?」
(゜、゜*)「どうかしらね。勇者自体は王国が祭り上げたものだけれど……」
('A`)「いや、レインボー7が言っていたんだ。勇者は人々の心を動かす力を持っていると」
(゜、゜*)「そうなの?」
('A`)「これもその影響か?イエロー」
( ´_ゝ`)「さぁな。だとしたら恐ろしい力じゃないか?無意識に人を魅了するなんて」
イエローは窓越しに群衆を横目にみると、鼻で笑った。
( ´_ゝ`)「案外、お前らもこの能力に引っかかってんじゃないか?」
('A`)「……どうだろうな」
( ・∀・)「……」
勇者は、王が居るという玉座の間に着くまで、一言も発さなかった。
(・ハ・ )「おおっ勇者くん……!待っておったぞ!!」
(;・∀・)「王様、僕みたいな人間にまた、こんな豪勢なことは……」
(・ハ・ )「良いじゃないか。せっかく、君が帰ってきたんだ」
王の前に膝をつく勇者。玉座に腰をおろしたまま、王様は勇者の手をそっと握ると、涙を流した。王の手は、その老いた顔と同じように皺々で、浅黒かった。
(;ハ; )「本当に、本当に……無事で良かった」
その光景に、勇者の後ろから冷ややかな目線を送る彼の仲間達。
(;'A`)「気色悪いと思ってしまうのは、俺の性格が悪いだけか?」
( ´_ゝ`)「いや?俺もそう思うぜ?」
(゜、゜*)「反証にならないわね」
そんな彼らの戯言を聞いているのか、いないのか。王は勇者に訊ねる。
(・ハ・ )「して、後ろの者たちは……今の仲間かい?」
( ・∀・)「はい、みんな心強い味方です」
(・ハ・;)「なんかゴブリン居ない?」
( ^ω^)「あ、これペットです」
( ФハФ)「ペットゴブ」
(・ハ・ )「おいおい勇者くん。玉座の間はペット不可だよ」
( ФハФ)「しかし人間の王。外に独りで居たら衛兵がワシを殺してしまうゴブ」
( ФハФ)「王の御前に居た方が、ずっと安全ゴブ」
(・ハ・ )「それもそうだ」
( ФハФ)「あっはっは!!」(・ハ・ )
( ^ω^)「どういう感情で笑ってんの?」
(・ハ・ )「さて前置きが長くなったな。勇者くん。ひとまず聞かせてくれないか?国へ帰ってきた理由を」
(・ハ・ )「旅の報告は不要だと言ったはずだ。用があればこちらから特使を遣わす。それよりも、君には一刻も早く魔王を復活させて欲しいのだ」
(;・∀・)「そ、それは」
言葉に詰まる勇者の肩を筋肉が叩く。
('A`)「王君殿。これは私どもが勇者にお願いしたこと」
( ^ω^)「勇者はその寛大な心を以て、私どもを貴君の前に連れてきてくれたのです」
(・ハ・ )「む。その筋肉……お主ら二人は結構な手練れとみえる」
王は目を細め、筋肉が身の筋肉を舐めるように見る。本日の筋肉は、謁見にあたり高級な馬オイルで全身をコーティング中。勿論ネオヤマトの正装たる褌一丁。
筋肉の姿に動揺の一つも見せない王。これぞ万民を統べる者の器、異文化理解の猛者。
('A`)「流石王君、お目が高い」
(^ハ^ )「これでも現役時代は結構強かったんでね?」
その長く垂れ下がった白ひげを持ち上げ、老獪に笑う。その言葉は、しかし、嘘ではないと、筋肉は見抜いていた。
( ^ω^)「たしかに。その分厚いマントの奥に隠された大胸筋の鼓動……」
( ^ω^)「大地を踏しめるように、重く低く。それでいて万雷の拍手のように、軽やかに高く……人の歴史が重なった良い音だ」
( ^ω^)「それ故に、僅かな乱れが惜しい」
('A`)「魔王と戦った時に得た傷は、それほどなのでしょうか?」
(・ハ・;)「!!お主ら……ッ!!」
(・ハ・*)「相当やりおるな?……ふふ、勇者くん。良い仲間を得たな」
( ・∀・)「自分には過ぎた者たちです」
王は目を皿にしたが、それも一瞬。すぐに嬉しそうに破顔した。
(・ハ・ )「よいことだ。それで……お主らが私との謁見を求めた理由は?」
(・ハ・ )「それほどの筋肉。よもや、褒美や名誉の為ではあるまい?」
('A`)「勇者の主君が、勇者を庇護するに相応しい者かを見定める為」
(´∀`#)「んなっ!ぶ、無礼者が!!」
( ・ハ・)「よい」
筋肉の口から出た言葉をたたっ斬るが如く、玉座の側に居た騎士は激昂し剣を抜くが、王はそれを収めさせた。
( ^ω^)「我らは王君の素性を知らぬ。品行を知らぬ。知らぬものを知ろうとすることに無礼などあるものか」
(・ハ・*)「ふふ。面白い……王の道徳を疑うか」
王はニヤリ口角を上げる。
(・ハ・ )「しかし、お主らの気持ちは理解できぬ訳でもない。お主らが疑っているのは、私の、勇者への背信だろう?」
(・ハ・ )「私が勇者を、魔王を射る為の一矢の如く扱っているのではないか。魔王を倒せば用済みと刺客を差し向けるのではないか。そんなところか?」
('A`)「話が早くて助かります」
(・ハ・ )「私は"勇者"を、とても大切に思っている。"勇者"は人間の、いや人間界の希望だ。そんな者を、私が蔑ろにするはずがどこにあろうか!!」
(・ハ・ )「なぜならば、それは私が人族の王、万民の庇護者であるからだ!」
(・ハ・ )「我が両腕は民を庇う為、我が両手は民と握り合う為、そして我が拳は、民に仇なす者を討つ為にある!」
(・ハ・ )「……」
(・ハ・ )「言葉なら、いくらでも紡げよう。だが、それでは満足せんだろう?」
( ^ω^)「うむ。肉体言語ならば別だが」
(・ハ・ )「……残念だ、本当に残念だ……お主らが来るのが、も少し早ければ」
(・ハ・ )「望み通り、拳で語り合えたのに!!」
( ^ω^)「……」('A`)
王は、玉座の前に仁王立ち、首を青筋を立てながら声を張り上げた。
(・ハ・ )「勇者、そしてその仲間よ。貴君らに敬意を示し、我が道徳を証明するが為、見せてやろう!!」
(・ハ・ )「これこそが、我が使命であり我が覚悟!!」
マントを剥いだ王の左胸には大きな洞が空いていた。
彼の背後の壁が文字通り筒抜けに見える。
(・∀・;)「うっ!」
(-、-;)「ちょっと、どうしたの?なに、何を見せられてるの?」
勇者は咄嗟に魔女の目を塞ぐ。剥き出しの血肉が、うぞうぞと虫のように蠢いていたからだ。
(;'A`)「ま、魔法なのか?」
(;´∀`)「お労しや、国王様」
(・ハ・ )「お主らも知っているだろう。魔王がこの城に強襲をかけたことを。これは、その時に受けた傷だ」
(・ハ・ )「魔王が爪の一突きは、私の心臓を貫いたのだ」
(;^ω^)「よく……それで生きているものだ」
(・ハ・ )「優秀な臣下の魔法のおかげだ。城から出れば朽ちてしまうがな」
(;・∀・)「待ってください、国王様は見事、魔王を退けたのでは!?」
(・ハ・ )「ああ。心臓を貫かれた程度で戦意を失う程、耄碌しておらぬ!!」
(・ハ・ )「左の胸を貫かれたら、右の頬をぶん殴るッ!!」
(^ハ^ )「渾身の拳骨で城の外まで吹っ飛ばしてやったら……くくく、奴め、そのまま粉々に砕け散りおったわッッ!!」
( ´_ゝ`)「化けモンかよ」
(・ハ・;)「ま、すぐに打ち損じてしまった事に気がついたんだがの」
('A`)「魔王自身を魔石に封じて云々って話だったな」
(・ハ・;)「うむ……迂闊だった。そして私はこの通り、怪我を負ってしまって動こうにも動けぬ」
(・ハ・;)「そして臣下の『王下十二騎士』と『王下八大家』、そして彼らの配下『士支三十番』及び『支柱六十四道』。彼らも人間界の統治や守護により、不用意に行動を起こす訳にはいかない」
( ^ω^)「なんかサラッとドでかい人数の組織が出てきた」
(・ハ・ )「そこで『魔石』と『四宝』を集める為に、"勇者"が選ばれたのだ!」
(・ハ・ )「魔王の封印を解き、そして……ッ!!」
(・ハ・ )「次こそ、私の拳で魔王の息の根を止める為にな!!」
(・ハ・ )「たとえ心の臓腑を失えど、残る両腕で民を守る。これこそが我が道徳なり!!」
( ^ω^)「己が手で決着をつける、その意気や良しッッ!!」
('A`)「しかしそれなら、何故こんな弱い勇者が選ばれる!?」
(・ハ・ )「神託で決まったこと!私にも分からぬ!」
(・ハ・ )「……最初は私も不安だった。それこそ、騎士団の腕っぷしの方が適役ではないかとな」
('A`)「ならば、何故そうしなかった!?俺が解せないのは、そこだ。なにもコイツ任せにしなくて良いじゃないか」
(・ハ・ )「それは、お主らの方が分かっているだろう?」
('A`)「なにっ」
(・ハ・ )「勇者は見事、天下七将最強の武曲を打倒し、レインボー7をも落としたそうじゃないか!!」
(・ハ・ )「"勇者"はただの腕自慢では駄目だったと、私は此度の報告で確信した!神託は正しかったのだ!」
('A`)「結果論だ。偶然、俺等が助けなければ死んでいたぞ?」
(・ハ・ )「"勇者"だからこそ、お主らは助けたのだろう?」
( ^ω^)「ぬ?」
(・ハ・ )「"勇者"とは、そういう存在なのだ!人々は皆、勇者を応援したくなる、助けたくなる!人々の期待を集め、勇み征く者こそが"勇者"!!」
(・ハ・ )「勇者を選んだのは神の意志、だが勇者を"勇者"に相応しいと認めたのは、民の総意!」
(・ハ・ )「王として、民意を蔑ろにする訳にはいかぬ!」
王は拳を握り、天蓋を仰ぐ。その頬に涙が垂れる。
(・ハ・ )「……私の心も民と同じだ。勇者くんが居なくなれば、ぽっかりと胸に穴が空いてしまうだろう」
(・ハ・ )「そして、ずっと心配だった。あのか弱き勇者のことだ……魔物に殺されてしまうかもしれぬと」
(・ハ・ )「だが!お主らのような強き者が側に居れば、もう安心だ!これからも、勇者を守るためよろしく頼むぞ!」
(*^ω^)「応ッッッ!!どんと一丁まかせてくれぃ!!」
(*´∀`)「流石は我らが王様。懐が深い!!」
( ´_ゝ`)(おい細筋。満足か?)
イエローが筋肉の耳元に囁きかける。
('A`)(腹五分目と言ったところか。はぐらかされている気がしないでもないが、ここで追及できる雰囲気ではないな……それに)
( ´_ゝ`)(それに?)
('A`)(王を怒らせてしまった場合、この宮殿から無事に出られる気がしない)
筋肉の額に汗が滲む。この胸の震えは自らを殺せよう力への恐怖か、もしくは自らを討ち負かせよう強者に相対した喜びか。
いや違う。それらならば、武曲と戦った時に既に覚えている。
(・ハ・ )「あ、そうだ。勇者くんもその仲間達も、夕ご飯食べてく?というか食べてって」
(・ハ・ )「勇者くんが帰ってくるから、王都のシェフ集めて晩餐会を企画したのだ」
(*^ω^)「うおおおッッ!!是非!!」
( ´_ゝ`)「そりゃありがたい。この国の飯は旨いからな」
( ・∀・)「せっかくですから、ご相伴に預かります」
( ФハФ)「ペットは同伴可か?」
('A`)(心腑なき故か底知れぬか……ひとまずは彼が"敵"でないことに安堵すべきかな)
(-、-*)「ねぇ、いつまで目を瞑ってればいいの?」
(-、-*)「途中から全然話はいってこなかったんだけど」




