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魔法の国と異世界転移者  作者: 旅人サン
10章 オペレーション・スターダスト編
84/150

84話 ネバーランドに向かえ

 


 翌日、私はレナとエレオノーラと共にベリアにあるカフェ、ネバーランドに向かうことにした。


 ドレス姿だとかなり不自然で目立つため服はエトに貸してもらってマリー陛下と勘違いされない様にフードを被る。



「おしゃれな店ですね」

「久しぶりだなぁ、ガイルさん元気にしているかな」

「他国の危機だからご主人様の命で来ているはずなのに、何か妙に緊張感がないのよね」



 3人は店に入ると上半身が人で下半身が無数の足を持つ店員が接客をしていた。いわゆるスキュラという種族だろう。



「いらっしゃいませー!お客様何名でしょうか?」

「あのーガイルさんいますか?」

「え、店長ですか?少々お待ちください」


 スキュラは店の奥にいってしばらくすると奥からムキムキマッチョな男が出てくるとレナとエレオノーラはその男を警戒する。


「あら、真理ちゃん?真理ちゃんじゃない!?無事だったのね!良かったわ~」


 男は女の子走りで近づいてくる。その行動と口調に違和感を覚えたのかレナとエレオノーラは目の色が変わり、違う意味で警戒し始めた。


 


「お久しぶりです、ガイルさんも無事でなりよりです」

「皆心配していたわよ~。話はモーレアに聞かせてもらったから、あたしも協力するわよ!……ってそちらのお二方は?」

「こちらはレナさんとエレオノーラさん、二人共コンダート王国の国王が信頼する軍人で今回の作戦に協力してくださります」

「軍人?ああ、この国でいう騎士と同じ役職よね。あたしはガイル・ディクソン、ここの店長で元イスフェシア皇国騎士団隊長してたの。よろしくね!」

「よ、よろしくお願いします……」


 


 二人は苦笑いをしながら挨拶をする。ガイルは二人に飲み物を何にするかを聞いてレナはココア、エレオノーラはアイスコーヒーを注文するとガイルは早速調理場に戻る。


 しばらくするとガイルがコーヒーとココアが2つ、そしてアイスクリームが乗っているパンケーキを人数分テーブルに置く。


「さあ、さあ、召し上がってちょうだい」

「ありがとうございます」


 二人はパンケーキを食べると表情が変わりさっきまであった警戒心が消えていく。口に含んだパンケーキはしっとりとして甘さは控えめだが、アイスクリームと一緒に食べることで味の調和が行われちょうどいい甘さの味へと変わるのだ。


 

「……美味しい!」

「ありがとう、皆が集まるまでゆっくりしてね。おかわりもあるわよ」



 二人の表情を見てガイルは満足そうに微笑む。


 皆が集まると言っていたので誰が集まるのかを聞くとモーレア、ウインチェル、アルメリアがここに来るらしい。


 


「よお、待たせたな」

「お久しぶりです。真理さん」

「ウインチェルさん!……アルメリアさん」


 


 噂をすれば3人が店に入って近くのカウンター席に座る。

 私はアルメリアを見て幻想の宝玉を発動しようとするとウインチェルとモーレアが止める。


 ウインチェルはアルメリアが以前の戦いで私達を裏切ったと思っていたが、実はデスニア帝国に協力する振りをしてマリー様が何処にいて救出する方法を探っていたとのこと。そして密かにデスニア帝国の情報収集をしていたと語る。


 


「真理さん、あの時はごめんなさい。マリー様を助ける為とはいえ、あなたには大変な思いをさせてしまったわ」


「最初は本当にデスニア帝国側についたのだと思って悲しかったですが、真意を聞けて良かったです。一緒にマリー様を助けましょう」


「ええ」


 


 誤解を解いたところでモーレアは私にウインチェルに付いている腕輪を破壊してくれと頼む。私は幻想の宝玉を使って腕輪を破壊する。


 


「ところで敵にバレたりしないのですか?」


「安心してください。ここにいる3人には私の魔法『デコイロイド』で分身を作っていますし、今モーレアに付けている腕輪はダミーです」


 


 ウインチェルはそう言うと自身の腕に魔法を掛けて、腕輪にそっくりなダミーを装備する。それを見たレナとエレオノーラは「おお~」とつい声を出して感動を覚える。コンダート王国では魔法の技術を発展する為に開発部が研究を進めているらしいが攻撃魔法を中心とした開発を発展してはいるが日常生活で使えるような魔法はまだ進めていないため攻撃以外の魔法を見るのは新鮮な出来事のようだ。


 


「ひと段落がついたところで本題に入るとしましょうか。まずはマリー様の洗脳を解くためには真理さんの力が必要なのですがどうやってマリー様に近づきましょうか?」


「ん、ここに連れて来ればいいんじゃねえか?マリー様は前からガイルがいるこの店に来たがっていたしよ」


「あらやだ嬉しい。でもあの帝国の奴らを何とかしないといけないわね」

「それについて戦闘は避けられないけど、今監視役であるラーシャちゃんはミーアちゃんとラルマ君と一緒にエンザントで遊んでいるわ。そしてエンザントにはエトさんが認識阻害の結界を展開しているから召喚している魔物が倒しても情報が伝わるまである程度の時間は稼ぐことはできるわよ」


「街にいる帝国兵もディズヌフさん達が追い払う為に動いています」

「後はカタカリ大草原にいる魔物達か……」


 


 カタカリ大草原にいる魔物達はゼルンが作ったマジックパウダーで強化されて並みの人では太刀打ちできない。しかも数が多いので仮にイスフェシア皇国を取り戻したとしてもその軍勢に攻められたら国が滅ぶ可能性がある。



「それでしたら私達が殲滅します」

「コンダート王国の軍事力をお見せしますよ」


 


 レナとエレオノーラはゲルシュタインに待機させている爆撃機を出撃させて援護や増援を要請することが可能だと言う。


「真理、そのばくげきき?って強いのか?」

「例えるなら空から翼が使う究極呪文をぶっ放して瞬間的に全滅できるぐらいの破壊力があるわ」

「マジかよ!?」


 私の話を聞いてレナとエレオノーラ以外の人が驚いた。少し話を盛った感はあるけどあながち間違ってないからいいでしょう。


「よし!帝国からマリー様を、イスフェシア皇国を取り戻すぞ!!」

「「「おー!!」」」


 


 平和を取り戻す為に、今度こそこの国を守る為に今こそ私達は立ち上がる。


 

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