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魔法の国と異世界転移者  作者: 旅人サン
9章 クロスオーバーガンセイバーズ編
65/150

65話 ミスト・ゲーム


 霧で中距離以降から見えない中、空から砲弾が降って来て地面に着弾すると爆発する。

 戦闘ヘリも“何か”に当たってそれが爆発し墜落する。


 「敵を確認できた者はいる!?」

 「できません!!上空から鉄球が落ちてきてそれが爆発しています」

 「そんなの見ればわかるわよ!」


 鉄球が上からの落ちている事を察するにどうやら敵は空から攻撃を仕掛けているみたいだ。

 

 「ちょっと上の様子を見てきますね」

 「えっ」


 俺は戦闘ヘリの方向にジャンプし戦闘ヘリの下に剣をぶっ刺して上空と地上の様子を見る。

 霧でよく見えないが地上はコンダート軍が帝国の竜騎士兵と戦闘している。上空には何か大きな物体の影が見える。


 「あの巨大な物体が怪しいな」


 一旦地上に降りてレナに報告する。レナは兵士達との連携を取るためにここの地図を広げて兵士に指示を出す。戦車の赤外線モニターでもその巨大な物体の熱源は確認出来ると兵士は言う。

 

 「まず、第二、第三部隊はこのポイントに合流して陣形を取って竜騎士兵を殲滅せよ。戦闘ヘリの連携は信号弾で取ります」

 「了解」

 「私はさっきの上空にいた巨大な物体が気になったのでそこに向かいますね」

 「わかったわ」

 

 レナに竜騎士兵の殲滅を任せた後、再びジャンプして飛び回っている竜騎士兵を踏み台にしながら巨大な物体まで近づく、すると巨大な物体の正体は飛空艇だった。

 なるほどこの飛空艇の大砲を使う又は竜騎士兵に砲弾を持たせてそれを戦車に落として攻撃しているのか。けどこの霧でどうやって戦車の位置を特定しているんだろう?


 「とりあえず中に入ってみますか」


 剣で飛空艇の壁を斬って突入すると敵が集まってきた。コンダート王国は銃火器を使って敵を殺しているが、俺は人間相手にそんな殺戮をマネする気はない、レナ大佐には悪いが俺は俺の方法で敵を倒させていただこう。


 「スキル『紫電の太刀』、『慈悲』」


 ライフセイバーに紫色の電流を流し込み、敵の攻撃を防ぐと電流が相手に流れて感電し倒れる。一応スキル『慈悲』の効果でどんな強力な攻撃をしても相手を殺すことはない。

 

 敵を感電させながら操縦室へと向かう。すると目の前には青髪のポニーテールでモデルのような女性が立っていた。





 一方、レナは飛んでいる竜騎士兵の殲滅をしている。最初は霧の影響で戸惑ってしまったが今は各員にサーマルスコープを装着させ、飛んでいる竜騎士兵を目視で確認できている。

 戦闘ヘリは一旦この場から離脱するように信号弾で知らせる。戦車は可能な限り走って竜騎士兵が落とす鉄球を回避するように指示を出す。


 「戦車を狙っている竜騎士兵がいれば、優先して落して!」

 「了解!」

 

 反撃は出来るようにはなったが謎は残る。どうやって竜騎士兵達は我々の位置を把握できて攻撃が出来ているのか?

 竜騎士兵の動きを観察すると竜騎士兵の一人が手を耳に当てている。そいつを狙撃して撃ち落とす、近づくと竜騎士兵の左手には魔石が握っていた。その魔石を拾うと魔石から声が聞こえる。


 「敵はポイント38427に移動している」


 この情報は戦車部隊に口頭で指示した場所、つまり情報が漏れている。一体何どうして?しかもこの声には聞き覚えがある。

 

 「大佐殿!ご無事でしたか!」

 「あなたは……」


 近づいて来たのは最初この場所に到着した時に戦況を聞いた兵士だ。

 

 「戦況は?」

 「竜騎士兵の数は減らしましたが、およそ30はいるかと。そして我が部隊は戦車6台は大破、ヘリは一時戦場を離脱しています!」

 「兵には竜騎士兵は乗っている竜を優先して狙撃して、そうすれば竜騎士兵ごと倒せるわ。ついてきて!」


 兵士はレナの後ろにゆっくり付いて行くと静かに腰のホルスターからハンドガンを引き抜き、引き金を引こうとする。レナは気付いて振り向きざまにハンドガンで兵士を撃つ。

 

 「がはっ!!な、なぜ」

 「あなたが竜騎士兵達に私達の場所を教えていたんでしょう?この魔石からあなたの声が聞こえたの」


 レナは先程竜騎士兵から拾った魔石を見せる。

 

 「なる……ほど、バレてしまいましたか。しかし、帝国の勝利は揺るぎませんよ」

 「一つだけ教えて、何故裏切ったの?」

 「裏切っては……いませんよ、私は元から帝国の軍人です」

 「そう」


 レナはハンドガンで兵士の頭を撃ち抜き止めを刺す、どうやらこの兵士はコンダート軍に成りすましていたらしい。

 直ぐに他の兵を呼んで魔石を渡す、魔石を渡された兵士はレナの言う通りに竜騎士兵達に偽の情報を連携する。

 すると竜騎士兵達は一斉にその場所に集まって待機する。

 

 「この場所にあの鉄の箱が集まるはずだ!一気に叩きのめせ!!」


 レナは近くにいる戦車まで走り操縦席に入る、そして操縦者に北東1km先にいる竜騎士兵に目掛けて主砲を撃つように指示する。その後、外に出て全ての兵士に聞こえるように叫ぶ。


 「弾種榴弾、目標、上空の敵竜騎兵。全車、撃て!」


 レナの声が聞こえた兵士は戦車が撃った方角に合わせてアサルトライフルを撃ちまくる。竜騎士兵達は戦車と戦闘装甲車の主砲と歩兵が撃つ銃の弾幕を浴びて次々と地面に落ちていく。


 「撃て!敵が動かなくなるまで打ち続けろ!!」

 「了解」

 

 兵士達はレナ指示通りに撃ち続ける。次第に空を飛んでいた竜騎士兵達は全て落ちていった。


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