きっかけ
これをお読みの皆様は「スピリチュアル」と聞いてどんなイメージを持つだろう?
怖い?怪しい、非現実的、超常の力、不思議…
どれもその通りかもしれませんね。
もしかしたら、詐欺師…なんてイメージする方もいるかもしれません。
この物語はそんな世界に生きるある男の話
非現実的であり、奇妙でありながら身近な話
まず初めにこの男の紹介をしましょう
藤原 蒼太
27歳
独身
職業 雑貨屋の雇われ店長
20代の頃は売れないパンクバンドで歌っていたが、
バンドの解散後、バイト先にそのまま就職
見た目はライダースとシルバーアクセサリーが
似合うスピリチュアルとは掛け離れた男
この手の話の主人公によくある、幼少の頃から霊が視えて…とかいう事はないが、両親の信仰心が強く、一般的な家庭よりお寺や神社に参拝する事が多い環境で育った。
今は実家を出てひとり暮らしをしている。
店長には昇格したばかりで、アルバイト時代から一緒に働いている従業員には完全に舐められている
休みの日に電話してきて「あんた!!!今どこにいるんだ!?」
「いきなり何?どうした?」
「母店の研修に出席してないって連絡きましたけど!どうなってるんですか?」
「それは母店の担当さんに日程が合わなくなったから、欠席しますって伝えてあるけど?」
「あ!そうだったんですね。」
ガチャ…プープープー
といった感じで、完全に舐められていた。
他の従業員からも休みの日に電話
「準備してもらったセールのPOP文字の様式違いました。これ、店長が準備して間違えたから、自分でやり直して下さい」
と…酷い職場となっていた。
自分自身、店長としての仕事は右も左も分からない状況下でやっている為、上司からのお怒りの連絡も毎日のようにきていて、精神的に参っていた。
また、仕事は別に大きな悩みを抱えていた。
それは、少し前まで同棲していた彼女がおり、3年程一緒に暮らしていてたが、金遣いが非常に荒い女で、自分名義で約一年で300万以上の借金を作り、生活もままらない状況にされ、お金の面と性格も合わず別れたばかりだった。
別れて正解ではあったが、その女は一銭も支払わないので、半ば強引に追い出した。
お金の面は、自分の両親に明かし、融資してもらいながら、何とか生活している状況だった。
正直全てが上手く行かず、仕事帰りに「あ…来年俺、笑ってるかな?…はは…ってか生きてるかな?」って思う事も多くなり、心が辛くなると家の近所の公園のベンチに座り、タバコ吸って気を紛らわす
そんな日々を過ごす中で、あのおじさんに出会った。