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魔法の国と異世界転移者  作者: 旅人サン
4章 ミーアのピクニック編
30/150

30話 雷の吸血鬼

 目が覚めたら、最初に盗賊達の足跡を見つけた泉の近くにいた。


 「ここは…」

 「ミーアちゃん!目が覚めたのね、良かった~」


 真理はミーアを抱きしめる。どうやらあの後、泉で召喚したスライムナイツが真理達を案内し、ミーア達が倒れているところを発見してここまで運んで治療してくれていたらしい。


 他の皆は何処かを尋ねるとガイルとアーリレッドは怪物となった盗賊の死体を調査及び逃げた盗賊の行方を探している。エトは泉周辺の警備を強化する為に村の警備兵を集めに行っている。そしてウインチェルはと言うと…。


 「この……大馬鹿者!!」


 三人のお説教をしている。


 「今回は偶々勝利したから良かったものの、もしあの盗賊達があなた達よりも強くて逃げることが出来なかったらどうするのですか?」

 「ごめんなさい…」

 「それ以前に!!盗賊が妖精を誘拐したとわかった時点で私達に救援を求めて入れば、こんなにボロボロならずに済んだのですよ」

 「はい……」

 「あなた達の倒れている姿を見て、私達が……どれだけ心配したと思っているんですか……」


 ウインチェルは生きていて良かったと泣きながら三人を抱きしめる。三人は泣きながら謝り続けた。





 時は立ち、夕方になる。

 ラーシャは待ち合わせている人がいるらしく、村の東ある港に向かうらしい。


 「ラーシャちゃん、今日はありがとう!!」

 「もし良かったら次はベリアで一緒に遊ぼうよ!」

 「ふ、ふん…時間があったら遊んでやってもいいわよ」

 「約束だよ!」


 ラーシャは顔を赤くしてエトが用意してくれたケンタウロスの馬車に乗る。港まで送ってくれるみたいだ。

 妖精達はミーア達に「ありがとう」とお礼を言い、村の入り口まで見送る。


 「バイバイ~!」

 「また遊びに来るからねー!」


 馬車は動き出し、ベリアへと帰還するのであった。





 ベリアに帰還し、城に戻るとオゼットとモーレアが迎えに来た。ミーアとラルマの服を見て何があったのかを尋ねるとウインチェルに話は後にして先にお風呂に入りましょうと二人を連れて大浴場に向かう。


 大浴場の入り口に着くと男湯と女湯に分かれて大風呂に入る。


 「ああーいい湯だねー」

 「真理お姉ちゃんの世界でもこんなに広いお風呂ってあるの?」

 「そうねー、ここまで広い風呂はないかな。でも私達の世界ではスーパー銭湯っていう施設があっていろんな種類のお風呂があるのよ、ミーアちゃんはきっと驚くわよー」

 「いいな~私も真理お姉ちゃんの世界に行きたいな!」

 「今度、フェリシアさんにお願いしてみましょうか」


 真理達は楽しく雑談しながら体を洗う。


 「ウインチェルさんって胸大きいですよね~」

 「や、やめてください」

 「うーちゃん柔らかい~」


 ……楽しく雑談しながら体を洗うであった。





 一方、港にたどり着いたラーシャは待ち合わせている人物にあう為に合流地点である宿屋に向かう最中であった。

 早くシャワー浴びたいと欲求を我慢しながら歩いている最中、どこかで見たことがある連中を見つける。あの妖精を誘拐した盗賊達だ。どうやらここまで逃げ切っていたらしい。


 「畜生、あのガキどもに邪魔されなきゃ今頃は大金手に入れて遊んでいたのによう」

 「しかもあの薬屋から買った粉……とんだ欠陥品じゃねぇか」

 「今は大人しくしてまた落ち着いたら今度はコンダート王国に行こうぜ、噂だとかなりの美女が揃っているって話だ…奴隷売買には持ってこいだぜ」


 盗賊達の話が盛り上がっている中、ラーシャはそこの道の奥にある宿屋に行きたい為、「邪魔」と言って通り抜ける。盗賊達は「あ、すいません」と言って道を譲ってくれたが、彼女の姿を見て思い出し、囲んで道を塞ぐ。


 「よお、お嬢ちゃん。また会ったな」

 「あの時はよくも邪魔してくれたよなぁ、どう責任とってくれるんだ?あ?」


 ナイフでラーシャを脅すが、彼女は鼻で笑う。確かにあの時は“力”が使えずにいて苦戦をしてしまったが、今は“太陽”は沈み、月は出て“夜”を迎えている。彼女の瞳の色が赤く光る。


 「早くそこをどきなさい……と言いたいところだけど私はあなた達が妖精達を誘拐して売ろうとしたことに腹を立てるの」

 「んだとぉ!!このガキが!!!」

 「消えなさい、サンダー・ショット」


 ラーシャは盗賊に魔法を放つ、盗賊の一人は一度この魔法を受けたが大したダメージじゃない事を知っている。盗賊は雷の魔法を魔法壁で防御してから彼女を捕まえようとするが雷に触れた瞬間、電流が全身を照らす様にバチバチに光り一瞬にして灰になる。それを見て盗賊たちは驚く。


 「な、どうなっているんだよ!」

 「昼間はこんな火力じゃなかったぞ!!」


 ラーシャは次々とサンダー・ショットで盗賊達を灰にしていく。最後に生き残った盗賊は全力で逃げ出して曲がり角を曲がると何者かの大鎌で首を切られて首が飛んで行く。


 「レイ兄ぃ!!」

 「遅かったじゃないか、皆心配しているぞ」


 ラーシャは大鎌を持った男……レイブンに抱きつく。ラーシャは今日の出来事をレイブンに話しながら宿屋に入るのであった。


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