7/10
long good bye
手紙の内容自体には、これといった感想はあまり持たなかったが、自分自身の精神的かつ個人的なところにおいて、「手紙を読む」という行為によって、とても大切な何かが終わったような気がした。だが、そのことで悲しんだり、ましてや涙を流したりすることなんて決してない。強がりではなくて、実際その通りだった。深呼吸をして、窓の外を見た。空は雲ひとつない快晴であった。それも気味が悪くなるほどの。それから、冷たく深い井戸のような胸の奥から、水死体が浮かんでくるように、やっと喪失感のようなものが込み上げてきた。
「これからは、僕は自分自身の残された人生を浪費しなければならない」
「だから、君とはお別れだ。」
「さようなら(さよなら)」
「さようなら」
さようなら。
僕は家を燃やして、その場を立ち去った。
んー?